俺は嫁ちゃんを更正することが・・・2
「嫁ちゃん!友ちゃん!」
俺は車を降りた後、駆け足で自宅に向かった。
友ちゃんが嫁ちゃんを殴った後から十分足らずだが、今現在どうなってるか予測がつかない。願わくばどちらもケガをしていない事を願うだけだった。
・・・しかし
俺が自宅に入り、目にした最初の光景はーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー嫁ちゃんが友ちゃんを容赦無く殴り付けている悲惨な光景だった。
「な、何してんだ嫁ちゃん!やめるんだ!!!」
すぐに我に返り、殴り続けている拳を掴み嫁ちゃんに叫ぶ。
「んあ?旦那帰ってくるの早くない?・・・てか腕放してくんない?殴れないじゃん」
「だから殴るのを止めろって言ってるんだよ!」
「は?どうして?因みに言っておくけど最初に殴ってきたの友ちゃんだからね?これは只の正当防衛だから邪魔しないで」
「仮にそうだったとしても過剰防衛だ!友ちゃんを見てみろ、意識失なってるじゃないか!?」
嫁ちゃんの腕を放さず、友ちゃんに視線を向ける。
・・・あまりに酷い有り様だった。正直、見るに耐えないレベルで友ちゃんの顔は痛めつけられていた。
パッと見で分かる限りでは鼻が骨折しており、鼻血が爛れ流れて目元は腫れてしまい、頬も爪で掻かれた箇所が複数ある。試合に負けた後のボクサーより惨い、惨すぎる・・・
「そんなの関係無い。私の日常を壊した報いを身を持って負わせてるだけ。そもそもアンタが連れてこさせなきゃこんなことにはならなかったんだからね?」
「どうしてそこまで・・・」
「どうせ何かしらの方法で一部始終知ってるんでしょ?つまりそういうことだよ?旦那」
その言葉を俺に投げた嫁ちゃんの目には・・・光が無かった。
俺が悪かったのか・・・?俺が嫁ちゃんを今の今まで甘やかしてきてから、そのツケがこんな形で払わされてるって言いたいのか?
おれ自身じゃなく、大切な身内にこんな怪我をさせるほど俺は・・・愚かな行いをしていたっていうのかよ!?
・・・けれどね、嫁ちゃん。
俺はもう覚悟は決めたんだ。
悔いも迷いも腐るほど残ってる。
だけど俺は、だからこそ・・・・
「嫁ちゃん」
「なに?いい加減その手放してくんない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少し黙れよ」
俺は空いてる手で嫁ちゃんの頬を叩いた。
「・・・え?」
何が起きたのか理解できていない嫁ちゃん。叩かれた頬を押さえながら、呆然とした表情で立ちつくしていた。
そりゃそうだろう、俺が出会って初めて嫁ちゃんに手をあげたのだから。そりゃそうだろう、俺が初めて反抗したのだから。そりゃそうだろう、俺が初めて・・・嫁ちゃんに敵意を向けたのだから。
「いい加減にしろ。いくらなんでもやりすぎだ。それでもまだ殴り足りないなら、代わりに俺を好きなだけ殴れよ」
「な・・・んで」
「なんでって言葉で言わないと分かんないの?嫁ちゃん・・・アンタを軽蔑してんだよ」
あの時のーーーーーーーーー中学時代の頃に沸き上がったどうしようもない怒りが、無制限に込み上がってくる。もう・・・アトモドリハデキナイ。
「今ここではっきりと言ってやるよ。もうアンタの面倒は見きれない、離婚してくれ」
「い・・・・やだ」
「嫌だじゃねえよ。もう俺は1%も君のことが好きじゃなくなったよ、流石に。いやマジで」
「いやだ」
「駄々を今更捏ねたって無駄だよ。もう俺はアンタの言いなりには、ならない」
俺が言葉を言い放った瞬間、嫁ちゃんが豹変した。
「いやだいやだいやだいやだいやだイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ。いやだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
室内に発狂に近い叫びが室内に木霊する。こんなに大声を出す嫁ちゃんは初めて見た。
「どうして今更そんなこと言うの?!そんなのあり得ないし認めれるわけ無いでしょーがっ!!!」
「勿論今の今まで君をここまで堕落させた俺にも過失はあると思ってる。素直に別れようなんて思ってなんかないから安心してよ? 俺の財産を好きなだけ・・・なんなら全て譲ってもいいと思ってる。手切れ金としてね」
「そういうことを言ってるんじゃない!アンタは私の所有物でしょ?アンタに私をどーにかする権限なんて無いんだよ!離婚?ナニソレ寝言は寝て言えよ(笑)」
ああ・・・そうなんだ。この女をこんな醜い存在にさせてしまったのは俺なんだよな。。。
俺は一体今までこの女の何を見てきたのだろうか?何を思って今の今まで面倒見てきたのだろうか?どうして俺は・・・この女に今までの時間全てを捧げてしまったのだろうか。
あほらしすぎて笑いが込み上げてくる。全く笑えないけどな、いやマジで。
「もう君が何を言おうが関係無いよ。離婚するだけの材料は揃ってるしね。流石に知らないだろうけどこの部屋にね、カメラと盗聴器を仕掛けてあるんだ」
「なにそれ盗撮じゃん?誰もそんなこと許可した覚えないんだけど??」
俺は怒気を強めて
「もう、お前と話すことは何もねえよ。取り合えず警察に連絡するから大人しく連行されてこい。なんなら調査協力でこの部屋で起きた一部始終を提示してやってもいいんだぜ?」
人間ってのは不思議なもので、一度その人間を根底から嫌いになると例え身内、親族、恋人であっても冷徹になれる残酷は生き物だ。あくまで持論ではあるが。
俺は自分で言うのもアレだが滅多なことでは怒ることは無い。イラつくことは多少なりともあったが、自分の中の怒りメーターは0%か100%しかないのだと思う。だから一度キレてしまうと歯止めが聞かなくなり、ガス欠になるまで暴れてしまうんだと過去の経験から推測できた。
未だにイヤだ叫び狂っている元嫁を尻目に、友ちゃんの傍に駆け寄る。
「友ちゃん本当にごめん。。。そして、ありがとな」
言葉に出して懺悔と感謝をし、急ぎ救急車を呼ぶためにスマホを取り出す。
画面を開きダイヤルを押すところで、元嫁の狂声が聞こえなくなっていることに気づく。
「さすがに諦めて大人しくなっ『ドスッ』・・・・え?」
背中の腹部に違和感が生じた。
恐る恐る振り返るとそこにはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーー俺に包丁を刺している・・・悪魔が嗤っていた。
かな~りシリアス回&長くなってしまいました・・・
一章は次回で多分完結します!
仕事が始まったのですこ~し更新速度は遅くなるかもですが、少しでも面白いと思っていただけましたらブックマーク、評価やレビューお願いします^^




