表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

世界にLGBT国ができたのは日本の家父長制?

作者: ぶんかなっとう

 日本は島国だ。

 つまり地球上のどこの場所からも等しく遠いところでもある。


 現在の世界は古代から数千年続いた国家の形が崩れて半世紀になった。

 ある国は、ゲイとレズだけの国。

 またある国は女性だけの国もある。人種の区別はなく、性的自認と思考だけ。

 日本はどうなったか。男だけの国になった。

 特に性自認は関係なく、ゲイもホモもノンケの区別はない。

 ただし女性や性自認が女性は住めない。というか住んでも生きにくいだろう。

 まずトイレは男性専用しかないのをはじめ全てが男性主導のインフラとなっている。

 男が男のために作られた社会なのだから。

 昔は日本でも男女半々の社会だったが、LBGT平等法案が施行されてからというもの性的少数者のためだった法が、当事者も女性も生きにくい世の中へと変わっていった。

 つまり法解釈的に男性中心社会が保証された。

 しだいに女性たちは海外へ逃げ出した。若い女性たちが先陣を切り、その後に母親を呼び寄せ現地で生活を始めた。

 未成年の女性たちは進学先を国内を選ばず、就職先も海外にした。

 しだいに女性の人口が減り、男性中心社会が進んだ。

 その動きは世界に広がった。そして北欧のある国が国土を分割して女性だけの自治政府をつくった。

 すると世界中から優秀な女性たちが集まり急速に国力が発展した。

 傍観していた諸外国は自国から人材が流出することに危惧して、女性専用の土地を用意して引き留めを図った。

 その動きに乗ってLGBTそれぞれが自治権を求めるムーブメントが起きた。

 そうなると生殖問題などが危惧されたが、科学の発展で人工授精やクローン技術による同姓生殖が可能になっていた。

 しかし産んだとしても育児はやはり女性が主導的に有利。

 育児に関して男では気力体力は女性の半分にも満たないのだから。

 男性社会に先駆けとなった日本は生殖をしないことを決めた。

 少なくとも国内では子供が生まれない国となったということになる。

 性処理は発展した技術によってバーチャルから素材まで欲求を満たすだけのものは揃っている。

 生きている女性は必要ない、むしろ男だけで自由にやれている。

 だからといって女性を嫌っているわけでもなく、観光で入国してくる女性を最高のもてなしで歓待する。

 それらの女性たちの目的は、日本が選りすぐって用意したイケメンと時間を過ごすこと。

 いわゆる女性専用の風俗を観光の柱としているとしている。

 かつての日本は、四季と伝統文化と高いレベルでバリエーションが豊富な食とサブカルチャーだった。

 しかし過去に個人事業者を圧迫する政治が続いたせいで全てが衰退し、今では他の国に流れてしまっている。そして旧ヨーロッパの中立国でそれらのアーティストや職人だけが集まった国ができた。

 また他の国で女性とうまく相いれない男は日本へ移住してきている。

 女性だけの国で生まれた男児は15歳以降は出国しなければならないので、大半は一度日本へ来ている。

 男女混合で昔ながらの結婚と家庭を持つ国はあるが地政学的にも辺境ばかりに集中している。

 生活の主体は自給自足に近く、経済規模も国内のみ。辺境なので観光客などはほとんど来ず、対応する施設はほとんどない。

 国内で移動宿泊は、基本的に知人宅か紹介でどうにかなるし、治安がいいので野宿も多いようだ。

 日本で男社会を出たいが同性愛でもなく、だからと言って女性と良い関係をつくれる自信がないーそもそも女性がいない社会で生きていたのだから当然。

 しかし男社会につきもののパワハラに耐え切れなくなり自殺するか相手を殺すかの選択より、辺境の国に行って孤独でも安寧とした人生を選ぶ男たちはそれらの国に移住している。

 そんな世界になってあろうことか、男性国家が女性国家を侵略従属しようとしはじめた。

 そんな愚かなことをしたのは当然ながら日本であった。

 元々家父長制という、男系が女性を従属させるのが伝統文化な国。それが原因で女性が去ったというのに、復活を望むという覇権国家的な思考が湧いてきた。

 ほとんどの国民、もちろん男性だが賛成し南方にある女性国家の島国に侵攻した。

 その国は元日本国の女性が多く移住していた。

 武力においてその差は歴然としている。だからといって無防備に何も準備していたわけじゃなかった。

 秘密裏に同盟条約が結ばれていて、女性国家連合が対抗手段を用意していた。

 女性国家といえど独立国、当然ながら軍隊はある。しかし一国では即応はもちろん短期長期では分が悪い。

 そこで性別適合手術を受けた元男性を多く有する国を中心に民兵組織を派遣した。

 戦いは熾烈を極めた。

 特に女性国に捕虜となった男は去勢された。女性が相手国に捕虜になったところでレイプはされど、尊厳はある程度保たれる。そもそもの目的が戦争の名を借りたレイプなのだから、女性は戦利品扱いになるのがほとんど。自国へ健康的に連れ帰り従僕させるのだから。

 しかし女性国家にしてみれば男は家畜以下。オス牛なら肉用に処理できるだけまし。

 去勢された男は連合国家に連れて行かれ、その国の独断で利用される。

 そう、結果から言うと今回の侵攻は日本の敗北となった。

 これをきっかけに日本は世界中の女性たちから距離を置かれ、風俗観光は衰退し国力は滅亡寸前となった。

 唯一の生き残りの術は世界中で引く手あまたの危険従事の仕事の派遣。主に鉱山や極地での漁、建築土木のみになった。

 結果使い捨て男系種を供給する牧場国、それが今の日本なのだ。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ