すれ違う思い3
「え?どういう・・・」
「クラス中で一時話題になってたからさ?ここに本人いるし聞いちゃおーって思ってね」
「確かに気になるー!そこんとこどうなのダンナ君?」
「年上狙いとはやるなー!羨ましい!」
質問攻めに合う俺。何時かはこうなると予想していたから、模範回答は用意してある。
「違うよ(笑) ウチの姉さんと担任が知り合いでね。俺も顔見知りだったからよくしてもらってるだけだよ」
完璧な回答である。いやマジで。
「そうなの?じゃあ家に行ったりするのも付き合ってるからとかじゃないんだ?」
「ま、まじで?!てかよくヒロインちゃんそんなの知ってるね」
「たまたま通りがけで見ただけだよ~」
そこまで見られてたか~。一応回りの目は気にしてるんだけどね・・・
「担任とは友達だからね。プライベートなら問題無いっしょ?《そういう間柄》じゃないしね」
「ま、そりゃそうだよなー生徒と教師の恋愛ってヤバイんでしょ?」
「普通に退学レベルらしいもんね?先生もクビになっちゃうって聞くし」
「そゆこと!リスキーな恋愛するほど俺もチャレンジャーじゃないよ(笑)」
「ふーん。ぶっちゃけどうでもいいんだけどさ」
ヒロインちゃんの追撃は終わらない。
「私は個人的にダンナ君が嫌いだから、今後話しかけないでくれる?いやだるい」
「うわおヒロインちゃん辛口発言。ダンナ、お前何かしたのかー?」
「優しいヒロインちゃんにこんなこと言われるなんて・・・ダンナ君ちょっと怖いかも・・・」
なんでやねん!って心の中でツっこむ。今の話の流れを作ったのはヒロインちゃんだし、俺完全に被害者だよな?!
「ええ・・・俺何かしたかな?何か気に障ることしたなら謝るよ」
頭を下げようとした瞬間
「その必要は無いよ、ダンナ」
割って入ってきたのは友ちゃんだった。
「友ちゃん・・・」
「さっきから黙って聞いてればアンタ。ヒロインちゃんだっけ?ダンナに変な言いがかり付けるのやめてくれる?」
「はい?ただ私は本当の事を言っただけだから」
「私にはただダンナに敵意を向けてるとしか思えなかったんだけど?アンタ等今日初めて話したんでしょ?なのになんでアンタはそんな好戦的なのよ」
「そんなの知らないよ。理性的に私が無理で、顔に出ちゃっただけかもね」
「アンタねぇ・・・!!!」
「ちょっとストップ二人とも!」
どんどんヒートアップしていく二人に待ったをかける。
「なんで二人が喧嘩してんの!おかしいでしょ?!」
「そんなの決まってるでしょ?」
友ちゃんは迷わず言う
「幼馴染みが悪く言われて黙っていられるわけないじゃんか!なんでアンタばかりこういう目に合わなきゃいけないのよ!」
続けて言う
「私はダンナに敵意を向けるやつは何があっても許さない。だからヒロイン。私はアンタが大嫌いだよ」
「友情ごっこご馳走さま。でも私は思ったことを言っただけだから。別に誰にどう思われようと構わない」
シーンと静寂に包まれる室内。友人は口をパクパクさせてパニクっていた。
何の因果か、この二人はぶつかり合っていた。互いの主張を譲らない感じが少しだけ懐かしくも思えた。今の俺は前回の記憶を引き継いでいるし、唯の高校一年生じゃない。これぐらいの嫌味なら欠片も響かない。
「大丈夫だよ友ちゃん。庇ってくれてありがと。なんでか知らないけどヒロイんさんが俺のことが嫌いなら、今後一切話しかけないよ。皆も雰囲気悪くしてごめんね?仕切り直そ!」
「そうだな!んじゃあ俺は歌うぜ!」
空気を読んで友人が合わせてくれる。流石だぜ!
「ふーん。何かシラケた。ごめん、私帰るね」
「ちょ!?ヒロインちゃん?」
有無を言わせず部屋から出ていくヒロインちゃん。俺は一つだけ彼女に違和感を抱いていた。
先程彼女が言った発言に聞き覚えあるワードを口にしていた。それは
『いやだるい』
前回のヒロインちゃんの口癖だ。今回のヒロインちゃんはどちらかと云うと明るいイメージだし、同じ口癖を言うにしてもひっかかりを覚えた。
「確認してみるか」
俺はヒロインちゃんの後を追いかけた。
因みに友人は超音痴なので、皆耳を塞いでいた(笑)




