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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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76話 プフッ



三章 七十六話 「プフッ 」



勉強なんてしたくねぇ…… でも、言ったって聞くわけねぇし…… なんで、捨ての俺が勉強しなくちゃならんのよ。


「今日が金曜だから、明日からやんの? 」


「そのつもりです。お兄さんは、予定とかは…… って、大丈夫ですよね! 」


こいつ…… 俺に予定が無いのを、まるで知っていたかのように当てやがったぞ。だがみくびるなよ、そんな簡単に聞いてたまるか。


「実は俺にも予定がーー 」


「「「「ない(だろ、ですよね、わ、です) 」」」」


「…… ですよねぇ 」


俺って…… そんな暇に見える? 見えるな。

主観的に見ていつも暇なんだ、客観的にもそう見えるって学べて良かった…… なわけない。


「本当は今日から、行きたいところですが、乙女なので準備が要ります! 」


「乙女? どこにいるんだよ、少なくても俺の視界にはいないからな、幽霊とか? 」


「お兄さん…… だからモテないんですよ 」


「おいおーい、どこでそんな話しになるの? つぅか何でご存知なんですか 」


おかしいな、俺がモテないのは門外不出のシークレット…… 逆だ、一目で分かる真実だった。


「緋夏、真実は時として黙っていた方がいい時があるぞ…… プフッ 」

「そうですよ先輩、私もずっと知ってますけど…… 言わな…… プフッ 」

「みーちゃんは、よく言ってると思う…… プフッ 」


「別にぃ、俺はぁ、モテるとかぁ、考えて生きてないからぁ、気にしませぇん…… プフッ 」


嘘でぇす、モテ期が来るって信じてます。いつか、2次元寄りの子が迎えに来てくれるって。


「お兄さんがプフッを、する意味とは!? 」


「的外れな、答えを嘲笑う為よ 」


「それで、先輩…… 本当に対抗戦できそうですか? 」


「やりましょう郷橋さん! 珠希と松柴さんも、大丈夫ですか? 」


「これで勝てたら、一生ゲーム部は安泰だな 」

「注目されるのは、苦手です…… でも、頑張ります 」


「うぅぅ…… ありがとうございます! 一応、聞きますが…… お兄さんは? 」


「俺が何よ 」


「意気込みですよ、やってくれますか 」


こういう時って、なんて言えばいいの? 頑張ろうぜ…… 違うな。勝とう…… これもイマイチ。ダメだ、わからん。


「俺に必要か? 俺はただ、負けてやるーー 」


「どんな形でも、助けてくれる仲間だと思っています! 」


よくそんなことを、元気よく言えるよ…… これが若さか! いいな、少なくとも過ちではないよ…… その元気と言葉は。


「皆様の勝利を心から、信じております 」


「固っ! 」

「お前、何それ 」

「先輩達、いつものことなんです 」

「キマらない定期…… 」


「そうそう、キメる場面に遭遇してこなかった人生なので、不慣れなんです 」


「なら、今回の対抗戦でキメましょう! 」


「無茶言うな 」




ーーーー そこで話しは終わり、ついでにお昼休みも終わり、みんな急いで食事を済ませて教室に戻って行った。


「話しに夢中で、食べるの忘れるとか子供かよ……子供か。俺も食うの忘れたし、最悪だよ 」


今言った最悪には、対抗戦に出るや、モテないを看破されたとかの諸々も入っての言葉だ。


「はぁ…… 合宿ねぇ 」


なんだかんだで、俺は参加しなくていいよってなる予感が…… しないのが憎らしい。だけど、俺は何すればいいの? 居ても、役に立たないと思うけど。


「マンガ読も 」


ふっ…… 仕事だよこれも、ちゃんとタブレット先輩とも仲良くしてるし、何も起こんないことは何よりも良いことだって、雇い主が言ったんだから大丈夫なはず。


そういや桜守が言ってたな、もう放課後の活動は認可されてないから、できないって…… てことは今日はあれでお終いか。


こういのには、えらい速く対応すんのな、この学校。もうちょい融通利かせてやれよ、大会があるらしいのに練習できないんじゃ、どうすんのよ。


一応俺も、参加するらしいし…… なんて面倒くさいことばっかり、やってんだか。


「せめて…… 別の場所に行ってくれよぉ 」


よりにもよって、なぜうちの旅館? いや…… お嬢さんが提案したなら、わかりたくないが最も効率よく勉強できるところかもしれないから、まともな反論が思い付かない。


でも友達だからって、タダは駄目よ! 女将さんに怒られるぞ! …… 心の中までケチだから、モテないのも看破されるのかな。




ーーーー 放課後を知らせるチャイムが鳴る


「もう放課後か…… また何もせずに時間を過ごすことができた。今日も、見方によっては仕事をしたぞ! 」


そうだ、ちゃんと仕事はしていた。マンガ読みながら、タブレットの映像をチラチラ見てたし、何かあったら対応する、準備的な心構えもあった。


かと言って…… 世のサラリーマンには、見せられないっすわ。俺だって、ほんとは疲れる仕事したいよ! 旅館のね。


「ふぅ…… 静かすぎて、この部屋のキャラじゃないぞ 」


何言ってんだ俺は? 部屋にキャラがあるのかよ…… だとしたら、俺はもう自分の寮に帰りたくない。日頃の恥ずかしい行い全てを、見られるてるんだからよ。


「それでも、静かすぎだよ…… 」


何を思ってこんな一人言を呟いてるのかは、俺自身よくわかんないけど、いつもと違うというか、物足りないというか…… 寂しくなった?


「ないない…… 一周しても、ないな 」


なんとも曖昧な、自問自答をしていると…… 最近になって、聞き慣れた声が聞こえてくる。


その声は部室の前で止まって、静かになると思いきや…… 声は数を増やし、さらに響く。


「ったく…… 放課後はお休みじゃないのか 」


別に嬉しくはないよ? ただ来るべき奴ら、居るべき奴らが来ただけだ。


だが、声の主達は部室に入ってこない。どこまでも、真っ直ぐな子ですねぇ…… 仕方ないから、こっちから開けてやる。俺は部員じゃないのにな。


「よっ…… ゲームしに来たの? 」


「いいえ…… 必ずまた、駄弁るのと練習をさせてもらいますねって、願掛けです 」

「お前…… 今日もマンガ読んで終了かよ 」

「アンタ…… 女将に頼まれたって何? マンガのレビューでも頼まれたの? 」

「宮田さん…… 恐怖する人がいないと、平時クソ…… ダラけてるんですか? 」


やだぁ…… 松柴さんの口調が変わって、コミュ二ケーション取りやすくなったのは、良いけど…… 俺のダメージもとりやすくなったね。


「厳しいなぁ全員、んで? 願掛けの効果は、ありそうか? 」


「願掛けは全員でしなくちゃダメです。一人足りないので、居て良かったです 」


「…… 幽霊でも友達にいんの? それとも見えたの? どっちも、お祓いが必須だぞ 」


悪りぃな…… そんなこと言われたことないから、どんな返しが、普通なのか知らん。


「アンタ、もしかして照れてる? 」

「ぷっ…… マジかよ、照れてるのかよ 」

「さすがみーちゃん、長い付き合いでわかるんだね 」

「お兄さん、照れてるんですか? 」


「べ、別に…… 別だよ? 」


ウンギャァァ!!! これは照れてるって、返したようなもんだよな…… だってよぉ、お嬢さんがいきなり、変なこと言うだもん…… だもん。キモいわ。


「「「「あははは!!!! 」」」」


「女の子が…… はしたないから、やめなさい 」


全員…… 腹抱えて、笑ってやがる! ちくしょう! なんで俺が、こんなポジションに立たないといけないだよ。だが多分…… 俺も、そっち側だったら爆笑してたな。


「ごめんなさい、お兄さん…… ふぅ…… さっ! こっち来て、もう一度みんなで願掛けです 」


「俺はいいって…… 」


「学習しろ〜 緋夏は聞かない 」

「珠希…… 私が子供みたいな言い方はーー 」

「「子供だろ 」」

「そこだけ2人、息ぴったりですね!? 」

「アンタ…… 久野先輩とそんなに? 」

「節操なし? 」

「えぇ…… たまたま意見が被っただけですよ 」

「全くだ、選ぶ権利がある。それに私は、緋夏オンリー 」

「だそうだ 」


久野さん? それカミングアウトしてません? 大丈夫ですか。


「お兄さん、やりましょう! 」

「お前だって、サボれなくなるのは嫌だろ? 」

「アンタが提案したんだし、験を担ぎなさい 」

「たしかに、言い出したのは…… 」


「験を落とす、原因になるかもっすよ? 」


「大丈夫です! 」

「大丈夫だよ 」

「大丈夫だから、早くしないさいよ 」

「大丈夫です…… たぶん 」


「どうすりゃいい 」


「こっち来て、一緒に立ってください 」


「こうか? 」


「オッケーです! みんな、もう一度やりましょう 」



やったことは、ただ扉の前に立って、手を合わせただけ…… ここは神社か! そんなツッコミを入れたいよ。


まさかこんな学生らしい? かは、わからないけど…… 誰かと何かを祈る、しかも部活存続の為とか…… 変わりすぎだよ、俺の周辺…… いや、俺そのものだ。


いいや、変わってないぞ! だって俺の願ったことはーーーー



サボれなくなるのは辛いし、マンガ読めなくなるのも嫌だし、何より積みゲーを片付けられない…… 俺がここで、働らくモチベーションに繋がるから、まぁ…… この子らの願い半分、俺の願い半分くらいの結果をください。


半々って…… やっぱりチョロインだな、俺は。




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