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第3章 恋愛も事件も全部俺がスパイする
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107 岩下紅恋愛という女

 

「私、暁くん好きじゃないの…」


 ごめんなさい。

 悪気はなかったの。

 私は去年のクラスマッチから、文月くんがずっと気になってた。

 なんかいい感じそうだから、つい霜月さんに声をかけちゃった。


 そしたらたまたま、文月君が助っ人に来たの。

 私の好きな人は文月君。

 霜月さんにはそういうつもりだった。


 でも、まさかの文月君が助っ人に。

 本人には流石に言えません。

 私はとっさに幼馴染の暁くんと言ってしまった。


 申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 いつ謝るか、ずっと考えた。

 せめて、霜月さんだけには言わないと。


 でも言えなかった。

 文月君に相談するときが楽しいから。


 私って最低だ。


 文月君は好きな人いるのかな。


 霜月さんは文月君のこと、もしかして好きだったりするのかな。


 はあ。まだ楓くんと話したいことばかり。

 でも、さすがに今、霜月さんに言わないと。


「私、本当は文月君が好きなの。」


 全部霜月さんに言った。

 悪気はなかった。

 でも、文月くんと話すのが楽しくて、この関係をやめたくなかった。


「岩下さんは、どうしたいんですか?」


「どうしたいって。」


「楓くんに内緒にしてあげてもいいですよ。」


「え……」


「でも、一つ言わなくちゃいけないことがあります。」


 なんだか、霜月さんからオーラを感じました。

 なんだか、まるで誰かの思いを引き継いでいるかのような。


 ーーーーー


「でも、一つ言わなくちゃいけないことがあります。」


 岩下さんが楓くんを好きなのは驚きでした。

 なんと、またライバルが増えてしまいましたね。


 いや、ライバルではないですね。


 ライバルって同等以上の敵のことですよね?

 なら、ライバルとは言えないですね。

 負ける気はありません。


 ちょっと前までは、私に自信はなかった。

 でも、今は違う。

 それに、綾華さんに言われましたし。

「楓のこと、、頼みます。」

 それがどういう意味かは分からなかった。

 でも、私が楓くんを支えなきゃいけない。


 だから、、


「岩下さん。私も好きなんです。楓くんが。」


「...」


 沈黙する岩下さん。


 なんて言うか迷います。


 楓くんの彼女になるのは私です?

 楓くんの好きな人になるのは私です?

 楓くんは私のものです?

 楓くんは渡しません?




「わ、私のほうが、楓くんのこと好きだから!」


 そう言葉を吐いて、恥ずかしくなった私はその場を急いで離れる。

 きっと顔も真っ赤でしょう。


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