気づいたときには5
「さてと、出来上がり~!」
料理が完成し、食卓に並べていく俺と保険医ちゃん。やはり料理は良い。作ってる最中は現実から逃避できるから()
「お疲れさま。めっちゃ美味しそう・・・流石にお腹すいてきたなー」
「ありがとぉ~!担任ちゃん、そろそろ上がってくるんじゃないかな?」
早く来い飲兵衛!主催者不在じゃ始められないでしょうが!
「ふぃ~~さっぱりした~~保険医、ビールくれ~」
「はいはい・・・って担任ちゃん!ちゃんと服着なさい!」
「あん?」
お風呂から上がった担任は実にラフな・・・Tシャツに下着のみとい完全自宅モードになっていた。いやマジで。
「俺もいること忘れないでね?一応男子なんだから」
「の、割りには動揺してるようには見えないんだが?」
それはそうでしょ。今の俺はつい先日まで嫁ちゃんのお世話をしていたんだから。あの子は結構な頻度で風呂に入り忘れるので、度々俺が連れ込んで洗っていた。・・・今思うと風呂嫌いな子供を仕方なく洗ってあげてる母親じゃん。。。
「まぁ目の保養だとは思うけど、オープンエロスに惹かれるほどガキでもないよ」
「なら私もいつも通りに過ごさせてもらうからな?途中で欲情したら覚えてろよ?」
「ナイナイ。てかそんなことしたら俺より担任のが危うい立場になるでしょーに」
「もう分かったから・・・二人ともご飯食べよ?」
いやいや諦めないでくださいよ保険医ちゃん!?っと思ったけど、背に腹は変えられないしね。
俺達も食卓に座り、保険医ちゃんが音頭を取る。
「じゃあ本日もお疲れさまでした!たっくさん食べてね?かんぱー~い!」
「「乾杯!」」
大人二人組は缶ビールを、俺はジュースを持って乾杯した。俺も正直お酒の方がいいけど、この体で言ったら怒られそうだから諦めた。
早速メインの唐揚げを一つ食べてみたけど・・・
「美味い・・・何か隠し味とか入れてるの?」
「勿論!なんだと思う?」
「コンソメ?はたまたオイスターソースか・・・?違うな・・・参った!教えてください!」
保険医ちゃんは豊かな胸を張り。
「あ・い・じょ・う♪」
「「うぜー」」
遺憾ながら担任とハモってしまった。
「酷い!でも本当に愛情は大事なんだよ!?」
「まぁわかるけどね?求めてたのと違うから(笑)」
「保険医は私の嫁だからな。おいそれと他の奴にはやらん!」
ビールを飲みながら親父臭いことを言うなー。まぁそれだけ二人の仲が深いという証明でもあるから、ご馳走様ですって感じだけど。
「にしてもまさか入学二日目でこんなイベントが起こるとは思ってなかったよ。いやマジで」
「私だってそうだよぉ~?なんなら今日初めましてだし!」
「そこは私の目に狂いは無かったって事だな」
「・・・どういうこと?」
担任は飲みかけていたビールを飲み干し・・・言った
「ダンナ。お前は《何回目》だ?」
「どういうこと?」
「成る程な。お前は何も知らないってことは、唯の悪戯だったか」
振動の鼓動が早くなるのを感じた。何回目だって・・・?まさか!?
「・・・担任は何か知ってるのか?」
「見てもらった方が早いな。ちょっと待ってろ」
担任は自室に向かい、何かを持ってくるらしい。今日は急展開が多すぎて頭がパンクしそうだ・・・
「保険医ちゃんは何か聞いてる?」
「ううん、何も。なんだろうね?」
程なくして担任が戻り、一枚の手紙を渡してきた。
「取り合えず読んでみろ」
「は、はぁ」
中身を取りだし、内容を読んでみる。
担任様へ
先ずは、この手紙がちゃんと届いてることを祈っています。もしも当人以外がこの手紙を拾ったら、主人公学校に届けてくださると幸いです。
さて、本題に入らせていただきますが、担任がこの手紙を読む頃にはまだ私の事など知らないでしょうから簡単に自己紹介を。私の名前はダンナ。この春シュジコーに通うことになる生徒です。
恐らくではありますが、担任の受け持つクラスにいると思うので、折り入って頼みがあるのです。
難しいことでは無いですし、馬鹿馬鹿しいと思ったのなら今すぐ破り捨てても構いません。そういう運命だったって事で諦めもつくので。
担任に頼みたいことは一つだけ。もし、ダンナがとある生徒を敵意ある目で見ていたら気にかけてほしいのです。恐らく入学二日目・・・かな?記憶が曖昧なのではっきりその日!とは言えませんが、二日目にダンナの様子が変わると思います。
もし、初日と比べて様子がおかしいと思ったのならどうか、どうか・・・力を貸してあげてください。
私は間違った道に進んでしまい、後悔しか残らない未来にいるダンナです。もし、ダンナがこの手紙を読んだのなら気づいてる筈だ。《前回と比べて変わってしまっている》という事にね。
それは間違いではないし、動揺するのも分かる。俺が経験済だしね(笑)
だけど翌々考えてみろ。変わってしまったこと事態は決して悪いことではない、寧ろ密かに望んでいたことでもあるだろ?だから、ダンナ。お前は同じように進んでいけ。目を反らすことだけはしてはいけない。二度目を楽しむだけだと、この連鎖は終わらないしどんどん悪化していく。
あの子の心にはもう余裕が無いんだ。・・・だから頼む!全てを明かしてでも正解を選び抜いてくれ・・・
十回目の旦那より
「な・・・んだよこれ」
「昨日私の机の上に置いてあったんだ。正直半信半疑だったが、教室のお前を見てもしかしてと思ったわけだ」
「え?どういうこと?どういうこと?」
「それは私だって知りたい。どうなんだダンナ?この文に心当たりはあるのか?」
一杯一杯だった。頭の中がぐちゃぐちゃになり、思考が定まらない。なぜ担任に?なぜ未来から?・・・十回目だって?
この手紙を信じるならば、タイムリープを十回繰り返している俺から送られてきたことになる。そして、最悪のルート。もしかして、このタイムリープには回数制限があるのか?
「・・・ナ」
そうだとしたら俺はどう行動したらいい?まだ自分の状況だぅて理解しきれてないのに。
「お・・・ンナ」
ヒロインちゃんの心に余裕が無いってどういう・・・
「無視するな!」
「イテッ!?」
考え込んでいる間、何度も話しかけていたようだ。痺れを切らした担任は容赦無い拳骨をお見舞いしてきた。
「ご、ごめん。結構動揺しちゃってて」
「そんなの見れば分かる。んで?思い当たる節はあったのか?」
「少し長くなるけどいい?保険医ちゃんも」
「わ、私は状況掴めてないけど・・・それでもいいなら」
「酒の肴ぐらいにはなるんだろうな?」
「分かった」
俺は一呼吸起き、二人にこの身に起きた事の顛末を話した。
気づいたときには編少し長くなりそうです。




