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白 ――プロローグ――
自分の信じたものが間違っていたとしたら――
自分の中の世界を根本から書き換えるような――
崩し壊すような事柄に直面したとき、人は何を信じられるのだろう。
――迷いは命取りだ。
だから俺は知らなければならない。
自分が信じたものを真実にするためにも。
世界という大きなものへ立ち向かわなければいかなくなったとき、その手に剣となる「こたえ」が必要になると信じて――
エリンス・アークイルは白い空間を迷い彷徨い「こたえ」を探す。
かつて勇者が描いた軌跡、力を継ぐための場――通称「白の軌跡」。
白が表すのは空虚な空白――ここは己の中の「白」と向き合うための、その場所だ。




