友ちゃんと俺の過去1
半場ヤケクソで盛り上がっていたカラオケも、室内に響くコール音により終了を告げた。十代の体力ハンパねぇ…約五時間ノンストップで歌いまくるとか若さってスゲーなオイ!?いやマジで。
中盤までは友人もノリノリだったのだが、次第に動きは衰え、気づけば生きた屍となっていた。自業自得じゃボケ。
「それでは!今日はありがとうございました!本当に奢ってもらっちゃってすみません…」
「いやいや気にしないで?友人は尽きてるけど(笑)、俺等も若い子達のパワー分けてもらったし、こちらこそありがとうございました」
女学生達もちゃんと一線は引いてるみたいで、過剰なスキンシップ等は無かったのでこちらとしても安心だった。友人は少し鼻の下伸びてたけどな・・・身内で犯罪沙汰とか勘弁だからな?いやマジで。
「また機会があれば遊んでくださいねー!それじゃあ失礼します!」
女学生達はにこやかに去って行った。ようやっと嵐が過ぎ去った・・・
「成人男性二人が女学生複数人とカラオケねぇ・・・?」
こ、この声は!?
「と、友ちゃん・・・お仕事オツカレサマデシタ」
「あ・り・が・と!旦那、アンタが付いていながらどうしてこんなことになってるわけ!?アホか!」
「返す言葉もございません…」
「って、何腑抜けた顔してんのよ、友人!」
「ぶげら!?」
放心状態の友人に容赦無いローキック放つ友ちゃん。
紹介しよう。この口が悪く、足癖が悪いで有名「何か言った?」・・・元気で活発な俺等の友達、友ちゃんだ。俺よりやや低いぐらいの女性にしては伸長が高く、それに見合ったグラマーなスタイルで、長く伸ばしているグレーアッシュの髪をポニーテールに纏めている、モデル顔負けの美人さんである。
※本当に足癖が悪いので容姿に惹かれて近づくと、怪我じゃすまないので注意!ソースは友人。高校時代一目惚れしたらしく、猛ダッシュで彼女に接近した結果・・・見事に回し蹴りが腹部にクリーンヒットし、その日友人は目を覚まさなかった。。。
「何はともあれ、友ちゃんも結構久しぶりだよな?去年の高校の忘年会以来か?」
「そだねー。私もここ最近バタついてて中々時間取れなかったしね・・・旦那もでしょ?」
「それはこの後の飲み会でじっっくりと聞かせたあげるよ…」
「うっわ、旦那の病み顔とか初めて見たかも。こりゃあ覚悟して聞かないとね(笑)」
「お、お前ら・・・俺の心配もしてくれよぉ」
「あ、友人生きてたんだ?」
「お前のせいだろうが!」
この賑やかな感じも本当に久しぶりだな・・・
やっぱりたまには外の空気もちゃんと吸わないとダメだな。知らず知らずのうちに気が滅入ってたみたいだし、友人に改めて感謝しないとな。・・・煙草に七味計画は必ず実行するからな?いやマジで。
「友ちゃんも合流したことだし、飲みに行きますかー!ほら友人、とっとと店に案内しろー?」
「へいへい。友ちゃん明日は休みとっただろーな?今日は飲み明かすからな?」
「だと思って休みにしたわよ。なんだかんだ私も楽しみだったし!」
「んじゃ、お前ら!俺様についてこーい!」
愛すべきバカ二人と共に、居酒屋に向かった。
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「「「乾杯!!!」」」
ビール片手に飲み会がスタートした。現時刻は十七時ジャスト、少し早い時間帯だが今日はとことん飲む予定だったので問題無し!
「んで?いきなりツッコむけど、なんで嫁ちゃんいないの?」
俺は現状の説明を友ちゃんに隠すことなく伝えた。
「はぁ~~~~~~~~~~~結局、あたし等が言った通りになったわけだ」
「仰る通りでございます」
「友ちゃんもっと言ってやれ!コイツの世話焼きっぷりには俺も予想しきれなかったわ」
友ちゃんは額に手を当てながら、深い溜息を吐く。
「去年の忘年会でも言ったじゃない?早い事手を打たないと、嫁ちゃんがダメ人間になるって」
「あの時は正直、冗談半分にしか聞いてなかったんだよ。恋は盲目って言うけどさ、本当にその通りだね!ハハハ!」
「ハハハ!っじゃないわよ!ぶっ飛ばすよ?」
「ごめんなさい・・・」
辛辣な言葉を放ちまくる友ちゃんだが、学生時代一番嫁ちゃんのお世話をしてくれたのが友ちゃんなのだ。人と関わろうとしない友ちゃんに唯一、女の子の中で手を焼いてくれて、親身に接してくれた本当にイイ奴なんすよ。いやマジで。
当時俺らが通っていた高校はクラス替えが一切無く、卒業まで同じクラスだったのだが、案の定ぼっち街道を歩んでいた嫁ちゃん(以下交際前なのでヒロインと呼称する)。じゃんけんで負けた俺は学級委員になり、担任にヒロインのこと気に掛けるようにと言われたのが最初のきっかけだった。
最初は何度話しかけても空気同然にスルーされ、基本無視。行事等も無関心だったので、俺も諦めかけていた。
そんなある日、体育で軽傷を負ってしまった俺は保健室で手当てを受けている時に(ぐぅ~)とベッドの方からお腹の鳴る音が聞こえた。音の先へ視線を向けると、そこにはヒロインが眠っていたのだ。
「先生・・・腹減った」
「残念ながら先生は今さっき職員室に向かっちゃったよ?」
「アンタ誰?」
「同じクラスのダンナだよ。一応何回か声かけてるんだけどね、ヒロインさんに」
「ああ、あの目障りだった人か」
初めての会話は最悪だった。思った事を真っすぐ言葉にする子なんだと最初は思っていた。俺は基本怒りの沸点が低いらしいので、暴言や悪口程度では基本ビクともしないのでモーマンタイ!
「それよりヒロインさんお腹すいてるの?まだ一限始まったばかりだけど朝ごはん食べなかったの?」
「・・・寝ぼけてて食べ忘れた」
「なんじゃそりゃ(笑)お弁当とかは・・・朝寝ぼけてたんじゃ何も用意してないか」
「空腹で動けない。アンタ何か買ってきてよ」
ピキっと額のどこかで音が鳴った気がしたけど、きにしなーいキニシナーーイ!
(でもお腹すかせたままなのも可哀想だしな、自業自得だけど)
「仕方ないな、ちょっと待ってて」
「え?まじで買ってきてくれるのかよ」
彼女の言葉を無視し、俺は自分の教室までダッシュで戻った。
数分後
「ほらよっと」
「なにこれ?」
彼女に向かって俺はある物を投げやり、キャッチしたヒロインは怪訝そうな顔で俺に問いかけていた。
「ん?弁当」
「見りゃわかる。誰の?」
「俺のだけど?お腹減ってるんでしょ?気にしないで食べていいよ」
「んじゃ、遠慮なくいただくわ。いただきます」
躊躇いなく食べるんですね、まぁいいんだけど。彼女はそそくさと弁当箱を開け、恥じらいも無く豪快に弁当を食べていた。予想外な食べっぷりに若干引いてたのは内緒。
「ゴチ。美味かった」
「お粗末さまでした。そう言ってもらえると作った側としても嬉しいよ」
「え?アンタが作ったの・・・?」
「家に基本誰もいないからねー。自分で作った方がコスパ良いし」
「うっ・・・何か気持ち悪くなってきたわ・・・」
「流石に失礼だと思うよ?出過ぎた真似したかもだけどさ」
「冗談。私もそこまで失礼な女じゃない、多分」
多分なんだ(笑)
この時既に俺は、彼女に少なからず興味を抱いていたと思う。
長文になってしまった為、少し分けます(;´・ω・)
勢いで過去の名称を主人公、ヒロインにした自分の安直さに少し引きました・・・以外と後悔はしてませんけどね!w




