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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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67話 関係ないですから



三章 六十七話 「関係ないですから 」



女将さんの話しが終わった後、寮に戻ってすぐ寝てしまった。



ーーーー 朝になる


「うーん…… また仕事か…… いや、あっちの仕事に行くのか 」


どうにも、旅館での生活に慣れているので6時には目が覚めてしまう。偉いって、褒めてやりたいけど今している仕事には、8時半程度につけばいいから若干早いんだよな。


「することないから、二度寝するか…… 」


今度、女将さんに朝の風呂掃除は続けますって言おうかな…… そんな仕事厨になって、どうんすだよ俺は。



ーーーー 1時間くらい寝てただろうか、ドアをノックする音で再度目が覚める


「誰だよ…… 新聞なんざ、とってないのに 」


この時間に来る人なんて、俺の知り合いにはいない。もしかして、新手の勧誘とか? やめてよね俺は、チョロインの可能性があるから断れないかもしれない。


ドアを開けると、勧誘ではなく…… 苦労へと誘う少女が待ってた。


「え、お嬢さん? どうしたんです 」


「おはよ、アンタ今日も行くんでしょ? 」


「あぁ、おはようございます。そうっすね、行かなきゃ、この寮にいられないかもですし 」


女将さん、言ってたもんな〜 タダ飯食らいはいらないって…… その場合、旅館職に復帰させてもらえんかな。


「そう…… 女将から事情は聞いて、それなりに理解したよ。だからさ…… ごめんなさい! 」


「え…… え、あ…… ど、どうしたんすか!? 」


急に頭を下げられた…… なんで? ホントにわからない。目の前の子は、少なくとも俺に朝から謝罪をする子ではない。


「謝るしかないじゃん…… 私を心配して、嫌がるアンタを説得したって聞いた。私は大丈夫だからって、何度も言ったよ…… でも、これ以上身内に何かあると考えるのが、辛いって言われた。それを聞いて、気持ちを知って、私は黙ったの…… 」


そうか…… 俺はいつものお嬢さんしか見てないから、気づかなかった…… いや、失念してた。


この子には、両親がいない。女将さんが心配しすぎるのも、至極当然の話しだった…… 俺は鈍いんだな、そういうのには。


そういえば、亡くなった? んだっけ…… 理由を聞いたことがないな。聞けるわけねぇか、高校生の子に…… いつか、教えてくれるまではな。


「はは、女将さんが何言ったか知らないですけど…… これは俺が決めたコトなんで、お嬢さんは関係してないっすよ、俺の意思に 」


「嘘、だってアンタ言ってたもん…… 俺だって、したくてしてるわけじゃないって、帰ったら女将に聞いてくれって 」


言ってたかもしれん…… まさかこんなところで、言ったことを取り消したくなるとはな。本心は変わらず、今すぐ辞めたいけど…… それは言っちゃダメかな。


「あれは…… そう! あの場での、雰囲気が微妙だったんで、なんとか切り抜けようと、いい加減なこと言ってただけです。女将さんが心配してるっていうのは本当ですけど、だからって俺には関係ないですから 」


「ひどくない? それ 」


「ひどいっすね…… でも、嘘はつけないっす 」


「最低…… 」


「言われ慣れてますよ。さて、お嬢さんも支度を整えて学校に行ってください 」


「もう出るだけよ、アンタもそろそろじゃない? 一緒に行くわよ 」


「いや…… 無理…… いや、なんで一緒に行くんすか 」


やだよ一緒なんて、俺は仕事する前は静かに精神統一的なことをしたい。それに、恥ずかしいよ…… 学校の子達に見られるのは〜 ちょっと〜 ね。


「いや無理いやって…… そんなに、嫌いですか、そうですか…… 生きるのも嫌になった? 」


どうしたら、そんな恐ろしいシメを演出できるんすか…… やっぱり、血は争えないってことか。


「嫌だなぁ、行くに決まってるじゃないですかぁ。支度をするのでちょっとお待ちを 」


「支度? 何しても、カッコ悪いんだからいらないでしょ 」


この子は…… ほんとにもう!


「そりゃ知ってるんすけど、一応は学校の職員らしいんで、あんまし汚いとダメかなと 」


「たしかに、そのままだとアンタが勤めてるのを知らない生徒が、通報してもおかしくないわね 」


「そんなひどいっすか? 」


「だって、いつものカッコじゃない 」


そうか…… 俺自体がアウトってことになりますよ、その言い方だと。


「いつも以上にキレがあって、何よりっす 」


「そう? じゃ、待ってる 」




支度を整えて、バス停まで向かう


「今日は松柴さんと一緒じゃないんすか? 」


「何よ、初絵がいないと興奮しないと? 」


それだと、俺は松柴さんに年がら年中発情してることになるのでは。


「いつも、一緒に登校してるのかなって 」


「違うわよ、基本は一緒。でも、初絵は下の子達の面倒見てから来るの、だから来ない時もあるよ。」


「そういえば、いましたね。てことは、今日はお休みですか? 」


「それも不正解。下の子達を送って、その途中にバス停があるの、だから後で私達が乗るバスに初絵も乗るはず 」


「なるへそ 」


松柴さんは、下の子達と接してる時はどんな風に接してんだろ? 普段とは違うのかな。子守をしてる姿か…… 気になる。これは単なる興味として。


「さっきの話しなんだけど…… 」


「はい 」


「最後にもう一度だけ、ごめんね 」


「だから違うので、気にすると損ですよ 」


「それでも、私は守ってくれる人には気を使うからさ 」


「それも違います。警備対象は、あの学校の生徒達っすよ、お嬢さんを特別扱いはしましぇぇん 」


「あはは…… 本当に、キルしたくなるからやめて〜 」


「それは勘弁してください 」


いつものことだけど、怖いからやめて! それからキルって、ゲーム部に毒されましたね。


「よろしくね、警備員さん 」


「2年もしないで辞めますけどね 」


「その後は、よろしくね仲居さん 」


「そっちは、定年まで勤めたいっす 」




ーーーー その後は、バスに乗り学校に向かう。途中で、お嬢さんの言った通りに松柴さんも合流した。


「ついたっすね 」


「アンタはまたゲーム部に行くの? 」


「行く場所ないし、それに…… 」


「それに? 」


「見てください、コレ! 俺の積みゲー 達っす。コレをあそこに置いて、できなかった分を消化していく…… なんて理想的な 」


持って来た、30本くらいのゲームをお披露目する…… なんて、警備員だよ。


「どんだけ持って来てんのよ…… 」

「宮田さん…… こんなに、できるんですか? 」


「時間と体力が残る、この期間中に全部片します! 約2年も、時間あるんすから余裕っすよ 」


「一切仕事する気なしか! 」


「大丈夫ですって、俺の数倍頼りになるタブレット先輩が、緊急時は呼んてくれるんで 」


「頼りになる警備員なことで 」

「給料泥棒…… ク…… どうなんだろね…… 」

「初絵…… いっそクズって言った方が、楽よ 」

「違っ…… 別にクズ…… ゲ …… ダメかなって 」


ホントそうよ、しかも二回目…… ゲスも追加しようとしてたよね…… ゲーム部の奴ら、短い間に良いのか悪いのか、分からん変化をさせやがって。


「ま、まぁ心配しないでください。とにかく、行きますか 」


「ごまかしたな 」

「うん、ごまかした 」


「すいません…… すいません 」


「なんだい…… 生徒達には、柔らかな態度をとるじゃないか 」


急に声をかけられたと思ったら、またあんたかよ。


「お、おはようございます! 」

「おはよう…… ございます 」


お、お嬢さんが動揺? してる? ビックリしてるな。 松柴も少し驚いてるな、当たり前か…… だって。


「…… 」


「あぁ、おはよう。君は挨拶しないのかい? 」


「…… 」



幼稚だと思う…… でも、反抗したくなっちゃうんだよね。この校長相手だと。


でも、ニコニコしながら無視してるから愛想はいい…… はずだよな。



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