旦那からダンナへ
雀の囀ずりが聞こえる。・・・聞こえる!?
「え!?」
恐らく寝ていたと思われる体を勢いよく起こし、状況を確認する。
「あれ?ここは・・・」
回りを見渡してみるとそこは紛れもなく・・・実家の俺の部屋だった。
しかも数年前、というより高校時代の部屋にそっくりだった。どういうこと?夢でも見てるのか?
「・・・イテッ」
自分の頬をつねってみたが、どうやら夢ではないらしい・・・多分。
自分の部屋に鏡は無いので、取り合えず顔を洗いに洗面所に向かう。
_________________________________________________________________________________________________
「嘘・・・でしょ・・・」
鏡に映る自分を見て驚愕する。そこに映っていたのは当時の俺だった。いやマジで。
急展開に動揺を隠せないが取り合えず深呼吸。焦ったって何一つ良いことなど無いからね。
先程よりかは冷静になり。状況を確認する。
俺は神様の悪戯なのかどうか知らないけど、恐らく十年前にタイムリープ?したっぽい。自分で持ってるスマホはかなり型が古いモデルだし、西暦も十年前の四月。あげくの果てに自分の容姿すら十年前の姿ともなれば嫌でも実感する。
「・・・マジか」
そりゃ言葉が出なくなりますよ?だって俺の意識的にはさっきまで劇的な事件が起きた後なのだから。刺されて死んで、変な空間流されたと思ったらはいタイムリープって・・・理解できるか!!!
現在の時刻は7:30分。当時の記憶を辿るなら、そろそろ登校しないとマズイかった気がする。
「取り合えず全く理解できないけど・・・学校行きますかー」
俺は自室に戻り、久々の制服に若干恥ずかしさを覚えながら家を出た。
_______________________________________________________________________________________________________
「行ってきまーす」
家に誰もいないのは知ってるいるが、「行ってきます」と「ただいま」は必ず言う家族ルールがあった気がしたので一応言って家を出た。
あ・・・パニクって朝飯食べ忘れた・・・と思ったところで
「お!ダンナ、おはよ~」
振り返るとそこには・・・十年前の友ちゃんがいた。容姿はこの歳にしては大人びていて、相変わらずグレーアッシュのポニーテールが美人と相乗して存在感を放っている。
だが・・・それどころじゃない!!!
「うおおおおおおおおおお!友ちゃん!無事か!顔は大丈夫か!?」
「はい?アンタ朝っぱらから何言ってんの?怖い夢でも見たんですか?(笑)」
友ちゃんの顔を見た瞬間、安堵と冷静だった理性が若干崩壊してしまった。
「え?ああ・・・そうだね、うん。悪夢を見ていた気がするよ」
それでも
「良かった。本当に良かった」
感極まって友ちゃんを抱き締めてしまった。
「ちょ!?どんだけヤバイ悪夢だったのよ?アンタは子供か!・・・流石に恥ずかしいから離れなさい!」
「ごめんごめん。それよりもおはよう、友ちゃん」
「返すのが遅いわよ全く・・・おはよ」
現代の友ちゃんはあの頃の記憶は無いようだね。それならより一層俺のタイムリープ説が濃厚になってきた。このことを友ちゃんに話すか・・・?
いや、まだ色々把握できてないからもう少し様子見しておこう。
それにしても
「いや~体が軽いな!これが若さか!」
「はあ?まだ寝惚けてんの?脳天に一発かましとく?」
「起きてます!起きてるから拳骨はヤメテ、オレシンジャウ」
「さっきからアンタが変なことばっか言ってるからでしょーが!」
結局拳骨するのね・・・痛い。
そんな学生らしいやりとりをしていると、後方からヤツが来た。
「おーーーい!!!ダンナ、友ちゃん、おはよーっす!」
俺達を見つけて、走りながら挨拶をする愛すべきバカ。友人が合流した。
「「人違いです」」
「まさかのハモり!?ひでえ・・・」
「おはよう友人。早いじゃん」
「おうよ!今日は入学式だしな。この時間に出ればお前らと一緒に行けると思って!」
相変わらず暑苦しいのに、不快に思わない面白いヤツ、友人。この頃はまだ髪型に拘りを持っており、雑誌等で人気の髪型を流行に合わせて変えていた。友人は短髪のが似合うと思ってるんだけどね、俺は。
「だったら前日に連絡すれば良かったじゃない。相変わらずアホね」
「ほらアレだよ・・・さぷらいず?そうサプライズだ!」
「疑問系で言うのが流石友人。バカさが滲み出てる」
「朝っぱらからひでえよ二人とも!ほら、早く行こうぜ?クラス分け気になるし!」
こうして俺は学生時代にタイムリープし、当時の友ちゃん、友人と再開して学校までの道のりを歩んだ。
はい、と言うわけで二章スタートです!
旦那達の学生時代を書きたくて、Tl編にしました!
※さすがに主人公と呼ぶのは語呂合わせ的にも微妙だったので、ダンナにしました。




