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米津玄師は日本史上最高の歌手なのか? もしくは中年側が見限ったのではなく、ハブられているだけ

作者: curuss

「ファッ、ファッ、ファッ、ファッ、ファッ、ファッ、ファッ~」といったらエクスデスやろがい!

 な世代だったりしますが、それでも米津玄師は知ってます!


 で、色々と述べる前に、まず彼の凄い業績を客観的な数字で示しましょう。


・一億回以上再生された邦楽は25曲しかない。そのうち7曲が米津玄師

・この7曲の再生回数を合計すると、10億回を超える

・もちろん邦楽ナンバーワンだし、彼一人でワンツーフィニッシュ

・複数曲ランクインしているのは、彼を除くとAKBの2曲だけ


 うへぇ、ごいすー!

 ハッキリいって昭和から平成にかけてどころか……歌謡界が形成されてから彼より凄い数字を出した人はいませんし、いままでの人材で抜くことも不可能でしょう。

 彼を超える者は、将来にしかいないと思われます。

 つまり――


 米津玄師は、現時点で日本史上最高の歌手なのでしょうか?


 これまでの凄い人たち――サザンオールスターズやミスチル、SMAP、ドリカム、小室哲哉、宇多田ヒカル、B’z、槇原敬之……いままでの時代を作った歌手より上?


 これはイエスでもあり、ノーでもあると思いますが……真摯に商業音楽と向き合っている人ほど、この数字を認めるんじゃないでしょうか。

 なぜなら狙ったり計算したり、捏造したりで作れる数字を超えているから。


 米津玄師の楽曲は中心部分に、人の心を打つ何か。

 昔風にいうとサムシングがあるから、この結果となったのでしょう。


 それを否定するのであれば、表現世界に身を置くべきではない。少なくとも商業からは離れるべきと思います。

 数字が全てではありませんが、軽視できるほど軽くもないからです。

 競い合う場所を望んだ以上、その勝敗に言い訳は許されません。負けたのなら、自分が至らなかったから。誰かが勝ったのなら、そいつが凄いからです。


 ……まあ人間、そこまで潔くはなれないけどねww 


 しかし、この米津玄師の一億越えMVですが……いかなる内訳なのでしょうか?

 それを考えるのが、今回の趣旨です。


 まずメインとなるファン層は11~25歳ぐらいでしょう。

 この層は日本に1500万人ぐらい存在します。

 おおざっぱに50%が支持層――普通よりは好き側~熱狂的なファンとします。数字でいうと750万人です。

 支持層のうち、50%が反応してくれます。

 これは何らかのアクションを起こしてくれるという意味で、その数字は作者が『なろう』を観察し続けて得た感想によります。

 つまり、『なろう』であれば「おもしろい作品には評価点を入れる」や「続きが気になったら、とりあえずブックマークする」となります。

 『ようつべ』の場合、一人当たり20回ほど再生を繰り返すに相当としましょう。


 325万人×20回再生 = 7500万再生


 となり、一億再生も視野に入るブレイクとなるわけです。

 各数字は微妙に左右されるでしょうが、大まかに正しいと思います。



 ここでファン層が26~50歳の……おっさん向け作品で考えましょう。


 ざっくり2500万人います。

 しかし、その半数に刺さる作品を作れたとしても、反応層は3%前後です。


 2500万×0.5×0.03 = 37.5万


 ……実に米津玄師の200分の1!

 どちらもメインターゲットの半数に刺さる傑作なのにです!


 え? 反応層が3%酷いだろ?

 そんなことありません。これは『なろう』での実測だから!


 口幅ったいことを申すようですが、こんな作者ですら御贔屓筋が数百人おります。それも確実視の可能な数で。

 これは作品だけでなく、多少は作家性を認められた結果と思いますが――


 その分だけ確実に反応層も少なく!


 だって個々の作品にブックマークするより、作者自身をお気に入りユーザー登録した方が手っ取り早いんだもの!

 作者が新作投げるたびにメッセージ届きますし、それで用も足りちゃうんですから!


 皆さんも日刊ランキングで「完全な新人さんが入っているの変だなぁ。内容だって2000文字程度しかないのに」と思うことありますよね?

 あれの内訳はこうなります。


 20人×0.5 = 評価者10名

 10名×12ポイント = 120ポイント

 よって「おめでとう、日刊ランキング入り&大加速」


 完全な新人さんだとタイトルなどが秀逸で、やっと20名ぐらいに読んでもらえます。

 ……そうでない場合、10人ぐらいでしょうか?

 そして期待感が持てれば、短くとも若い層はポイント入れる=反応層となりますから、中年が首を捻る結果が頻出する訳です。

 必ずしもクラスタ案件ではありません。


 つまり、『なろう』でセオリーとされる――

「長文タイトルで若い層を呼び込み、内容もコピペの如く若い層に受けたものを」

 というのは、完全に正しいんです。

 これを10回ぐらいガチャれば、いずれは当たるでしょうし。

 たまたま読んでくれた人に、反応層が10人いれば勝ちですから。


 で、作者の場合、何を書いても――どころか何時に投げても――初日に最低50名は確実ぐらいです。

 ……御贔屓筋は数百人いるといっても、その方々が毎日『なろう』をチェックしている訳じゃありませんから(毎日最低一回チェックするのは、感想の届く作者勢だけでしょう)

 しかし、反応層が3%ぐらいしかいないので――


 50×0.03 = 1.5

 よって「大爆死確定!」となります。


 でもね、大体初日に10前後のブックマークは入るんですよ。よほど見当はずれでもなけりゃ。

 これは続きが気になるということですし、回り具合を分析すると、その人達は毎日更新のチェックされてます。

 ようするに――

「お前の作品は気になるし、続きは毎日チェックするし、最後まで読むけど、ポイントは入れない。絶対にだ」

 ということらしいです。

 さすがにそれは酷いと思って、「ポイントを入れてね」と婉曲にいうと――

「拗らせてるww」とか煽られる始末。

 判りやすく炎上を恐れずにいうのであれば――


「ラーメン完食したのなら、お代を払えよ。食べたら絶対でもなく、不味かったら途中で食うの止めても良くて、払うといっても実損はない架空の貨幣……なぜ払わない? 確かに完食したけど払わないという意思表示も認められているし、そうであるのなら受け止める。つまり、そういう意味か?」


 と作者は考えてしまう訳です。

 もうね、完食した上にポイントは入れず、その上にコメント欄で暴れまくるとか……――


 君は何様なのだ?


 とプーチンばりにツッコミたくなります。

 他のジャンルだったら、あり得ません。

 同人誌ですら、代金に関しては文句を言わずに払うという不文律があるんですよ?

 「見本で最後まで立ち読みして、面白かったの一言もなく立ち去る」とかNGですからね?

 もしくは商業の作家さんに「漫画村で全て読みました。大ファンです!」というようなもの。

 ……あの作家さん、よくぶっ飛ばさなかったと感心しちゃいます。まあ、どんなに酷いことされても、御贔屓筋と思うとなぁ……。


 この現状を踏まえて――

「評価する文化を育むべき」と主張もしています。

 なぜなら我々は――中年は見限ったつもりでハブられてしまっているから。



 よく邦画がつまらない。観る価値がない。だから映画館へ行かない。

 なぜなら――

・定番のジャニーズタレントが主人公

・ゴリ押しAKBがヒロイン

・よせばいいのに漫画原作

 こんなのに全く魅力を感じない。だから映画は廃れたんだ。


 ――なんて意見を耳にしますが、それは勘違いも甚だしいんです。

 なぜなら中年はメインターゲットじゃないから!


 26~50歳のおっさん向け映画を作ったとします。

 なんと名作の雰囲気がプンプンし、10人につき1人の興味が惹けました!

 よって反応者数は……――


 2500万人×0.5×0.1×0.03 = 3.75万人


 ここから課金勢を絞る必要があり、作者の体感的に反応者の10%ぐらいというのを適用すると……――


 たったの3750人!


 映画だったら大爆死で済む結果じゃありません!

 何社か関連会社が倒産し、首つり騒ぎが起きてもおかしくないレベル!


 もう、おっさん向け映画を作るのなんて、絶対にありえない話だったんです!

 我々が――中年が映画を見限ったんじゃありません。

 客として想定する意味がないと、ただハブられた結果なんです!


 ついでに若者向けでユニセックスな映画、同じく10人につき1人の興味が惹けたパターンを。


 1500万人×0.1×0.5 = 75万人

 課金するのは10%ぐらいなので7.5万人動員

 ∴ 採算検討可能な部類


 逆にいうと

・若い世代にウケる男性タレント

・若い世代に人気のある女優

・若い世代に馴染みのある原作

・若い世代の興味をそそるプロモーション

・男でも女でも楽しめるユニセックスな作品

 となり、つまりは現状の映画界に他なりません。


 ようするに憂うだけで現状は変わらないし、おっさんたちは若者の残飯を食わされ続けます。

 ……残飯がいい過ぎであれば、若者向けでも辛うじて美味しいと思えるものだけを、です。



 しかし、それは自業自得でもあります。

 作者自身、最後に映画業界へ課金したのは、スターウォーズep8でした。

 それも映画館へ赴いたのではなく、配信サイト経由でレンタルの500円かそこいらだったような?


 映画館での課金は、さらに古く……やはりスターウォーズep2だったかな?


 もともと映画館が好きではない方でしたが、それを考慮しても酷いゴミ客でしょう。

 業界から無視されて当然といえます。


 漫画とかでもそうです。

 すでに作者は電子書籍派なので、そこそこ課金している方と思えますが……ジャンプとかに不平を述べられない立場かも?

 まず2~3年前から本誌を毎週読んでませんし、アンケートとか書いたこともありません。

 それで――

「いまのジャンプ漫画は、コミックス偏重だからなぁ」

 とか文句を言うのは筋違いでしょう。どう考えても助長している側ですし。


 そして「最近は腐女子がry」なんていうのも、かなりズレたものの見方。

 彼女達はBL目的であろうと、かならず原作も買いますから!

 あらゆるジャンルというのは、お金を落とすお客が育ててる側面もあるんです!



 音楽だって、ほぼ全員が第二の米津玄師を目指すでしょう。

 なぜなら若い人の15人につき2人程度の支持率を勝ち得れば、プロとして成立可能だからです。


 1500万人×2/15×0.5×0.1 = 10万人


 この10万人は課金勢ですから、その収益で生活が成り立つわけです。



 しかし、これはマーケティング的にレッドオーシャンとも見做せます。

 たとえば『なろう』なら飽和レベルに異世界転生ものが投げられていて、少し優れている程度では見向きもされません。

 そしてマーケティング理論に従うのであれば、内容もシステマチックになり、最後には――


 それは本当に貴方の書きたい物語か?


 という命題にぶつかります。

 また代価をモチベーションとするのであれば、音楽やラノベである必要もありません。

 というか大金を稼ぎたいのであれば、他の手段を選ぶ方が確率高いです。

 やはりマーケティング理論で創作をするのは、本質的に無駄といえます。

 そんなのはプロになってしまってからで十分でしょう。

 創作は創作が好きだからやるべきで、それを前提において、はじめてマーケティング分析と思います。

 ありきではありません。



 また、おっさん層にウケる作品は、ブルーオーシャンともいえます。

 みんな大好きマーケティング理論上、絶対に無しでもありません。

 ……まあ、業界側の改革も必要なんですが。



 なによりも中年は、支払い方すら知らない可能性が高い!

 音楽は顕著と思うんですが、たとえば『米津玄師のフラミンゴ』買ってきてといわれて、任務達成できるおっさん少なそうです。

(いや、誰だってググりゃできます。その場で即答できないって意味です)


 レコード屋へ行きますか?

 でも、どこの? 自慢じゃありませんが、作者は自宅最寄りのレコード屋を知りませんww

 そして米津玄師はCDだしているんでしょうか!?

 というかCDプレイヤー持ってなかった! いまはPCでも再生できるの!? 下手したらノートPCとか光学ドライブなしじゃ!?


 携帯やスマホへDLですか?

 作者は、それも判りませんww

 おそらくサイトがあるんでしょうが、そのサイトが判らないのは駄目でしょう。


 作者のようにアマゾンで購入して落としますか?

 でも、音楽をMP3ファイルで収集するやり方は、けっこう古いみたいですよ?

 少なくとも音楽業界のメインストリームではない模様。


 そして一つも思いつかなかった貴方!

 貴方は客じゃありません! 客とするのには、教育しなければならない面倒臭い層です!


 似たようなことがマイナーラノベでもいえるでしょう。

 学生の頃はマイナーラノベを売っている本屋を知っていたでしょうが……いまも知ってますか?

 もしくはマイナーラノベも購入できる電子書籍のシステムへ加入している?


 課金方法が判らない貴方! やっぱり客ではありません!

 

 が、これは中年だけの責任でもないでしょう。

 業界が見捨てた挙句、システム構築すらしていないからですし。


 ですが、仕組みさえできれば新しい市場が生まれるのと、電子書籍のみボーナスもあります。

 いまだ過渡期という現状ですが……――


 書籍の値段の半分以上は、紙媒体であるから


 だったりします。

 原料となる紙代はもちろん、印刷代や運送費、本屋等の人件費が、値段の半分以上を占めるという意味です。

 つまり、500円のラノベであれば、250円で売っても成立可能ともいえるし……相場は変えなくとも、差額を著者へ流せば――


 通常の6倍分の報酬となります。


 500円のラノベを売っても作者本人には50円で、生計を立てるのに年間10万部の売り上げが必要といいます。

 しかし、一冊当たり300円であれば、2万部も売れれば成立です。

 そして2万部というと一巻辺り5000部しか売れない――次のチャンスがもらえない新人レベルでも専業化可能といえます。


 そして妄想や机上の計算ではなく、同業他社が成功したのを踏まえてです。

 女の子向けのエロ漫画は、DL販売がビジネスモデルとして成立しました。

 データなら現物と違って隠しやすいですし、DL形式なら買うところを誰かに見られる心配もなく……女の子のニーズと一致したわけです。


 そして当然、作家側にも大チャンスをもたらしました。

 新しい海――ブルーオーシャンなんだから当然ですね。


 同じようなニッチ戦略となる、おっさん層向けラノベも、いまは全然ダメですが、環境整備が進めば不可能でもないかもしれません。

 そして『カクヨム』では、すでに収益化も検討されてますから――


 出版されるほど強くはないが、それなりに支持される物書き


 というスタイルが成立するかも?

 その場合、どれだけ作者性を買われるかが重要ですし、いまの『なろう』とは異なる潮流を生むでしょう。


 若者にウケる必要があるのも、それは出版を意識するからです。

 紙媒体で出版するには一巻辺り2~3万部が必要だそうで、若い世代以外では買い支えられないのでしょう。


 個人的には、その流れでも構わない……かな?

 現状の『なろう』受け至上状態より、好きな方向で好きなものを書いて、その作者性を買われることが重要であれば……向いてる?

 いっそのこと日記を書き始めても良いですしww


 とにかく反応がなければ成長へ結びつかないですし、それには人の眼に触れるしかありません。

 いや、黙々と読まれるのが嫌とは言わないし、それもそれでwin―winなんだけど……いずれ作者は死ぬしかなくなりますしね。

 創作それ自身が満たしてくれる部分もあるし、そうだからこそ続けていけるのですが……それだけで人間は生きてはいけないのです。


 『なろう』テンプレ以外は作家に非ずともなったら、潔く筆を折るのも手ではあります。

 きっとマイナージャンルの音楽やってる人達も、似たような結論じゃないのかなぁ?

 米津玄師もどき以外は歌に非ずとなったら、商業やめるしかないでしょう。

 作者みたいなおっさんでも、彼の歌は素晴らしいと分るけど……それは昔の歌が色褪せたからじゃありません。

 いまも名曲は我々の心に響き続けています。


 また、どうやら死ぬまでは長いようです。……たぶん、80歳ぐらいまで正気が続く感じな模様。

 その間に楽しむ『おっさん用コンテンツ』があったって悪くはないでしょう。

 その為には、まずハブられていることから……反応しないことから止めないと、ものごとは変わらないのかも? 

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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)とても凄い分析。納得しても納得されなくてもいいと言われてますが、個人的に本エッセイは納得するしかないエッセイに感じます。具体的な数値を以てして表すデータがここまで説得力を持つとは………
[気になる点] ポイントって最低でも1ポイント そして一度でもポイントを付けると無しには戻せなかったような? 評価として0ポイントを押したという機能があっても良いと思う。 もっというならマイナスポイン…
[良い点] 思い当たる節がありすぎて、自分のPCや脳内がハッキングされているのかと思いました。 とても面白かったです。 [気になる点] 自分もなろうでは無銭飲食を繰り返していたので申し訳ない気持ちにな…
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