95話 寝ます
なぜだか今日は、2話連続します…… なんでかな
三章 九十五話 「寝ます 」
あわよくば、モノ好きな生徒だけが見に来ると思ってたから、ほぼ全校生徒が見に来るって話しは聞かなかったことにしたい。
そんなことを考えてても、バスは俺にとって行きたくない学校へと確実に向かっている。
「あれ、止まりましたね 」
「そりゃ、地方でも人くらい乗るって…… 」
いつも松柴さんが乗るバス停までは、まだ着かないが…… 今、停まったところから4くらい乗ってきた。
それに、普段はこの時間帯に人なんて乗らないんですから。
「子供3人と大人1人です。今日もお世話になります 」
とても丁寧な人だな…… が、第一印象。
いつも俺に対しては、おうよ!おうよ! って感じにしてくれる運転手さんも、なんか優しそうになってる気が……
綺麗なパツ金のお姉さんだな。外国人?
いやその前に、あれって聖職者の服装だよな? シスターってやつか? あの子らは…… 預けられてるとかだよなきっと…… そうだよな。
「お姉ちゃん! どこ座る? 」
「俺は立ってる〜 」
「座れるんだから座ろうよ? 」
子供3人は、たぶん小学生…… より下かな。
男の子1人、女の子2人か、うらやましい…… って、それはモノホンのロリコンになるだが。
「危ないから、座ってください。それから他の方にご迷惑をおかけするので、少し声は小さいくね 」
「お姉ちゃんの隣がいい! 」
「あっ! ズリィぞ! 俺が隣! 」
「うぅ…… お姉ちゃん…… 」
「みんな一緒に座りましょう。ーー は、私のここ(膝)でいい? 」
「えへへぇ…… お姉ちゃんの上〜 」
「ズルっ! 」
「次は…… 私も…… 」
「いいですよ。交代交代座りっこ 」
いいな〜 俺も座りたいで〜す! そんなことを言えばどうなるかな? ま、即隣にいる子が通報して終わりですね。
「ジロジロ見すぎ…… 」
「み、見てないっすよ…… 」
なんだよ、気づいてたなら言ってね? 危うくバレるとこだったっす。
「いつからこっちの世界の子に、興味持てるようになったのかしらね 」
「なんでですか…… 少し見てただけっす 」
こっち世界って…… さすがよくわかってらっしゃる。たしかに興味はあるけど、単純な疑問? なのだと思う。
「その異常な目つきで見てる時点で、アウト 」
「やばいっすね、だとしたらサングラス買わなきゃいけないです 」
「似合わないと思うけど、そうすれば? 」
「寝ます 」
どれもダメなら、寝るしかないよ。
つか、そんなに異常な目つきではない…… 半分くらい生死を彷徨ってる目なはず。
ま、子供は得意じゃないから話しかけてこられても対応できるか不安だったから、丁度いいか。
そう思ってほんの数秒後にそれは、実現される。
「お兄ちゃん、高校生なの? なんで寝てるの? 」
ハーレム君に声をかけられてしまった…… まだ、ほんの…… 5〜6歳の子だけど。
「ん? 俺? 」
え、やだ、どうしよう…… マニュアルは何処?
「お兄ちゃんしかいないよ! 」
「あぁ…… だよねぇ…… うん、眠くてね、少し寝ようかなぁって 」
「わかった! サボりだ、サボりでしょ! 」
「惜しい…… 気持ちはって、ところは正解。でもこれから学校に行くんだよ 」
将来、警察官になってくれ。いい推理だ、会ってすぐの俺の思考を読めるなんてな。
「? 正解なの? でも学校に行くのか? 」
「心は行きたくないのに、身体は学校へ行ってしまう! って感じ 」
下ネタではない。こんなところで、下ネタを叫ぶほど俺は若くねぇ。
「? なんでだよ! 楽しくないの? 楽しいだろ、学校って! 」
「そうかなぁ…… どうだろう 」
楽しいわけあるか! そもそも学校に行く理由がないんですよ!
だけど、それをこの子に理解しろとは言えん。
「学校は楽しいんだ! お姉ちゃんもそう言ってたんだ! 」
「お、おぉ…… そうだな!楽しい! すんごい楽しいぞ! 」
もうヤケだ! この子は桜守より聞かないと、俺の脳が判断した。
俺が少し大きい声で、「楽しい! 」を言ったからか、シスターさんらしき人が少し眠たげでウトウトした感じだったのに、ハッ!と起き上がり、こっちに来る。
「も、申し訳ありません! この子が何か失礼をはたらきましたでしょうか…… 」
「い、いえいえ! 少しお話し相手にしてもらってました。こちらは目が冴えて、頭もハッキリしたので、むしろお礼を言いたいくらいです 」
お礼を言いたいのは本当だ。
だって、帰りたい以外のことを考えさせてくれたからね。
「ありがとうございます。こら! ちゃんとご挨拶はしましたか? 」
「するとこだったの! おはようございます! 」
「おはようございます。ありがとうね 」
「ありがとうだって…… 俺えらい? 」
「こ、こら! 」
「偉いよ。挨拶もできるし、相手の目を見て話しもできる…… きっとカッコイイ子になる 」
もうちょっと、子供が喜びそうなことを言えないかなって思う。
「マジか! ほんとのほんとうに? なるのか? 」
「マジだ! ほんとの本当になる! やったな 」
「やった〜! 」
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ…… 可愛いかもしれません。
男の子は嬉しそうにしながら、席に戻って行った。
「本当にご迷惑を…… 」
シスターさんらしき人が、申し訳なさそうな顔で見つめてくる…… やめて!
その顔は俺の専売特許なんだからね!




