プロローグ 旦那の後悔
暗闇の中をただひたすらに、無気力に俺は流され続けていた。多分目は開いているはずだけれど、何も見えない、そもそも自分自身がその場に存在しているのさえ判らなかった。
・・・俺は死んだ。殺された。何一つ達成することもできずに。
ここはきっと死後の世界なんだろうな。天国か地獄かはたまた別の何かが待ち受けているのか。
死んだ後だというのに頭の中は友人達の事ばかり考えていた。
最後まで最高の親友でいてくれた友人。以外と涙脆い奴でそこが俺は好きなんだけど・・・今回の涙だけは流させるべきじゃなかったよな、ごめん。
心残りがあるとすれば、友人の未来のパートナーを見てみたかった。相手は未定だけど(笑)
次に友ちゃん。彼女は責任感が人一倍強くて、俺が本当に参ってるときなんかは誰よりも早く助けてくれる最強の幼馴染みだった。けれども今回の件に関しては後悔しかなかった。
友ちゃんはモデルを職業にしていて、顔や体型が命。なのに俺が頼ってしまったばっかりに・・・痕が残ってしまうかもしれない傷を負わせてしまった。本当にごめんな。
そして最後に・・・嫁ちゃん。
嫁ちゃんは出会ったときからやり直したい。ただそれだけを強く思った。
俺が出会う出会わないにしても、あのままだと同じ過ちを繰り返すだけだと思う。いやマジで。
最後の最後に何か意味深な発言をしていた気がするんだけど、刺されて意識朦朧としていたから全く覚えていない。
・・・だけど、その時に見せたあの表情だけは脳裏に焼き付いていた。だからこそかな、もし次があるなら必ず更正させようと思えたのは。唯一の希望が見えた気がしたんだよ。あの子にもちゃんと感情はあったんだよ。絶対・・・変えられる事ができると思ったんだ。。。
だからこそ・・・
だからこそ・・・
死んでしまったのが何よりも・・・悔しい。。。
俺の心情とは裏腹に、この世界の終着点にそろそろ着きそうだった。目前には先程まで暗闇だったのに、今にも消えてしまいそうな光が射していた。
流れに身を任せて、俺は・・・光に溶け込んでいった。
二章始まります!




