93話 しつけ〜
三章 九十三話 「しつけ〜 」
ふっふっふ、記憶ないよって聞いた感想はどうかな? ネタにするには、最高だぞ。
どうせいつかは、言わなくてもバレると思ってたからちょうどいい。
「えっと…… マジですか? 」
「郷橋達の様子から見ても、ほんとだろうな 」
「そうだ。マジのマジだ 」
「軽くいうわねアンタ…… 」
「軽いっすよ、なんたって全然気にしてないことなんですから 」
そうそう、部屋に一人でいる時も、風呂入ってる時も、何か考えるがこのことについては深く考えたことがない。
「師匠は親の顔も…… 」
「あぁ…… 親も親戚もペットもご近所も友達も、いたかもしれない彼女のことも知らない 」
「「「「いや、彼女はない(です、わね、な、ですね) 」」」」
「そこだけぇ…… 」
マジかよ、そこだけ全否定だと!?
まぁたしかに、いないと思うな。
「師匠…… 知らなかっとはいえ、色々とごめんなさい! 」
「え、なぜ謝る? 」
なんで謝るの? 話し聞いてなかった? そういう風にされるのが一番困るのですが。
「何も知らないのに、失礼なことばかりしたのではと、思って…… 」
「知らないのは当たり前だろ。だって言ってないんだからさ、気にされても困るのでネタとして扱ってくれた方が助かる 」
「ネタになんかできないですよ 」
「そこまで、貶めるようなことはな…… 」
「おーい、聞いてくれよ、本人がほんとの本当に気にしてないんだ。逆にそんな風にされると、こっちが気を使うから 」
記憶ないの? ダッサ〜 くらいのが来ても、ウェルカムです。
「なら言わなくても…… 」
「そうだぞ、もう聞いちゃったんだ 」
「んなこと言ったって、どこかで変だなって思う時があるぞきっと。今言っておくのが、ベストだ 」
「ほんっっっとうに、気にしないのですか? 」
「もちのろん。むしろ、今だに師匠って呼ばれる方が気になるくらい 」
これは本当だ。師匠なんて呼ばれるほど、立派じゃないよ? それどころか、お前の堕落を手助けする可能性すらある。
「そっちですか!? 」
「あぁ気になるね…… ってなわけで、俺は勉強してもどうしようもないので、応援係を 」
「なら、私達が教えてあげます! 」
「フンッ、別に記憶云々を聞いたからじゃないぞ? 何もわからんと思うから、教えてやるんだ 」
「え〜…… 俺はしないってーー 」
「頑張りましょう! 」
「気にすんなって言ったよな? てことは、気にしないで教えてくれってことだろう? 」
「良かったじゃない 」
「宮田さんも、この機会にしておいても損はないかと思いますよ 」
「え〜…… うそぉん 」
なんで、こう、なるの!!!
桜守達は、依然とやる気が起きたのか…… 真面目に勉強を教えてきやがるんたが…… ありがた迷惑こんちくしょう!
「師匠、どうですか? わかりそうなのあります? 」
「そうだな、まず国語…… ハァ…… なんで心理描写を考えるの? 知るわけねぇって感じ 」
なんで俺が、作者のことを考えなきゃならん。
国語って、あいうえおとかじゃないの?
「うぅ…… なら英語! 」
そう言って、今度は英語の教科書を見せてくる。
「はっはっは…… こりゃすげぇ…… 日本語部分しかわからない 」
ちょっと嘘ついた。多少は読めるが、動詞? だの助動詞? だのがさっぱりです。
「な、なら数学! 」
算数の教科書じゃなくて、数学の教科書を見せてきよった。
「こりゃあたまげた…… 日本に、ヒエログリフが実在したなんてってレベルでわからん 」
これはマジでわからん。なにこれ? なんで数学に英語出てくるの? なんで、+、−、×、÷以外にこんなにあるの? 役に立たないでしょ。
「師匠…… どこから、教えて欲しいですか? 」
「緋夏、どのレベルくらいだと? 」
「たぶん全滅です 」
「情けねーぞー 師匠さん? 」
「弟子は師匠より、優れた点があるもんだ。しかしここまで差があると、師匠とは名乗れんな…… よし、師匠は解約で 」
「それは無理です! 師匠には、そんなところよりも、もっと見習うところがありますから 」
「ねぇって…… 」
おかしいな…… 昨日今日で何をしたっけ? ただ寝て、怖い思い出を作って終わった気がするんだけど。
こんな奴から、何を見習うんだよ…… あれか? 世の中を舐めくさって、生き抜く方法とかか。
「桜守…… 今回は、俺に勉強教えるのはやめておけ 」
「なんでですか! 」
「ハァ…… お前らがいるのは、今日の夕方くらいまでだろう? んで、明日が勝負の日だ。なら、俺に教えるよりも、少しでも自分達に時間を使え。そうしないと、あの会長さんには勝てないと思う 」
「どんな逃げの論理を展開するかと思ってたが、正論だな…… な? 緋夏 」
「教えるって、言いました…… 一緒に努力して勝ちたいです! 」
この子はなんでこんなに、誰かにかまえるんだか…… さすが、お嬢さんや松柴さんを籠絡しただけはあるかな。
「わかった…… なら、今度教えてくれ 」
「どういう…… 」
「今回は捨ての役だから、勉強しても意味ないって思ったけど…… こんなんじゃ、いつか困るかもしれんから、そうならない為に今度勉強を教えてくれ 」
まーた余計なこと言ってる気がする…… でも、今はこれで納得してもらいたい。
「だとさ、こいつが今度でも勉強したいって考えたのはめっけもんだ 」
「うっせ 」
ほんとはしたくないわ! 日々、新しく発売されるゲームで手一杯なのに。
「師匠…… ごめんなさい。嫌な役割りを任せちゃいます 」
「なーに言ってんだよ、それは最初に俺が提案したことだろ。やっとわかってくれたかって、思ったくらいです 」
「でも…… でも…… 」
「しつけ〜…… 今回はって、言ったろ? ゲーム大会の時には、努力して勝とうな。その為に明日を乗り切らないと、その機会すら来ないわ 」
それどころじゃねぇ……
この部活がなくなったら、マジでサボれなくなる! 俺はあそこで、疲れるほど仕事したくないんですよ。だから、俺の労働回避の為に頑張るぞ!
「し、師匠〜! そこまで考えててくれたんですかぁ…… 嬉しいです〜! 」
「はぁ!? 」
なんで半泣きしてんの!? わけわかんない。
「なーに、かっこいいこと言ってんだか 」
「なんで? 」
「たま〜に、こういうこと言うですよね〜 」
「だね〜 」
「なんか…… 恥ずかしいくなってきた…… 」
なんだ、耳が熱いんですけど…… 照れてるのか? キモいぞ、俺。
「頑張りましょう! そして、また頑張りましょう! 」
「大会はFPSだしな、緋夏の出番だ 」
「期間限定の師匠の師匠になってあげます! 」
「なんだそりゃ…… 」
ーーーー それから、お嬢さん達は勉強してた。
俺は 邪魔にならないように、隅っこでマンガ読んでました…… 俺の部屋でなくてもよくね?
お昼になってお嬢さんが、「今日は頑張ります! 」って言った瞬間に、全員立ち上がって…… 「今日は、(私、俺、私、私) が作ります! 」と反撃した。
結果的に、久野がオムライスを作ってくれる。
「これだけは作れるんだよ 」だそうな…… よくやったぞって褒めてやりたい!
その後は、お嬢さんの部屋に戻って行った。
そして夕方になってから、桜守達は帰宅…… やっと終わった〜 って感じ。
明日は…… 頑張れよ。




