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序章 人の恋路をスパイするらしい
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第十九話 真相 前編〜神無月夜という女〜

俺はCクラスの扉を開ける。


「夜。ちょっと来てくれ。」


思わず俺は夜の元を訪ねていた。

狸が、退学となるともういよいよ時間がない。


1番手っ取り早いのはスパイ行動なんかすることではなく、聞くことだ。


「夜。どうなってんだよ。全部、教えてくれよ。」


「落ち着いて。何があったの」


「何があったじゃねーよ。狸が退学になった。俺は朝日先輩と夜、そして久保、狸。この四人はなにか関係があるって思っているが、お前は何か知らないのか。」


俺は焦りのあまり強い言葉を発してしまう。


なんで、俺の仲間が退学になるのか。


「楓だけはバスケ部のために頑張って今まで調査してたんだね。何となくわかるよ。久保さんもそう言ってたし。」


「ああ確かにしてた。俺はお前のこととか色々捜索してたよ。最初は面白い半分でスパイみたいなことしてただけだった。でも今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ。」


「じゃあ、話すよ。あれはいつの事だっけな。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


私はバスケ部のマネージャーになってから最初は久保さんと仲良くしていました。


でも、マネージャーになってから3ヶ月程だった時でしょうか。


久保さんの元気がなくなったのです。


私は、久保さんに聞いてみたけど、彼女は何も話しません。


私は久保さんを救いたい。


私は久保さんをスパイすることにしたのです。


スパイをしてから何日目でしょうか。


狸と久保さんが話しているのを見かけました。

元々二人は仲が良いと思っていたので最初は何も思いませんでした。

私は物陰に隠れて会話を聞きます。


「由利〜早く俺と付き合おうよー」


由利というのは久保さんの下の名前です。

狸がそう言って久保さんにだる絡みしています。


最初はあまり関係ないと思っていたのですが、狸のだる絡みは日に日に増していきます。

狸はきっと久保さんが好きなだけなのでしょう。

でも久保さんは嫌がっている。

私はどうしてもこれを止めたかった。


私は先輩の中で1番尊敬している朝日先輩に相談します。

相談してからは、朝日先輩も私と共にスパイすることになりました。


狸のだる絡みが日に日に増えると、ついに体を触ったりするようになりました。


一時期、久保さんがバスケ部をやめようとしたこともありました。


それを見て、私は狸が久保さんのこと触っている所を見ちゃった。と久保さんに伝えました。


それを言うと久保さんは動揺していましたが、私が絶対に助けるからね。そう言って、私は久保さんを安心させました。


でも、今ではスパイする期間が長すぎたかなって思っています。あまり久保さんとは直接話さなかったため、バスケ部では不仲説まで出ていて、私が久保さんを嫌っているという情報まで出てしまいました。


私は中々力になれず、教室でひとり泣いてしまうこともありました。


朝日先輩が1度狸に、


「久保に色々アピールしてるみたいだが、しすぎるなよ。」


と言ってくれましたが、それでも狸はやめません。

この件はなかなか収まらず、ダラダラと続いてしまいます。


久保さんも慣れてきてしまい、少し元気になってきます。


嫌なことがあっても、私と朝日先輩が慰めます。


合宿でもう朝日先輩に狸の悪口を言いすぎて、たまたま見られた藍澤先輩に勘違いされてしまいました。


そして、この前ついに久保さんが泣いて私の所に来たのです。


「狸に襲われた」


そうして久保さんは私に録音したのを聞かせて来ます。

どうやら狸は無理やりにも久保さんの服を脱がせて、、、

私はさすがにそれを学校に提出しようといい、二人で提出しました。

これで久保さんが嫌がらせを受けることはなくなるでしょう。

でも私は久保さんにこんな思いをさせてしまうまで、結局何も出来ませんでした。


私は何回も久保さんに謝りました。

私も久保さんも沢山泣きました。


全部アイツが悪い。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺の頭は混乱でいっぱいだ。

心臓の鼓動も何かおかしい。


「夜、話してくれてありがとう。全部本当のことなのか?」


「もちろん。信じられないかもしれないけど」


俺は今まで何をしていたんだろうか。

何も力になってやれなかった。

それに夜と朝日先輩に何かあるのではないかと思っていたが、夜はただ良い奴だっただけだったのか。


「力になれなくてごめん」


「話はあまり大きくしないって私と久保さん、朝日先輩で決めたことだから、楓は気にしなくていいんだよ。バスケに支障が出たら、ダメだしね」


狸がヤバいやつすぎて、人間不信になってしまいそうだ。

今まで仲良くしてたアイツは誰だったのだろうか。

そして、この事実に辿り着けなかったのが悔しい。


「まあ、この件は一旦一段落ついたわけだから、もうここで話は終わりだよ。」


夜はただの良い奴だった。


「夜。一つだけ聞いていいか?」


「いいよ」


「お前と朝日先輩の恋は本物か?」


「もちろん」


「狸の恋は一方的で正しいとはいえない恋ではあったけど、、」


狸のしたことは恋の感情から始まってしまった。

狸はその恋という感情から無意識に嫌がらせをしてしまった。

夜は1度息を飲み、そして笑顔で喋り出す。


「その『恋路をスパイしていたら、いつの間にか 恋人ができていた』かな。」








ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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