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第3章 恋愛も事件も全部俺がスパイする
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133 デート(?)

 休日に突然神月からカフェに呼ばれた俺。

 何か生徒会のことか相談事かと思ってきたが、どうやら違ったらしく、俺は今から神月と遊ぶらしい。


「状況は理解したが、カフェに来る必要はあったのか?」


 今から遊ぶなら、別にカフェに来る必要はないだろう。


「え、それはね。あれが飲みたかったの。」


 そう言いながら神月はカフェのレジの方にある広告の方を指さす。

 それはいわゆる期間限定という商季節に合ったドリンクが書かれてあった。


「なるほどな。まず最初はあれを飲むということか。」


「うん。楓くんも一緒の飲もうよ。」


「ああ。せっかくだからそうしよう。」


 俺はこういう期間限定をしょっちゅう頼むタイプではないが、気にならないと言ったら嘘になるし、いい機会だし飲んでみるこちにしよう。

 神月と席を立ってレジへ向かった。


 神月が慣れた様子で注文を完了させる。

 金を出そうと思った時にここで俺は気づく。


 あれ、これって俺が払った方がいいか?


 さっき神月はデートとか言っていた、

 デートの時男が奢るというのは賛否両論あるだろうが、実際はどうなのだろうか。

 俺が今気になるのは神月がさっきあえて、デートという表現をしたこと。

 それはつまり俺に奢れと遠回しに表現しているのではないだろうか。


 とりあえず財布を開く俺を見て神月はそれを手で押さえるようにして抑止する。


「え」


 俺が何か言う間もなく神月は俺の分までスマートに払う。

 とりあえず会計が終了したのですぐにレジを離れ、ドリンクを待つために恥の方へ寄る。


「自分のくらい払う。」


 ありがとう。など感謝を伝えてもいいのだが、神月の真意がわからないため、ここは払う意思を見せる。


「え、いいよ。私が飲みたかったやつだし。」


「そうなのか。なら、ありがとう。」


「デートに誘った方が今日はありがとう見たいな意味で奢ることが多いのよ。良く覚えておきなさい。」


 なるほど。

 それが本当かは分からないが、神月はそう考えているみたいだ。


 ならば、個人的な考えだと、次は俺が払うみたいなのがセットで来る。

 あれ、なるほど神月そういうことか。

 これで俺に借りを作っておく。

 そこでこのまま遊び、昼が訪れる。

 そこで、さっき奢ってもらった俺が雰囲気的に払うとになる。

 カフェよりお昼の方が当然値段はかさむだろう。

 そうなると結果的に神月の方がお得になるのは言うまでもないだろう。


 そんな最低なことを一瞬考えてしまうが、そんな考えを見抜かれたかのようにそれは一瞬にして否定される。


「あ、別に借り作ったとかは思ってないから。きにしないで!」


 悪い神月。


 すると俺と神月のドリンクの番号が呼ばれ、それを受け取り、席に戻った。


「ごちそうさまです。」


 飲む前にもう一度神月にお礼の意をこめてそう言っておいた。


「全然いいよ~」


 そう軽く神月は言ってくれる。

 そうして、二人でその期間限定のドリンクを楽しみながら、何気ない話で盛り上がった。


 ーーーーーーー


 午前十時頃に神月と集合して、一時間ほどカフェを楽しみ、時刻は約十一時となる。


「神月の言う通り俺はお前にエスコートしてもらうことにする。」


 カフェを出てから俺はそんなことを言う。


「うん!任せて!」


 元気よくそういう神月。

 もうすでに考えてきているのかもしれない。

 だとしたら素直について行く方がいいだろう。


 その後、神月に言う通りついていき、神月の望むようにショッピングなどをお昼までしていった。

 神月の考えたスケジュールは、神月の好きなものだけでなく、ちゃんと俺が楽しめるように考えてあり、とても楽しめた。


「じゃ、そろそろお昼にしない?」


「ああ。そろそろお腹がすいてきたな。」


「何か食べたいものある?」


「神月の行きたいところで構わないが。」


「いや、楓くんの気分を聞いてるんだよ。」


 本当に何でもいいな。

 ご飯を食べるときは周りに合わせるタイプだ。


「強いて言うなら神月の好きなものが食べたい。」


 本当に思いつかない俺は逃げる選択を取る。


「おっけーわかった。じゃあ、私がよくあや、、ううん友達とよく食べてたところでいいかな?」


「ああ。そこにしよう。」


 神月が言いかけたことには突っ込まないようにしよう。

 察してはいるが、心の中にとどめておく。


 そうして、神月の言うところへ向かった。

 着いた場所はおしゃれなレストランでイタリアン風というかそんな感じがする。


「おすすめはあるか?」


「えーっとねー」


 神月から聞いたおすすめを頼み、また二人で談笑をした。

 途中で生徒化の話になり、少し噂のことについて話すことに。


「黄瀬川と今判明してるのは伊達だが、どう見る?」


「今じゃ何とも言えないよね。一つ言えるのは伊達くんは黄瀬川に操られているわけじゃないということ。」


「可能性としては、黄瀬川も操られている側あとは……」


「黄瀬川が操られてるってのもなんかね…」


「そうだな。あまり考えられない。」


「いつ言うか迷ってたんだけどさ、一つ情報を手に入れたの。」


「なんだ?」


「噂を流す張本人は置いといて、それに操られているのが三人いるってね。」


「伊達がそれに含まれるとするなら、少なくともあと二人いるということか?」


「うん。」


「それはどこで得た情報なんだ?」


「いや、なんか、生徒会位に八雲っているじゃん?そいつとその前話す機会があって。」


 八雲影太。なんだか聞いたことがあると前から思っていたが、いまだにちゃんと話したことはない。

 この前生徒会会議ですこし話しかけられた程度だ。


「そいつがさ、なんか噂のこと聞いてきてさ。どう思う?ってね。で、ちょっと話してたらそいつが、、、」


「三人いると?」


「うん。黄瀬川から聞いたとも言ってた。」


「ほう。なるほどな。八雲…影太…」


 なんで黄瀬川が八雲にそのことを言ったのか。

 なんで八雲はそれを神月に教えたのか。


 もしかしたら八雲は俺たちのことに気づいていたりするのかもしれない。


「協力してくれる可能性もあるし、一応仲良くはしといたよ。」


 八雲影太か。

 その内、話してみることにしよう。

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