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第3章 恋愛も事件も全部俺がスパイする
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110 動く

 

「楓くん。今回のテストはどうですか?」


 有栖に言われて思い出す。

 文化祭が一か月後に迫る中、テストは5日後だ。

 ちなみに何もやっていないが、5日もあればなんとかなる。


「残念ながら、まだ何もやっていない。」


「そうなんですか?今回私頑張ってるんです。楓くんに勝ちますよ。」


「そうかなら、俺も負けれれないな。」


 昔の俺だったらこんな気持ちにはならなかっただろう。

 勝ちたい。というよりは負けたくない。という気持ちだ。



 放課後、部活もテスト休みに入ったことだし、俺は教室に残って勉強することにした。

 受験生にもなったことだし、他にもたくさん残っている人がいるようだ。

 机をくっつけて勉強する女子グループ。

 カップルで向かい合って勉強する人もいる。


 そういえば、暁と岩下はどうしただろうか。

 気になって探してみると、どちらも一人で勉強している。


「楓くん。勉強するんですか?」


 話しかけてきたのは有栖。


「ああ。ちょっとな。」


「じゃあ、隣の席いいですか?」


「ああ、いいぞ。」


 二人で勉強を開始すると、一人俺のもとへ近づいてくる。


「岩下。どうした。」


「あの、混ぜてもらってもいいかな。」


「有栖に聞いてくれ。俺は構わない。」


 そう言って俺も岩下も有栖に視線を向ける。

 有栖は笑顔で頷く。

 なぜか恐怖を感じた。


 これは暁も誘った方がいい奴だよな。

 たぶん、そうだよな。

 俺は暁を呼ぶ。


「暁も一緒にやらないか?」


「お、いいのか?」


「ああ、もちろんだ。」


 そうして四人で勉強が始まった。

 時々雑談しながら、教え合って勉強をしていく。

 基本は有栖が岩下と暁に教えていた。

 岩下と暁の学力はそこそこのようだ。

 ランキングに入るほどの成績ではない様子が見られた。


「そろそろ帰ろう。」


 勉強も一通り済んだので、帰ることに。

 そのまま四人で帰っても良かったのだが、俺は水無月に話しかけられる。


「楓。一緒に帰らないか?あ、霜月さんも一緒に。」


「俺はいいが、神楽坂はどうした?」


「あ、もちろん一緒だぜ。四人で帰りたい。」


「有栖はどうする。」


 俺は有栖に話を振る。


「楓くんがいいならいいですよ。」


「よし、じゃあ帰ろうぜ。」


 そうして、四人で帰ることに。

 流れで岩下と暁が一緒に変えれているといいが。



 ーーーーーー



「で、どうしたんだ。水無月。なんかあるんだろ?」


「まあな。」


 まあ今相談があるとすれば、大型予想はつくが。

 おそらくクラスで蔓延している噂のことだろう。

 それ以外ならまあ個人の話だろう。


「クラスの噂のことやろ?」


 そう言ってきたのは神楽坂。


「ああ。楓はどう思う?」


 水無月は俺に訪ねてくる。


「噂についてか。」


「ああ。楓の意見を聞かせてくれ。」


「別に俺は何も考えていない。」


「問題が起こってからじゃ遅いと思うんだよな。まずはこの噂が本当か家が大事だ。」


「お前が言っているのは新島の噂のことか?」


「それが一番厄介な噂だな。それ以外も放っておくと、クラスの輪が乱れる。」


 水無月の意見はごもっともだ。

 誰と誰が不仲とか、誰が誰の文句言ってたなどの噂もちょっとずつ出始めている。

 このままだとクラスの輪が乱れる。


「まだ六月にもなってないのにな。この先が心配や。」


 神楽坂の呟き。


「霜月さんはどう?なんかある?」


「私は、何とかしたいとは思いますが、できることがないです………」


「そうなんよなーうちらにできることってなんやろ。」


「難しいな。楓、とりあえず、何かあったら頼むぞ。」


「協力ってことか?」


「ああ。楓も何かわかったら教えてくれ。」


「そのつもりだ。」


 だが、実際簡単に教えられるものではない。

 噂を流している犯人が水無月の可能性だってあるのだ。

 今、百パーセント白といえる人は恐らくいないだろう。


「水無月。一つ聞いていいか。」


「ああ。」


「朝、お前らの噂も出てたよな?」


「ああ、浮気のやつか?」


 なんと軽い反応。


「俺が聞いた話によると神楽坂が浮気をしてるってな。別に俺が信じてるとかじゃなくて。水無月はどう思う。」


「どう思うって?信じるか信じないだったらもちろん信じてない。それに、心は多分、ちゃんと俺に言うと思う。他に好きな人できたって。」


 確かに、神楽坂が嘘とか、隠し事をするような奴ではない。


「そうだな。なんかすまんな。」


 二人の関係は崩れていないようで安心した。


「他にも噂たくさんあるけど、全部本当なんでしょうか。」


 有栖が言う。


「噂ありすぎてわからへんな。あんなにあったら本当のこともちょっとはあるんやろな。」


「そうだな。全部本当だとしてもおかしくない。」


「とりあえず、流出先を探さないとな。」


 ーーーーーーーー


「緑岡くん。」


 とある学校の空きスペース。

 そこにいるのは神月桜。

 彼女が呼んだ相手は緑岡林太郎。


「なんだ。早くしてくれ。」


「最近、いろんな噂流れてるのはあんたにも分かるよね。」


「ああ、あまり舐めるな。」


「めんどくさいから率直に聞くけど、噂流してるの、あんただったりする?」


 緑岡は少し楽しそうに意味深な笑いを浮かべてから口を開く。


「なんでそう思うんだ。」


「いや、何か根拠があるとかじゃなくて、あんたならやりかねないなみたいな。思い当たるところから潰していかないとね。」


「なるほどな。頑張って調査してるみたいだな。残念ながら、俺ではない。」


「そっか。分かった。」


「信じるのか?そもそも、仮に犯人が俺だとして、うんと素直に言うわけないだろう。」


「じゃあ、どう思う?緑岡くんはこの噂について。誰が、何を目的に流していると思う。」


「人物についてだが、見当はついている。目的は不明だ。」


「まあ、私もついてるんだけどね。」


「まあそうだろうな。問題はそこじゃない。だろ?」


「分かってんじゃん。黒幕があいつとして、手下が何人もいるはず。」


「ああ。」


「私はその手下があんたかもしれないって思うんだけど、どうなの?」


「俺はもう面倒事には関わらない。楓の助けには応じるかもしれないが。」


「ほんと楓くんのこと好きだね。」


「好きではない。ライバルとでもいうのだろう。もう負けるつもりはないが。」


「そうですか。」


「俺はもう一度楓と戦いたい。それだけだ。」


「じゃあ、楓くんを裏切ることもあるってこと?」


「それは違う。が、可能性もなくはないか。」


「だから、あんたが裏切るかもしれないから私は注意してるの。」


「楓が俺を信用しきってるわけないだろう。どうせあいつは俺をうまく使うだけだ。」


「まあ、それもそうだけど……」


「そうか、その手があったか。」


「はあ?」


「いや、別に。楓ともう一度戦える方法が増えた。それだけだ。」


「どーゆーこと?」


「楓とお前は噂を何とかしようと思ってるんだろ?」


「うん。って、あんたと三人でね。」


「だから、俺が噂を流す側につけば、楓と戦える。」


「何言ってんの。バカみたい。やめてよね、マジ。」


「まあ。可能性もあるぞって話だ。敵を見誤るなよ。神月。」


「はあ。とりあえず。今んところあんたは敵じゃなさそうね。頼むから今年は大人しくしてね?協力だけしてて。」


「考えておく。」


「はあ。もういいよ。またね。」


「ああ。じゃあな。」




ご愛読ありがとうございました!

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ぜひよろしくお願いします!!

では、またお会いしましょう!

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