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第3章 恋愛も事件も全部俺がスパイする
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136 もう一人のスパイ


「あの、、紅さん。ちょっといいですか?」


「あ、有栖ちゃん。どうした?」


楓くんに言われた通り私は紅さんに話しかけます。

でも、彼氏います?みたいなこと私じゃ聞くのが恥ずかしいので、助っ人を呼んできました。


「神楽坂さんもどうしたの?」


私が呼んだのは神楽坂さん。


「ちょっとなあもう聞いちゃううわ!」


私は二回連続で頷きます。


「茜ちゃんって、今彼氏おるんか?」


「え、彼氏?いないけど。」


「え、そうなんか?」


「うん。もしかして噂のこと?」


「ま、そんな感じや。」


「あーあれはね、伊達君とはね、浮気してないし、雄太と別れた後も付き合ってないよ。」


「そーなんですね。疑ってたわけじゃないけど、浮気してなくて安心しました。」


「それだけ?」


「それだけです。失礼しますね。」


「あ。うん。」


ーーーーーーーー


「って感じです。」


「じゃ、伊達と柊の会話は少しおかしいな。」


「ですね。伊達くんは浮気してることを否定せず、しかも紅さんのことが好きと言っていたんですよね。」


「そう聞いている。ありがとう有栖。後は俺がなんとかする。」


ーーーーーーー


「って感じだよ。」


「ありがとう。夜。」


「これでいいのかな?」


「ああ。」


夜がいうには、猿田は噂が嘘ということを鴨志田に伝えなかった。

それは鴨志田を守るため。

鴨志田が信じてくれたとしても、周りは猿田が犯罪者だと思い続ける。

鴨志田も、犯罪者の彼女だと思われ続ける。

だから、嘘をついた。

そして、振られようとした。

自分じゃ振れなかったから。


でも、鴨志田に嘘はバレた。

嘘をつかれていたことに、鴨志田は怒りよりも悲しみを覚えた。

自分は信用されていなかった。

そう思ってしまった。

でも鴨志田は猿田のことがそれでも好きだった。

でも、自分のことは嫌になってばかり。

私は猿田くんを助けられないんだ。と。


それから気まずい関係になってしまった二人は、いつしかメール上で「別れよう」とだけ言って二人の関係は終わってしまった。


「ずいぶん詳しいことまでわかったみたいだな。」


「ま、まあね。」


じゃあ、後は俺が片付けるだけだ。

鴨志田の件は、猿田に少しだけ教えてやって、後は本人に任せることにする。

お互い、まだ好きそうだしな。

紅と柊の方は、恋愛の方は俺からは特に何もしない。

紅の方から聞いた情報はしっかりと使わせてもらう。

もちろん、伊達だ。


「待って。何するつもり?」


「特に何も。」


「楓。なんで調査してるの?今から何するつもり?」


「ただの好奇心だ。今からは、、、言えないな。」


「私に助けられることなら言って?」


夜は最近協力的だ。それはなぜか。


「夜。」


「え」


「お前はかなり俺に有益な情報をくれた。鴨志田が知らないようなことまで。」


「どういうこと?」


「俺は鴨志田に聞いてくれとだけ言った。なのにお前は猿田の心情だったり、色々深くまで教えてくれた。一日や二日でできることじゃない。」


「、、、」


「お前も調査してるんだろ?」


夜が協力してくれる理由。

それは、夜も調査してるから。


「な、なんで。分かったの?」


「噂が広まってから、お前は元々仲良くもないのにやたらと紅や鴨志田と話すようになったと感じ違和感を感じた。そして、この前神月と俺がお前にお願いしたことがあったよな。その時になんとなく感じた。」


夜は黙ったままだ。


「噂を流している線というのもあったけど、俺と同じ調査側だったみたいだな。」


「うん。そうだよ。気になっちゃってね。」


「夜。今から俺は噂を流す犯人と会ってくる。」


「え?分かるの?」


「複数いるうちの一人だけどな」


「え、私じゃ全然わかんない。」


夜。下手に調査されると、後々困る可能性がある。

協力者としては悪くないが。


「一人で行くの?」


「ああ。」


「ついて行っちゃダメ?」


「気になるか?」


「そりゃ。気になるよ。」


「全てが終わったら必ず教えてやる。だから、それまで待っててくれ。」


夜が変に調査して面倒ごとになる前にそう言っておく。

黄瀬川にバレたりしたら、どうなるかわからないからな。


「本当に、教えてくれるんだね?」


「ああ。だから、待っててくれ。後は俺に任せろ。」

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