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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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91話 混乱してきた!



三章 九十一話 「混乱してきた! 」



話しは少し遡って、主人公が死ぬんじゃないか? の恐怖を味わう前、お昼を食べ終え女子達が美羽の部屋に戻るところからーー


「さて! お昼も食べて元気いっぱいです! 勉強しますかぁ 」


「そうですね、そろそろしないとまずいかもしれませんね 」


ハァ…… 今日は先輩達に申し訳ないな、まさかあんな風に失敗するなんて。


でも、悪気はなかった…… 元気になって栄養もついて、それで美味しいもあると思ってたんだもん。


「あいつもなんだかんだで、ちゃんと年上らしいところあるよな 」


「ふっふ〜ん、珠希も師匠の良さがわかってきましたか? 」


「いや全然ない。奢る財力があるのは、認めてやるかな 」


「せ、先輩…… 鬼です 」


「凛誉、怒ってるかな…… 」


あんなカレー食べさせちゃったし、私に気を使わせてお昼も奢らせちゃったからな……


「大丈夫じゃないかな、みーちゃん 」


「そうかな 」


「大丈夫です! あの人は、たぶん怒るってこと自体を面倒くさがるタイプだと思います 」


「そうだな、どうせ今頃部屋に戻って、あぁだるかった〜 とか言ってるよ 」


「そこは、だるかったよ〜壁さーん、だと思います 」


たまにひどい時は、下のここまで聞こえてくる時があるんだんよね…… まぁ本人には内緒にしとくけど。


「あいつは壁に愚痴るのかよ…… 」

「さすが師匠、人ではなく物に愚痴るなんて…… エコノミーです 」

「ただ…… 小さいだけじゃ…… 」

「松柴の評価は厳しいな 」


「あの先輩…… 一つ聞きたいんですけど 」


「なんです? 」

「なんだよ 」


「あっ、いえ、桜守先輩の方で 」


2人とも先輩だから、振り向いちゃうよね。


「なんですなんです? 」


「なんで凛誉を師匠なんて、言うんです? 」


朝に一応は聞いたけど、納得できてない。

先輩みたいに可愛いくて優しい人が、あんなのを師事したらどんどん悪くなっちゃうよ。




「え? 」


「あ〜…… それ、私も聞きたいわ。だって急に呼び始めるから、驚いたんだぞ 」


「さっき言ったじゃないですか、尊敬できる人だと思ったって 」


「尊敬できるって…… そんなにですか? 何かあれば、すぐ面倒くさいんすけどぉとか、えぇ…… 今っすか? とか言う奴ですよ 」


私なんて、それで何回も説教もしたし、何回も呆れたのに。


「人って、大人になるにつれて、段々と好きを好きって言えなくなるんです。でも師匠は、好きは好きってはっきりと言えてるし、それを何一つ恥じてない…… そこがとてもカッコイイと思いますよ! 」


「ひ、ひひひ緋夏? なんでそこまで…… 」

「せ、先輩…… まさか…… 」


「先輩? 嘘ですよね、あんなのやめておいておいた方がいいです! 」


ウソでしょ!? 先輩って凛誉のこと…… そうなの? 違うよね、違いますよね。


「へ? カッコよくないですか? あんなに趣味に全力を尽くせるなんて。あのゲームの数…… 羨ましいです〜 」


「だ、だよな〜…… よかった〜…… 危うく、あいつを消そうと考えちゃった 」


「こ、怖いですよ珠希…… 」


「そ、そうですよね! ゲームの数くらいしか、取り柄ないですから! 」


「宮田さんの…… 取り柄はゲームの数…… プッ 」


よかった〜…… って、別にそうならそうでいいけど、その場合あいつを警察にロリコンとして突き出さなきゃって思っただけで…… 別に。


「郷橋さん、もう少し取り柄あるんじゃ…… 」


「ないですないです。あったとしても、どうせろくでもない取り柄ですね 」


「身内の厳しさを感じます。そういえば、郷橋さんって、師匠のこと名前で呼ぶ時もあるんですね! 少し新鮮でした 」


「え…… ま、まぁ 」


「みーちゃん、基本はいつも名前で呼んでるよね 」


「学校じゃ、照れ隠しか? 郷橋も可愛いな 」


「え!? 違いますからね! ふ、普段は呼び慣れてるから名前なだけで…… 学校だと、その…… 」


意識してなかったけど、改めて言われちゃうとなんか恥ずかしいかも。


「やっぱ恥ずかしいって? 」

「郷橋さん可愛い! 」

「みーちゃんは隠し可愛いさが、意外と多いんですよ 」


「違いますから! そんなところまで意識してないだけですから! 」


なんでこんなに可愛い扱いされるの!?

凛…… あいつ…… 凛誉のせいって、頭の中まで混乱してきた!




「師匠の名前って、りんほって言うんですよね。凄そうな名前です 」


「本人と名前は合わんって、この為にあるな 」


「そのネタで昔、来てすぐの頃…… からかわれてたんですよ 」


「あったね…… そういえば 」


「その時、師匠はどう乗りきったんです? 」


「もう勘弁してください…… って、泣きそうになりながら懇願してました 」


「ププっ…… さすが師匠 」

「うわぁ…… 目に浮かぶわ 」


「ですよね 」


散々といじられて、挙句の果てに「役所行って名前変えて来ます」って、言ってたことは内緒にしてやるか。そこでやっと、みんながやめたんだよね。


「でも良い名前ですよね。どんな意味を込めて、ご両親は付けたんでしょう? 」


「ど、どうですかね…… きっと今の姿みたら、泣きますね…… 」


ごめん先輩、それは私にも、誰にもわからないよ。

あいつ自身…… 親のこと知らないんだから。


「あんなにゲーム買って、仕送りとかちゃんとしてんのか? 」


「あははは…… きっとそれくらいは、残してあるんですよ 」


「あ、あの…… そろそろ勉強再開しますか? 時間が、無くなってきましたし…… 」


「そ、そうだね! ナイス初絵! やりましょう先輩 」


くぅ〜…… ほんと気の利く良い子だよぉ。

私だけだったら、どこかでボロでたかもしれない。

あいつは気にしないって言うけど、私は気にする。


「そうでした! 部活存続の為、打倒鬼の生徒会です! 」


「あの会長はたしかに鬼っぽいな 」


「頑張りましょう! 」




ーーーー そこからは結構勉強を頑張ったと思う。

夕食は、板前さん達のやつを持って来てもらって、先輩達も大満足って感じだった。私のはヤバかったから。


「いい時間ですし、そろそろお風呂行きたいですね 」


「流してやるぞ〜 緋夏 」


「大浴場なら、空いてるかな? みーちゃん 」


「この時間なら大丈夫! 初絵、先輩達に案内してあげて。私は、女将のところで鍵もらってくるから 」


「了解 」


「大浴場…… 温泉ですか!? 」


「あ、はい…… 温泉です 」


え、もしかして温泉ダメとか? それとも、熱いのが苦手なのかな? 大浴場のは少し熱いから。


「珠希! 温泉ですよ温泉! まさか、修学旅行以外で入れるなんて 」


「たまに旅行くらい行くだろ…… でも、たしかにあんまりないな。郷橋に感謝 」


「感謝〜 」


「そのご期待に応えられる温泉だと、嬉しいです 」




みんな部屋から出て、大浴場に向かう。

でも私は、桜守先輩を少しだけ引き止めてしまう。


「どうしました? 」


「秘密ですけど、私も少〜〜〜〜しくらいなら、先輩の気持ちわかります 」


「? 」


「悪いところが目立ちますが、良いところもちゃんとあるってことは知ってます 」


なんでこんなことを私は言ってるの?

日頃の感謝? うーん…… 違うなぁ。


「えへへ…… ですよね! 」


「少しだけですよ? 」




ーーーー そしてあの現場に遭遇して、アホの発言を聞いて、前言撤回したくなった。(※ 前話のこと)


全く! 何が慎ましやかだって? あの野郎!


私だって気にしてことを、それも先輩達にも同じようなことを言うなんて、良い度胸してるわね。


おばあちゃんと一緒に、これは改心させなきゃいけないことよね? 決して、小さいと言われたことじゃないし! 普通サイズだし!




そんなに…… 小さい?




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