表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者:
第3章 恋愛も事件も全部俺がスパイする
103/141

103 ブラック校則

 暁瑠偉


 俺は去年からずっと好きな人がいる。

 それを誰かに言った事はないし、言うつもりもない。


 告白する気は…ないわけではない。


 その俺の好きな人とは三年間同じクラスだ。


 初めて話したのは去年のこと。


 一目惚れなどではない。


 でも、話していくうちにだんだんと心惹かれていったんだ。


 ーーーーーーーーー


「楓くん。この子です。」


 有栖が俺の元に一人連れてくる。


「岩下…です。岩下紅恋愛いわしたくれあ。」


 もちろん初対面。


「ああ。楓だ。よろしく。」


「あ、あの…」


「ああ、有栖から話は聞いている。」


 そう、俺にまたしても仕事だ。

 それは去年と同じ。

 そう、恋愛相談だ。


 厳密には頼まれたのは有栖なのだが…


 有栖に協力を求められた。


 やっぱりこう言う時は有栖と協力するのがいいだろう。

 おそらく有栖もそう考えているはずだ。


 ーーーー


 少し時は遡る。


 有栖は最近少し話すようになった岩下と話している。


「私ね…」


 岩下さんが言いかけます。

 私は真剣にそれを聞く。

 なんと今、恋バナ中なのです!


「好きな人…いるんだ…」


 岩下紅恋愛さん。

 普段はおとなしいけど、コミュ障とかインキャって感じもせず、優しいし、話していて普通に楽しい。


「なんと。このクラスにいますか?」


 つい、質問してしまいますが、岩下さんは素直に頷きました。


 まさか!これは!


 楓くんの出番ではないですか!


 去年も花宮さんが似たような感じだっった気がします。

 もはや私と楓くんの得意分野でしょう。


「私、いい人知ってますよ。」


 楓くんを紹介することに。

 少しでも、楓くんと話せる時間が、増えますしね。



 そんなこんなで、楓と有栖は、岩下紅恋愛の恋を応援することになった。


「で、結局、相手は誰なんだ?」


 楓くんの質問。

 もちろん、私もまだ知りません。


「あ…暁くん…わかる?」


岩下さんは表情を全く変えずにそう言ったのでした。

 ーーーーー


 新学年早々忙しいな…

 部活に生徒会に、岩下の恋愛も…


 ま、悪くないけどな。


 黄瀬川。あいつはしばらく何も動かなかった。


 だが、ついさっきついに黄瀬川が動いた。


 とは言っても、緑岡のように「退学!」的な感じではなく、ただの校則変更だ。


 だが、変更された校則を見るに、かなり厳しい校則となっている。


 これは荒れるぞ…


 ・校内でスマホの使用禁止

 ・頭髪について

 ・服装について


 この三点だ。


 スマホはもちろん嘆く人が多いだろう。

 だが、それよりも頭髪と服装が非常に厳しい物になっている。


 いわゆる、ブラック校則。


 ツーブロック禁止だったり、前髪の長さだったり、ポニテ禁止だったりだ。

 特にポニテ禁止は痛い。


 服装もスカートの長さだったり、多くの反感を買いそうだ。


 黄瀬川の意図は全く分からない。

 それに、本当にただ校則を変えただけだ。


 俺にできる事はなかった。


 ーーーー


 校則が変更されてから、数日が経った。


 一瞬にしてこの学校は荒れた。


 校則を破るものばかり、それを見た先生は嫌でも怒らなければならない。


 なんと、校則違反の勢いで犯罪までする奴も現れた。

 一発退学になったそうだ。


 世間からの評価も一瞬で下がる。


 なんだか、生徒たちの性格も変わってしまった気がする。


 校則だけで、ここまで変わるのか。


 黄瀬川はやはり何もしなかった。

 ただ、校則違反するやつを見て、楽しんでいる様子。


 黄瀬川が校則を変えただけで、この学校は変わってしまったのだ。


 俺は部活で忙しい中、なんとか黄瀬川をスパイする。

 やっと面白い情報を手にする。

 黄瀬川は八雲と話していた。


「校則を変えただけで、こんなに学校は荒れる。なぜか犯罪をする奴までも現れた。ちょっと校則を変えたくらいで怒ってる奴らは所詮は雑魚。ちゃんとしてる奴らはなんだかんだ文句を言いながらも校則を守ってる。それでも校則を破る雑魚はこの学校にはいらない。」


「それは本心なのか?」


「思ってはいる。だが、俺はただ面白くてやってるだけだ。この学校がどうなろうとどうでもいい。なんなら去年緑岡が目指した完璧な学校から遠のいているのもこちらとしては気分がいい。」


 そんな話をしていた。

 正直意味がわからない。


 つまりは楽しさのためにやっていると言うのか。

 黄瀬川は本当に校則を変えただけみたいだ。

 ならば、俺には何もできない。

 神月にも、緑岡にも。


 もしかしたら、俺があいつを勝手に敵だと認識しただけで、本当は俺があいつと戦う必要はないのかもしれない。


 そう思い、俺は神月と緑岡と話すことにした。


「黄瀬川は何がしたいの?」


 神月の疑問。


「現状、あいつは悪いことしてるわけじゃないよね?意味はわからないけど。」


 神月は続ける。


「俺たちにが何かする必要はないってか。」


「緑岡。あいつについて何かわからないか。性格とかなんでもいい。そもそも黄瀬川家って緑岡家ほど権力あ流のか?」


 そう聞くと、緑岡は躊躇うことなく話し始めた。


 黄瀬川清一郎について。


 そして、緑岡財閥について。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ