138 恋愛相談
駅最寄りのカラオケボックス。
先に入室して俺は客人を待つ。
「やあ。文月。待たせたな。」
「言うほど待ってない。二人だけか?」
「ああ。真面目な話の時は二人。ワシと琥珀。それに今回は相談もあるからな。」
相手は谷田部琥珀。そして、八木寿人だ。
「なるほど。」
俺は声を掛けられた側なのだか、ちょうど俺も用事があり、集まることになった。
「俺からでいいか?そんなに長くはならない。」
「ああ。もちろんだ。」
谷田部が答える。
「何となく分かってると思うが、例の噂の事だ。」
そう。俺は谷田部たちに少し噂について協力することになっていた。
とは言っても、俺は谷田部たちを信用しきっている訳じゃないし、表面上の協力だ。
仲間を増やしておくことはいい事だし、役に立ってくれる可能性もある。
「犯人は伊達と前に言ったよな?あと二人だ。」
「根拠は?」
「伊達だ。」
「本人と接触したのか。なかなか動いてるみたいだな。」
「まあちょっとな。」
黄瀬川ではないらしい。など余計なことは言わない。
「あと二人。ウチらの予想だと一人他のクラスに犯人がいる。そうとすれば、あと一人ずつとなるが、それについてはとうだ?」
「なんとも言えないな。」
「そうか。ありがとな。文月。」
「いや。こんなしょうもないことですまない。」
「いやいや、これからもよろしく頼む。」
「ああ。じゃあ早速、相談?を聞こうか。そもそも、俺でいいのか?」
「正直、文月でなくても構わないのだが、噂のことを考えると、文月が適任と判断した。」
「噂と関係あるのか?」
「いや、まだない。」
「まだ?」
「ウチらのグループ。ここ2人に、渡良瀬、北村、綿引。この中の誰かが噂を流された時の対策だ。」
「ほう。本題を聞かないとよく分からないな。」
「そうだな。じゃあ俺が話す。」
八木が話す。
「恋愛についてだ。」
「すまない。ちょっと予想外すぎる」
「ああ。まあ、5人の男女となると、やっぱ起こってしまう。好きとかな。」
「まあ、それはいいんだが、噂と何が関係あるんだ?」
「噂の中でも、恋愛系の噂は厄介だからだ。流されたら困る。」
「まあ、それは分かる。だが、それは俺にはどうにもできないぞ。」
「ああ。だから、もしもの時だ。噂が流れちゃった時、うちらはどうせ文月に相談する。だから、今この話をしとけば、二度手間にならないだろ?」
「まあ、理解はした。」
「あと、普通に友達が少ないっつーのもあるかな…」
谷田部はうつむいた。
「分かった。で、その恋愛について詳しく聞かせてもらえるか?」
「ああ。まずはな。ん〜」
言葉が途切れる谷田部。そして首を傾げる。
「八木。頼んだ。」
「おし。任せろ。」
八木が変わって説明するようだ。
「まず、ワシたちのグループ。琥珀グループとでもさせてもらおうか。その中でな、ワシと琥珀を覗いた三人。」
「渡良瀬。北村。綿引か。」
「そうだな。それがなあ、三角関係ってやつなのだろうか。」
「なるほどな。」
「北村が渡良瀬を、渡良瀬が綿引を好きなんだ。」
「綿引は?」
「渡良瀬ではないとだけ言っておこうか。」
「なるほどな。状況は理解した。俺はどうすればいいんだ?」
「まず、シンプルに意見が欲しいな。ワシも琥珀も恋愛経験がなくて、何もわからんくてな。」
「うるせえ」
谷田部がそう言うが、本当っぽい。
だが、残念ながら俺も恋愛経験はない。
「文月は結構女子とも話すのをしばしば見かけるし、よく分かるだろうと思ってな。」
まあ確かに女子とは話すが、恋愛なのだろうか。
恋愛に関わることは多いけどな。
恋愛知識も客観的ならば、ある自身は正直あるし、ここはアドバイスすることにしよう。
実際、自分のことになると、何も分からないのだけどな。
「そもそも、八木はどう思ってるんだ?願望でもいいんだ。」
「ワシはなんでもいい。ただ、五人に亀裂が入るのが嫌なんだ。だからこうして相談している。」
「北村は俺的に色々な人を好きになる気がするが。」
去年神楽坂に告白していたのを思い出す。
「実際そうだ。去年で、二回。今年で既に一回告白してる。」
「じゃあ、渡良瀬と綿引がくっつくのを優先するのがいいんじゃないのか?」
無難な回答だろう。
「まあそうなのだが、綿引がな……」
そこで口を止める。
「すまん。ちょっとトイレに行ってくる。」
谷田部がそう言って部屋を出ていく。
「ナイスタイミング。」
八木はそう言った。
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