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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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84話 怒ってなんか


今日の回は少し、すこ〜しだけ長いかもしれないですけど、読んでいただけたら幸いです(汗)



三章 八十四話 「怒ってなんか 」



想像を超えるお嬢さんの話しと、以前に世間話し程度で聞いて、すごいなって思ってた話しがこんなところで接点があるとは。


そいつはどういう意図があって、そんなことをした? いや、そういう奴に常識を求めてはいけないよな、何よりロクでもないことには変わりない。



「今も結構…… 各地でダメージありますよね 」


「この辺りはさすがに、田舎だし人も多い方じゃないから、目に見える被害はないな…… 」


「ダメージってさ…… そんなに酷いことしてたのかそいつは? 」


いや、酷いことなら既にしてるじゃないか…… お嬢さんに対して、全てに対してこれ以上ないくらいに。


「地方はそうでもないかもですけど、都会の方は人的な意味…… 人がって言う意味でしかない人的で、被害が出てました 」


「テロか…… 」


「テロ…… そうですね、でも爆弾とかじゃなくて人が人を単純に襲ったり、殺害したりとか…… です 」


「なるほどな、人的…… 文字通りだ。ん? だとすると、お嬢さんのご両親はなんで…… 」


今言ってたよな、地方は被害が少ないってさ…… まさかその少ないに含まれるてるのか。


しまった…… つい口から出ちゃったけど、お嬢さんにそんなことを聞いちゃダメだろ。


「あ〜…… 私の両親はさ、そんなことをしないで別の方法があるって訴える集会みたいなのに出てさ…… その時にね 」


「郷橋さん…… 」

「あの時はどこに、どういう奴がいるかって…… 本当にわからない感じがしてたな 」


「そうでしたよね…… 凛誉? 」


「し、師匠? 」


「へぇ、そんな顔すんのお前も 」


「宮田さん…… 」


「え、何言ってるんです? 」


どうしたの? 俺の顔が、取り返しのつかないレベルって言うのは重々承知ですけど…… 今言う?


「何言ってるって、お前…… すごい顔だぞ 」


「は? 」


「師匠…… お、怒ってる感じが…… 」


「怒ってる? なんでだよ…… 」


怒ってるってか? どんな顔してんだよ、別に怒ってなんかいないよ…… 怒ってなんか


「ほんとにどうしたのよ、アンタがそんな顔しても似合わないでしょ…… らしくない 」


「だからそんな顔してなーー 」


「宮田さん…… これ 」


「松柴さん…… !? 」


松柴さんが出したのは、普通の手鏡だ…… 普通じゃないのは、そこに映ってる顔だ。


普段よく朝にお風呂入る時とか、必ずどこかで一回は見るから正直飽きたなって思ってるくらいなのに、今そこに映ってるのは…… 眉間にシワ寄せて、目も若干鋭くなって、嫌悪感剥き出しの表情をした顔だ。


いつもひでぇツラなのに、一段とひでぇ。




「俺は怒ってない…… から、さ…… なんだろうな、これ 」


自分の表情にここまで、理解できないって思わされるなんてな…… そりゃみんな不思議がるわ。


「ふふっ…… 師匠のそんな顔に驚きはしましたけど、やっぱり優しいからそうなるんですよ 」


「え、だから怒ってなんか 」


「おいおい、自分が怒ってるのかもわからないのか? そりゃ怒ってんだよお前が 」


「別に…… そんなことねぇし…… 」


怒る? そんなことしてこなかったぞ、ここに来てからずっと…… あの時の不良達に、襲われた時も怒ってねぇのに、なんでここで怒るんだよ。


「初めて…… だよね、みーちゃん 」


「そうね…… なんでアンタがそんな怒るのよ 」


「だから俺は…… 俺は…… ひたすらに愚行を犯す奴に、憎いって思っただけですよ 」


「お前それ…… 一段階上の感情だぞ 」

「師匠…… 」


「ばーか、アンタがそんなこと思うことーー 」


「思いますよ 」


「え…… 」


「思うに決まってる…… そのバカは、竹やんの故郷も荒らして、今度はお嬢さんの両親ときた…… つくづくバカだと思いますよ 」


やばい……最近になって悪い癖が更新してるな、会話に熱が入りやすくなってる。


だけどさ…… 仕方ないだろ…… ここまでうぜぇって、思うなんて初めてなんだからさ。


なんでここでまで。


「話しをしたのは私だけど、アンタはそんなに気にしないの! だって、私のお父さんとお母さんを殺したのは…… その主導する人に惹かれた人がやったんだし 」


「直接だろうと、間接だろうと、原因はその主導した奴です。どうせ自分じゃ何もできないような奴に決まってる 」


「凛誉…… 」


「言っておくけどな、何もできないどころか…… 世界の半分がそいつの味方だったんだぞ 」


「久野、何言ってんだよ…… 半分? 」


半分? この世界半分だと? ありえないだろ、こんなテロまがいの奴にそんな。


「本当だよ…… な、緋夏 」


「は、はい…… あの時は日本だと、テレビに出てる評論家の方々から自衛隊の方に至るまで、"あの人"のやってることを支持するって人が、たくさんいましたから 」


「そ、しかもテレビで堂々と正当性を主張する評論家がいて、その場で暴動ってのもあったよ 」


「そんなこと…… マジかよ 」


何やってんだよ評論家さん、あなた方は個人の意見を言うけど、犯罪者を擁護することはなかっただろ。


「自衛隊の人達は怖かったですよね…… 東京なんか、酷い時だと一日中悲鳴がしてたって…… 軍の怖さを感じたんです 」


「で、でも全員がそうじゃないよな? 」


全員は勘弁しろよ? あなた方まで、そっちについたら…… 日本は終わりですよ。


「全員ではなかったと思い…… たいです。それでも、何人も何人も正気で人を…… 」


「ですね…… あの時は日本だけじゃなくて、世界中で同じことが起きてたもの…… そう考えると、本当はその主導した奴って正しいんじゃないかって、思う時があって…… 」


「郷橋さんそれは! 」


「郷橋、そんなことを言っちゃダメだ 」


「みーちゃんはわかってるよね、それでも間違いなんだって 」


「大丈夫よ、大丈夫…… 」


「お嬢さんが…… 」


「? 」


「お嬢さんが、そんなことを言うのは絶対にダメだ!! 冗談でもダメです…… 」


あーあ、なーにやってんだか…… 大声で怒鳴るとか…… 俺が一番ダメだ。


「し、し、師匠? 」

「お、おお…… キレた 」

「み、宮田さん? 」


「フンッ! 私は動揺しないわよ、だって私の為に怒鳴るとか、相当無茶したでしょう? 」


「無茶しました…… 怒鳴ってごめんなさい。でも、お嬢さんはお嬢さんだけは、そいつのことを肯定しちゃいけない、認めちゃいけない、許してはいけないんです 」


「どれもしない! でも、気にもしない! してたら、日が暮れるでしょ 」


「郷橋さん…… ほんとに歳下ですか? 」

「私らより精神的に大人だな 」


「さすが女将さんの孫で、次期女将さん候補なだけあります。失礼をしました、許してください 」


強い子だ…… けど、たまに強すぎる時があるので、ちゃんとそこは下方修正してくださいね? 毎度毎度、漏らしたら若年にして病院のお世話になりますから。


「何言ってんの、失礼はしてないでしょ? さってと、そろそろお昼食べに部屋行きますか! 先輩達もありがとうございます。話し聞いてくれて 」


「いいんですか郷橋さん? 」

「ありがとな、話してくれて…… 今度は私らの恥ずかしエピソード聞かせてやる 」

「珠希!? 」


「それは聞きたいです! 」

「わ、私も…… 聞きたいです 」


「どうせアホ丸出しなんだろ? 」


「ちっちっち、私らの恥ずかしエピソードは群を抜いてるぞ 」

「珠希…… 私のは言わないでください 」





お嬢さんと松柴さんは、先に部屋に戻って準備するとか言って、出て行っちゃった。


「なぁ久野 」


「どした? 怒りん坊 」


「やめてくれませんかその呼び方、まるで俺が年中モンキーしてるみたいじゃねぇか 」


そうだぞ、俺なんかどんな理不尽なゲームのステージに殺されても、台パンしないんだぞ! 部屋で壁さんに愚痴る時も敬語を忘れない男だ。


「なんだよ、いつものダメ警備員かよ 」

「珠希! 師匠はすごいんですよ! 」

「緋夏〜? ダメだぞぅ!あんなのに騙されちゃ 」


「人聞き悪いわ、騙すどころかむしろこっちが悪質商法に引っかかってますよ? 」


「師匠は私をどう見てるんです!? 」


「急に来たセールスの人 」


「な、なんですそれ 」


「んで? 何か話したいの? 」


「おぉ、そうだった…… そのさ…… 最後はどうなったの? 犯人って 」


すごい気になるんだ…… 竹やんとの話しじゃたしか、全部消されてて話題にも出ないって言われたけど、さすがに納得できないわ。


「捕まった…… ような気がするけど、ほんとぱっつんと消えたんだ…… テレビでも報道されないし、世界が消したっていう感じだ 」


「そうだったと思いますよ…… あっでも、たしか主導者が最後に何かを放送? 通信? してから、パッと収まったんです 」


「どういうことだ 」


「あぁ…… そういえば、英語でラジオみたいなのが流れたっけ? 」


「私が聞いたのは日本語です。他にもいろいろと外国語で放送したらしいですけど、全部同じ人の声だったと思うんですよね 」


「内容って覚えてるか? 」


初めて聞いたぞそれは…… なんだろうな、この問題に関してはヤケに探りたくなるって言うか、気になると言うか。


「ごめんさっぱり忘れた 」


「少しだけなら覚えてます 」


「マジでか! 」


さっすが聞かない子供ってだけじゃなく、いっぱしに部長をしてるだけはあるぜ。


「たしか…… "まない、まない、一度…… 度だけ、じてたいと…… ってしまった" こんな感じでした 」


「はい? ごっめん!全然わからない 」


まない? そのまな板の胸のことじゃなくて、まない…… 名前? それとも途切れかけの言葉か。


「ですよねぇ…… 実は当時もすごいノイズで聞きづらかったんですよね 」


「私が聞いたやつは英語だから、そもそもわけわからん 」


「その呼びかけで終わったのか…… 」


「そ! それっきりだよ本当にさ 」


「でも、復興は案外早くできましたよね…… 街とかですけど 」


「ニュースじゃやらんのか 」


「言ったろ…… 世界が消したような気がするくらいに跡形もなくだ 」


「やっぱり、日本以外にも世界中の政治家さんにもいっぱい仲間がいたみたいですから 」


「その結果…… 世界での死傷者が億を超える事態になった 」


「怖かったですよ…… 私も 」


「ほんと…… クズだな 」



世界が消したか…… 死んでるよな絶対に…… そうであってくれよ。


竹やんから聞いたのとほぼ同じだったが、通信を割って入ってくる技術もあって、日本語以外にたくさんの言葉は理解して、他を圧倒する力も持ってる…… 聞けば聞くほどチートクズ野郎だ。


一つ納得できたこと…… たしか、俺がここに来る前に見た東京の景色は、普通の都会だったよな。意味するのは、人による暴力行為か…… 恐ろしいね。


だからこそ街は機能して、残った人達は普通に生活してたのか…… どこも良くないけどな。


億を殺した感想はどうだ? 死んでるなら、地獄で永遠とお説教されてろよ。



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