すれ違う思い4
「何処まで行ったんだ・・・ヒロインちゃん」
カラオケ屋から抜け出した俺は、ヒロンちゃんの後を追いかけていた。もしかしたら、もしかしたらだよ?この世界のヒロインちゃんも、僅かながら前回の記憶を保持しているかもしれない・・・そんな希望を微かに抱いている自分がいた。
つい最近までは殺された時の怒りが収まらなかったのに、友人、友ちゃん、担任や保険医ちゃん達との交流で随分と和らいだ。過去のことは水に流してとは言うけれど、未来だしね。これからの行動でいくらでも変えられると信じてる。いやマジで!
「ってその前にヒロインちゃん探さないと」
俺の知ってるヒロインちゃんなら真っ直ぐ家に帰ってる筈だ。俺は自分の勘頼りにヒロインちゃん家の方角に走った。
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「ぬあああああ!やらかしてしまった・・・」
やあやあ皆、ヒロインちゃんだよ。私は唯今絶賛猛省中だよ。。。
なーんであんなこと言っちゃったかなー。当初の予定ではね?かる~く聞いてかる~く流す予定だったんだよ?マジでマジで。あんなにキャラ作ってクラスに溶け込んだのにやっちまったなー
そもそもダンナが悪い!私が折角話しやすいキャラを演じてあげたのにさ?気づいたらなんで担任とかと仲良くなってんのさ!?浮気やんけ!おい!ゴラァ!!!
ってな感じの勢いで当たってしまった次第でございます・・・
「なーにやってんだかなぁ・・・」
少し・・・いやかなりか。舞い上がっていたんだと思う。98回目の変化に喜びすぎて、今回が空回りしちゃってるよね。今思えばダンナが担任に頼まれて私に声かけるまでは大人しくしていれば良かったんだ。そうすれば自ずと聞くチャンスはいくらでも作れる筈だった。
「まあ過ぎたことを気にしてもしゃーない!切り替えよ」
まだまだ時間はあると思う。何時タイムリミットがくるか分からないけど、運命様の気まぐれできっと私達は必ず結ばれる。まぁ私はダンナの事愛してるから嬉しいんだけど、万が一今回のダンナもリセットされていたらと思うと・・・少しだけ悲しい。
98回目ともなると流石の天才美少女ヒロインちゃんも疲れてしまうよ。実際前回まで諦めてたし、いい加減解放してくれって何度も願ったし。
「んなああああああああああああああああ!!!うじうじ悩んでもしゃーないっ!来週は謝って話しかけるしかないな!」
ネカティブな思考を吹き飛ばして前を向く。今回の私をナメんなよ?運命さんよぉ!
そう意気込んだ所で
「はぁはぁ・・・ヒロインちゃん!」
振り替えると、肩で息をしているダンナがそこにいた。・・・なんで今やねん!
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「ヒロインちゃん!」
読み通り真っ直ぐヒロインちゃんは帰宅ルートを歩いていた。
「・・・ダンナ君、何?クラス会はどうしたの?」
「俺も抜け出してきた。ちょっとヒロインちゃんと話がしたくてね」
「何?君ってマゾなの?嫌いって言った本人と話がしたいなんて変わってるね」
鼻で笑いながら嘲笑を浮かべるヒロインちゃん。残念ながらその顔は見慣れているから効かないよ。
「話したこと無いのに嫌われるのは初めてでね。流石にスルーできなかっただけだよ」
「どっちにしろ変な人だね。それで?何か用だったんでしょ?」
「うん。変なこと聞くかもしれないけどさ」
俺は意を決して言う
「ヒロインちゃん・・・君は何度目なの?」
「・・・え?・・・は?・・・え?」
目を見開きながら同様するヒロインちゃん。この反応・・・やっぱり!
「やっぱり・・・タイムリープしてるんだね?」
「な、なんでそう思うの?」
「カラオケ屋でさ、聞き覚えのある口癖を言ってたからさ。それがどうしてもひっかかってね」
「そんなのわかんな『わかるよ』」
ヒロインちゃんの言葉を遮り
「何年一緒にいたと思ってるの?あんまり俺を舐めないでよね(笑)」
「因みに・・・さ。ダンナは何回目?」
「俺の知りうる限りでは二回目だよ」
「やっぱり・・・。じゃあさ、、、やっぱり怒ってるよね?」
「怒ってたって言った方が正しいかな?何か意味のある行動だったんでしょ?」
「そうだよ。正直やり過ぎたし、罪悪感もかなり残ってるけど・・・それでもっ!」
俺の服を掴み、ヒロインちゃんは叫ぶ。
「アンタはこうやって覚えててくれた!それがなによりの証明なんだよ!私が待ち焦がれた瞬間なんだよっ!・・・やっと、、、停滞していた時間が進んだんだよ。。。もう終わりにしたいんだよ・・・ダンナぁ」
瞳に涙を浮かべるヒロインちゃん。この子、こんな表情もできるんだ・・・知らなかったな。。。
きっとヒロインちゃんは俺以上にタイムリープを繰り返していたんだろうな。一体どれだけの回数を繰り返してきたのだろうか。一体どれだけの悲劇を見てきたのだろうか。一体どれほど・・・何も知らない俺と出会って・・・心を痛めてきたのだろうか。
俺には計り知れない苦悩が表情から読み取れる。これ以上彼女に迷惑をかける訳にはいかないよな・・・。色々悔いは残るけど、俺から距離を取ろうとしたのは、《そういうこと》だよな。
「ごめんねヒロインちゃん。待たせてごめんね?」
「スン・・・全くだよ、もう」
「俺が記憶を引き継いでることが答えに繋がってるんだよね?」
「た、多分ね?確証は無いけど・・・」
「きっと大丈夫だよ。もうこれ以上背負い込まなくていいから」
「ダンナ・・・」
俺はヒロインちゃんと距離を取り、真っ直ぐと目を見て答えた。
「ヒロインちゃん。今まで迷惑かけてごめんな?この現象は未だに謎だけどさ、俺が記憶を引き継いだってことは、多分そういうことだよね」
「う、うん?」
「もう今後一切、君には近づかないし、関わらないよ。今までお疲れさまでした!これからは自分の為に生きてね!」
できる限りの笑顔で言った。・・・これでいい筈だ。彼女はきっと疲れきっていたのだ。好きでもない男と何度も何度も・・・何度も何度も何度も何度も何度も出会わされて、結婚して・・・きっと死別を繰り返してきたんだろう。もしかしたら最初は好意があったのかもしれない。けれど、逃れられない運命を何度も繰り返されりゃ、きっと嫌になるでしょ。いやマジで。
これ以上俺がヒロインちゃんの人生の負担になるわけにはいかない。だったらすっぱりと縁を切った方がいいに決まってる。
俺はそのまま踵を返し、彼女の元を去った。
「・・・は?」
暑い!暑すぎる!アイスの養分と化しています・・・w
ブックマーク増えました!ありがとうございます^^
引き続き更新頑張っていきまっす!




