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アンサイズクロッキー  作者: 早藤 尚
10/12

LV100になりました

ちゃっちゃらー

Lv100になりました

そうだ 俺はつよい

頑強な装備を手にして 高笑う


ねえ あんたはまだLv1なの?


ちゃっちゃらー

1000人斬りを達成しました

何それ いつの間に?

俺は 人なんか斬ってない


ねえ あんたは何か知ってる?


「知ってるよ」

Lv1のあんたは言う


「きみがそのつよさで傷つけてきた数だよ」


ほうら 見てごらんよ

きみの周りは負傷者ばかりだ

楽しいことなんてちっともない

きみはつよすぎて誰彼構わず傷つけるのさ


「だから僕はLv1でいいんだ」


どうだ いいこと言ったろ?って

あんたは得意満面だけど


それは前に進むことを止めただけと

より良くなるための痛みから逃げただけと


何が違うんだ?


つよさに溺れてあいつもこいつも傷つけた

名前もわからない奴も傷つけた

確かに 俺は最低だ


だから俺は忘れない

振りかざしたつよさで誰かを痛めたことを

だから俺は二度としない

軽い気持ちでつよさをひけらかすことを


それでも俺は 上へ行く

人を傷つけたことがこんなにもつらいから

不甲斐なさすぎて 泣けてくるから

俺は 弱いと知っているから


ああ Lv1のあんた

ありがとう

あんたが教えてくれなきゃ

きっと まだまだ斬っていた


俺はもっとつよくなるよ

強さの意味を知るよ


じゃあな Lv1のあんた

スタートラインで馴れ合うのに嫌気がさしたら


あんたもおいでよ


待っててやらないけどさ

会えるの 楽しみにしてるから

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