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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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78話 ばかな!?



三章 七十八話 「ばかな!? 」



素晴らしい、今日は警備員になってからの初休日…… 一週間疲れたよ、旅館での疲れと違ってコミュニケーションを取ることに疲れた。


サボってゲームばっかりしてたろって、言われたら言い返せないが、それでも多少は廊下に出なきゃダメだし、その時に生徒に会うと何故か俺はテンパるし…… 気付かれてないよね?


だが思っていたよりかは、まともにやれてる気がする。当初は、生徒と遭遇する度にトイレ回避を考えてたからね。かと言って、サボってることになんら変わりはないけどな。


「10時か…… 」


誰が、仕事もないのに早く起きるよ? 休日まで、早く起きるようになったら…… その職場から、離れた方がいい。


そういえば…… 今日から、合宿して休み明けの対抗戦に備える! って、言ってたけど…… もう勉強しに来てるのかな。


俺はしないぞ、やったってもう勉強じゃ勝ち目ないだろ。努力したら勝てるよ! っていうのは、あまりにも酷だと思うし…… 個人的にはね。


まぁ…… 努力して勝つ人もいるから、否定はしない。ただ俺はしたくないってだけ、勝てないのを誰よりも理解してると思うからさ。


だけど、あの子達が努力して勝とうとするなら、それは応援してもいい。だって、あの場所無くなると…… マジでサボれなくなる。


あとは…… 一応、5人目らしいし。


「さて、なんか手伝えることがないか聞いてくるか 」


警備員になってしまったが、あくまでも期間限定だ。だから旅館の仕事を忘れない為に、戻る意思を忘れない為に、何か手伝っておきたい。


あっち(学校)じゃ、考えられない台詞だな。だが許してくれよ、なったはなったが俺は仲居さんなの。


「行くか 」


ドアに手をかけて、外に出た瞬間ーー


「あっ、おはようございます! お兄さん 」




それは、よく見知った顔だ…… そしていつも、小さいなぁって、思っている体の子が目の前にいる。


そっかぁ…… そういえばそうだよね。居てもおかしくないんだよね。


「おはようございます…… さよなら 」


ふっ…… やっぱり今日は、普通に休日として過ごそう。旅館の手伝いは、また今度にしよう。


早速、ちょっとカッコいいなって自分を褒めてやろうかと思ったが…… 意思とは、すぐに変わるものだよねぇ。


そして、開けたドアをまた閉めようとしたが……


「ちょ! ちょ! お兄さん!? なんで閉めるんです? 」


おチビが足をかけて、閉めようとする俺に反抗してきやがった。


「こっちが、ちょちょ! だよ。俺は休日を過ごす為に、もう一度部屋に戻るつもりですが? 」


「いやいや、せっかく起きたなら一緒に勉強しましょう! 」


「何言ってんの? 昨日言ったろ、俺はしてもしょうがないから、君らの邪魔にならないように影で応援するってさ 」


「そんな優しい感じでしたっけ…… とにかく、邪魔になんてならないので、一緒にしましょう! 」


「嫌だ…… 俺は寝るんだ 」


「もう充分寝たはずです! 何回も、電話したんですよ? 」


「電話? そんなの…… ごめん、ケータイ見てない 」


ん? 待て待て、俺の番号を教えた覚えがない。まさか某国のエージェントか!? なわけないな、お嬢さん辺りか。


「番号…… どこで知ったの? 」


「郷橋さんにかけてもらっただけですよ? あっ、面倒なので、教えてください 」


「嫌だ…… 俺のケータイは、あんまり詰め込み過ぎると、俺に殺意を抱くように調教してある 」


「最悪のアプデですね…… 」


「さ、そろそろ離してくんない? ドアさんも、限界って顔してるよ 」


そうだぞなんつったて、もうかなり築年数経過したんだから、そんなにそこで粘られると…… ドアさん、オコだよ。


「きっと、ドアさんも…… お兄さんに外に出てほしいって願ってるので、応援されてる気がします 」


「俺は引きこもりかよ…… わかった、危ないから一旦離せ 」


「お兄さんからどうぞ 」


「ちっちっち、俺からだと君は引く力にやられて吹っ飛ぶよ? 俺は、部屋に吹っ飛ぶだけだから安心 」


「大丈夫です! そんなヤワじゃないので 」


「ヤワとかの問題じゃねぇ、はぁ…… 離すぞ 」


もう諦めた…… 俺が外に出たのが悪い。たまにいい事を考えて、何かしようとすると必ず災難って起きるよね。なんの嫌がらせだよ。


「勝った 」


「負けた負けた 」


「少し、お邪魔していいですか? 」


「ダメだ、生徒とは一定の距離を置きーー 」


「あっ、エロ本 」


「ばかな!? んなもんあるわけーー 」


「えへへ、お邪魔します 」


「前世は、諸葛さんすか…… 」


引っかかってしまうとはな…… だって、あるわけないのにあるなんて、痴漢の冤罪かよ。ちょっと違うかもしれないが。


頼むから、荒らすなよ…… 子供は部屋をめちゃくちゃにするって、テレビで見た覚えがある。


何も、変なの無いよね?




部屋に上げてしまった…… 何故こうなる? 何故こうなった、わかっている…… 俺が間抜けなだけ。まさかあんな、しょうもないのに引っかかってしまうとはな。


「いいか、動くな、触るな、嗅ぐな、見るな、これらを順守してね 」


「何もできなくないですか!? というか、嗅ぐなって…… 」


「わかった、呼吸はどうぞ鼻からでもなんでも、ただし他はダメだ 」


下手に動かれて俺のコレクションに、傷ができたら大変だ。おそらく2日はここから出ないで、復讐の算段を整えるからな。


「どれだけ嫌なんですか…… 部屋、結構綺麗にしてるんですね! 意外です 」


「そうか? どこを見ても、ゲームと書籍類ばっかり…… あと、特典のタペストリーが散らかってると思うが 」


「いやいや、もっと散乱してると思ってましたので 」


「そんなことはしない、だって自分が買ってきた物を眺めておきたいだろう? 」


散乱してると、どこに何があったっけ? ってなるし、それに整理しておけば好きな時に開封できるだろ。


「整理してあるのはいい事ですよ。それより、さっきは動揺してましたね? あるんですか、エロ系 」


「ねぇから、驚いたんだ…… そっちこそよく、あんな手をとっさに思いついたな 」


おかげで、初部屋上げを捧げてしまったよ…… ごめんな、いつか来る2次元寄りの子。


「普通はあるって聞いてたので、本当に無いんですか? 年頃の男子でしょ? 」


「アホか、年頃ってな…… まぁ年頃か、だけど残念だな。俺の部屋をいくら探しても出てこないぞ 」


「本当の本当に? 」


「ねぇよ…… 前に一回手を出して、いざ画面を見ようとしたら…… 鼻血がね…… 出てさ 」


なんでこんなこと話してんだ…… だが本当のことなんだよ。あの時に、わかったんだ。とことんヘタレなんだってな…… まさか、鼻血が出るとは思ってなかったけど。


「ぷふっ! 鼻、鼻血が…… 出たって…… ぷふっ! 」


「うる…… うるせぇ…… 耐性の問題なんだよ 」


「なんの…… ぷふっ! 耐性ですか…… 」


「もうお許しください 」


これ以上は俺の、HPとMPのゲージがひたすらに減っていくんで…… 休日なのにさぁ。


「あははは!! お兄さん…… あははは!! 」


「うぅ…… 内緒に…… してください…… 」


「いい…… ですよ…… 内緒…… ぷふっ! です 」


どんだけ必死に、笑いを堪えようとしてんだ。すまないが、全然堪えきれてないんですよ。


「感謝します…… 」


なんで暴露する羽目になってんだよ…… 最初は、あらぬ誤解と疑いを持たないように言ったつもりなのに、爆笑と弱味を持たせただけだぞ。


ホントに内緒してくれよ…… 誰にも、言ってないんだからよ。そもそも誰も聞いてこないし。


故に情けねー…… まさかの桜守に、ゲロっちゃうなんてよ。しかも、ほぼ自爆とか…… そら爆笑ですわ。



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