第十五話 転落
自由行動が終わり、林間学校の2日目ももう夜に突入しようとしている。今日が終われば、明日クラス行動をして、帰宅だ。
俺は晩御飯を終え、暇なので同じ部屋の猿田、柊と麻雀をしている。
「ツモ!四暗刻。32000」
猿田が大きな声を上げる。簡単に言えば猿田が麻雀で強い技を繰り出し、一気に逆転をして興奮しているのだ。かなり運がいい。
そうやって、大盛り上がりの麻雀だが、今日は1位猿田、2位俺、3位柊で終わった。
「売店いこーぜ」
麻雀も終わり猿田が売店に行こうと誘ってくる。
「俺はいいや」
柊は行かないようだ。
「俺は行く」
俺は行きたい。お菓子を食べてゲームがしたい。猿田と売店に向かい、ジュースとお菓子を買う。
部屋に帰る途中突然猿田が足を止め、俺を手で抑える。そして静かにしろっとポーズをして訴えてくる。
猿田の目線の先には影に隠れてあまり見えないが、緑岡と如月だろう。
「あれ、何してんだ?」
俺は聞いてみる。
「わっかんねーけど、キスでもしちまうんじゃねえの?」
「楓くん?猿田くん?何しているのですか?」
突然、霜月と鴨志田に声をかけられ、俺は今日霜月と見た映画よりもビビる。霜月も鴨志田も売店から帰る途中のよ
うだ。霜月は鴨志田と紅と同じ部屋だっただろうか。上手くやれているみたいだ。
「緑岡と如月が、、、」
猿田が小声で言う。その場にいる4人黙ってその現場を見続けてしまう。
「やべえって、もう帰ろう」
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「楓!いい加減に起きろ!」
そして今日も猿田に起こされる。いい眠りはできたはずだ。きっと深い眠りにつきすぎたのだろう。その深い眠りから目覚めるのはもったいないだろう。なんて思いながらしょうがなく俺は起きる。
今日で林間学校は最終日だ。早い三日間だった。
朝食終え、各自支度をしてから、クラスで集合する。
3日目はカヌーをするのだ。楽しみにしている人も多いだろう。俺もカヌーは初体験なので非常に楽しみだ。
カヌー場に着き、説明を聞く。
二人乗りのカヌーらしく、俺は隣の水無月と組むことにする。
「早く行くぞ楓!」
水無月と俺はトップバッターでカヌー始める。最初は難しかったが、俺も水無月もすぐにコツを掴み、早いスピードを出せるようになる。転倒するのが怖かったが、全然しなさそうだ。
漕いでいると、霜月と如月のカヌーに遭遇する。
「楓くんに水無月くん!」
霜月と如月に手を振られ、俺と水無月も返す。
「あれ。ポニテじゃん。」
水無月のい言う通り、霜月がポニーテールをしているのだ。
それに視線を泳がせると、ついバランスを崩してしまう。
「あ、」
「おいバカ!」
体のバランスは戻せそうだったが、水無月もあわててしまい、お互いバランスがかみ合わず、転倒して水にinだ。
霜月と如月は転倒する俺たちを見て笑っていた。
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「楓のせいで疲れたよー」
カヌーが終わり着替えながら水無月がそういう。
転倒したのは俺と水無月ペアだけだったらしい。。
その後は近くの定食屋でお昼を食べて、早くも帰る時間だ。
バスの中はほとんど皆熟睡だ。だか、後ろの猿田はこんな時間も惜しまず麻雀をしていたことは俺以外知らないだろう。もちろん対戦相手は俺だ。
学校に到着して、特に何もなく解散だ。みんなにサヨナラの挨拶をして俺は帰宅する。帰り道が同じな霜月と自然と一緒になる。
「林間学校。とても楽しかったです。」
霜月は微笑みながら言ってくる。
「そうだな。あっという間だったな。」
「私、転入してまもないのにこんなに楽しめるとは思いませんでした。全部、楓くんのおかげです。ありがとうございましたり」
そこまで言われると思わずニヤけてしまいそうになる。
「楽しかったなら良かった。」
だが、明日からは地獄だ。もうテスト期間に入ってしまうのだ。
「霜月はこっちでは初めのテストだな」
「そうですね。そこそこ頑張ります。」
「お前ならトップ狙えると思うから俺の分まで頑張ってくれ」
俺は勉強したくないため、そう言う。
「何言ってるんですか、楓くんは勉強しますよ。しないなら私としてもらいます。なんなら勝負しますか?」
「霜月。残念ながら俺はトップテンにすら入ったことがないんだ。」
「じゃあ、楓くんはトップテンを目標にして一緒に頑張りましょう。私が教えてあげます。」
「善処する。」
まあ、そろそろトップ10くらいはありか。
「あれって猿田くんと鴨志田さんじゃないですか?」
突然霜月が言うが、目線の先には確かに猿田と鴨志田がいる。
帰り道はこっちじゃないはずだから2人で遊んでいるのだろうか。
「猿田に鴨志田じゃないか、カップルで遊びか?」
俺はだる絡みしてみた。
「え?もう俺たちのことバレてるのか?」
予想外の返答がくる?
「え?お前たちホントに付き合ってんの?」
「ああ、昨日から俺は鴨志田と付き合う事になった。」
猿田ははっきりとそう言うのだった。
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そして、猿田紫耀は、林間学校であったことを思い出すのだった。
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