表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/228

18.クァズ視点/怒り

(クァズ視点)



ワカマリナとイカゾノス家について少し調べてみたら、とんでもないことが発覚した!



「ワカマリナ……とんでもない阿婆擦れじゃないか!」



まず、ワカマリナの学園生活! ワカマリナは普段から多くの美男子を侍らせていたのだ。その男たちの誰もが高位貴族の令息ばかり。特に婚約者がいる男を中心に侍らせていたのだ。そのせいで婚約が破棄になったとか。



……おいおい、僕が言うのもなんだけど何やってんだよ! 自分の可愛さを使って男で遊びまわっていたのかよ!



それだけじゃない。次に金の問題! ワカマリナは男に金を貢がせているらしい。まあ、これは仕方がないが問題は金の使い道だ。娯楽施設や商店で騒いだり物を壊したりと……ああもう! これ以上聞かなくても理解できてしまうよ! ワカマリナがとんでもない女だってな!



そして、イカゾノス家! どうやらアキエーサは、当主リーベエと前妻との間に生まれた娘のようだ。ちなみに前妻とは政略結婚だったという。リーベエは前妻が亡くなった後で元愛人だったフミーナと再婚。そのフミーナとの間に生まれたのがワカマリナだった。再婚したころにワカマリナはすでに生まれていたらしい。



……ここまで聞いて、僕の中でイカゾノス家の歪さが少し分かった気がする。邪推になるけど、リーベエと前妻との間に愛は無かった。その二人の間に産まれたアキエーサは当然リーベエに愛されなかったのだろう。今でも扱いが悪いのはそのせいか。使用人扱いだしな。



それに対して、リーベエとフミーナは愛人関係だった。愛というのはあるのだろう。あの二人の間に生まれたワカマリナはあんなに我儘を許されるくらい愛されているからな。



姉妹格差はそこからか。道理でおかしいと思ったわけだ。……って冗談じゃない! ワカマリナがあんなではイカゾノス家の金が尽きるのも時間の問題だ! そんな歪んだ家と関係を持つなんて御免だね!





「伯爵! ワカマリナは多くの貴族令息と学園で浮気をしていたぞ! しかも婚約者がいる男ばかり侍らせて問題を起こしているじゃないか! そいつらの両親は怒り心頭でイカゾノス家に多額の慰謝料を請求するそうだぞ! 婚約者を奪われた令嬢たちも同じだ! どういうことだ! こんなこと知らなかったぞ!」


「「く、クァズ君!?」」


「ワカマリナがそんな女だったなんて僕は何も知らなかったぞ! 一体どういうつもりだったんだ! 僕を騙しやがったのか!? 説明しろ!」


「「そ、それは……」」


よりにもよって、クァズにワカマリナのしてきたことを知られてしまった。弁明しようにも、どう説明すればいいか分からないリーベエとフミーナは互いに顔を見合わせる。正直言って、二人とも知らなかったとしか言えないのだ。だが、クァズがそんな言い訳で納得するとは思えない。


「……おい、どう説明すればいいんだ。ワカマリナのことはほとんど事実のようだし……」


「……そんなの、私が聞きたいくらいよ。あの子がそこまで馬鹿なことをしてたなんて……」


いつまでもグズグズしている二人に対して、クァズの怒りは更に深まる。


「おい! 聞いてんのか!? 僕の話を真面目に聞けよ! 思えばワカマリナも人の話をよく聞かない女だったが、子が子なら親も親か! こんな家の娘と仲良くしなきゃよかったよ! 金遣いの荒い無能一家め!」


「「……っ!」」


ワカマリナのことどころか親である自分たちまで貶されたリーベエとフミーナはカチンときた。以前からクァズに思うところがあったこともあって、反論を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ