第二十話 真相(後編)
夜から衝撃の事実を聞いたその夜俺は1人今までの事を紙に書き出す。色々混乱しているからな。にしても、俺が復帰する前にアイツとバスケをすることが無くなるとは思ってもいなかった。
・狸が久保に手を出す。
・夜は朝日先輩と久保を助ける。
・久保をスパイする過程で、夜と朝日先輩が付き合う。
・夜が泣いていたのは力になれず1人で悩んでいたため
・夜と朝日先輩の恋は本物
・久保は助けてくれる夜に少しでも何かしてあげたい ↓
夜と朝日先輩が付き合ってるのがバレないようにする。
ざっとこんなもんか。とりあえず後で吹雪先輩にだけは伝えておこう。あまり久保のことには触れずに伝えようと思う。
俺は久しぶりに狸に連絡をする
「明日少し話そう。久しぶりに会いたい。」
怒っているのを見せないよう、優しくメール送った。狸が来なかったら意味が無いからな。
しょうもない。
しょうもなすぎる。
ずっと何があったのか捜索してきた俺だが、あっけなく、結局本人に聞いて終わるという始末。
そして、実際何があったかというと、ただの狸の嫌がらせ。
どんな真相かと、俺自身でさえ、少し期待してしまっていたが、結果はしょうもないものだった。
まあ、実際、アニメとかでもない限り、現実の恋愛から始まることなんて、全部そんなもんか。
そんなことを思いながら、俺はベッドに入った。
放課後。俺はすぐにカラオケ向かう。部室で話したかったのだが、狸は退学してしまったので無理だ。大きな声を出す可能性もあるのでカラオケにしておいた。俺は夜と朝日先輩、久保だけ呼んでおいた。夜に確認して、徳永も誘っておいた。少し協力してもらったからな。少しだけ。
到着すると狸以外みんないた。こうしてみんなでいると狸もビビっちゃうかもしれないが、この際そんなことはどうでもいい。
すると狸はきた。
「久しぶり。狸」
「久しぶり。楓」
俺は優しく話しかける。
座っている俺は立ち上がる。今立っているのは俺と狸の二人だけだ。
「全部話は聞いた」
「そうか。」
「謝る気はねえのかよ!!」
俺はいきなり怒鳴ってしまう。久々に頭にきていた。
「もちろん。悪いとは思ってる」
ぐだぐだしている狸にムカついた俺は狸の胸ぐらを掴んでしまう。
「テメェ、自分が何したのかわかってんのかよ。久保はもちろん夜にも朝日先輩にも迷惑かけてんだよ。」
狸は黙ったままだ。
「なあ、いつものお前はなんだったんだよ。俺たちと仲良くしてたお前はなんだったんだよ。一緒にバスケしたお前はなんだったんだよ。」
自分でも何を言っているのか分からないが、俺は思うことを次々と言う。
そして席に座る。
朝日先輩は俺の頭を撫でてくれた。
「本当にごめんなさい。許される権利はないです。」
狸はそう言う。当たり前だ。許す訳が無い。謝るのも遅いんだよ。狸。
もう狸と遊んでいたあの日々は戻ってこない。
狸とバスケをしていたあの日々も戻ってこない。
こんなクズだけど、俺の、俺たちの大切な仲間だった。
「狸、俺は絶対にお前を許す気は無い。」
その後、朝日先輩が口を開く。
「お前と遊んだこと、バスケをした事全部俺たちの思い出だ。俺の大切な仲間だった。それだけは、忘れないでくれな。」
言いたかったことも朝日先輩が言ってくれた。
狸の目に涙が見える。そして狸は倒れ込むようにして、泣く。
でも慰めたりなどはもちろんしない。
近くの徳永も泣いている。
「狸。今までありがとうな。」
最後だけは優しい言葉で俺はそう言った。
ご愛読ありがとうございます。
さて、バスケ部についてですが、一旦終了と言った所でしょうか。一話から追ってきたこの件は早くも終了ですね。いきなり急展開だったかもしれませんが。楓は本当に狸を信頼していたのが分かります。これからも、楓の物語はまだまだ続きます。楽しみにして頂けると嬉しいです。
ぜひ、最後に下の五つ星評価をしていってください。




