60話 病欠って、できるかな?
三章 六十話 「病欠って、できるかな? 」
お嬢さんが、部活の先輩達とゲームしてる。なんかいつも見てるお嬢さんと、違う感じが…… するようなしないような
「君は行かなくていいのか。」
「私はFPS苦手なんだよ。緋夏に任せておけば大丈夫だ。」
「そもそも、大会って何ぞ? 」
全く知らなかったんですけどぉ
「なに? アンタってゲームやってるわりには、そういうの知らないんだ。」
「知らなかったです。お嬢さん、プレイ中によそ見はアウトですよ〜 」
「その通りです! 郷橋さん、ちゃんと集中してください! 」
「す、すいません…… 」
冗談で言ったつもりなんだけど、そんな真面目にやるとはな……
「んで、大会って何ぞ? 」
「大会って言っても、ここ2年くらいに始まるようになった小規模な大会だよ。5人までのチームで、サバゲー みたいにFPSをプレイするって感じ。」
「サバゲー? キル数を競うとか? 」
「大体はそんな感じだ。でも、サバゲーを模してるから一回死ぬとリスポーンできない。5人全員がくたばるとその時点で終わり。」
「へぇ、楽しそうじゃんか。そんで今、練習してるってわけね。」
「そうですよ! 郷橋さんはレース系の腕は、ずば抜けてますけど、それ以外はまだまだ初心者ですから。」
「知ってる知ってる、レース系だと勝てないよな。一緒にやると、3位か4位が多かった…… 」
「おい待て、てことはお前はNPCにも負けてるじゃないかよ…… 」
それは内緒よ、嬢ちゃん♡
「仕方ないんだ、運要素絡んでるでしょ? あのゲーム。俺だけのせいじゃありませんねぇ。」
「運要素とかねぇだろ、マリ○ー でお前が負けるのは、単にアイテムの使い方が下手とか、ドリフトが下手とか色々考えられる。負け惜しみ乙。」
「へいへい、すんまそん。今度やる時には、華麗なドリフトを練習しておく。」
そんで言ってやるよ、2位乙でーす! ってな…… ガキか俺は……
「その前に、まずはスタートダッシュの練習しとけ、どうせ爆発ばっかりしてるんだろ? 」
こいつ…… なんで知ってんの? 超能力? もしそうなら、信じちゃうよ
「なんで爆発スタートしてるって、わかった? 」
「そんな顔してるんだよ。」
「え〜 …… 」
顔でわかるのかよ…… じゃあもう無理だな。整形に手出すしかないじゃんか
「そういえば、松柴さんがゲームしてるの…… 初めて見たかも、すごい集中してるな。」
「松柴はどのジャンルも結構上手くてな、期待のエースだよ。それに、根が真面目な考えしてるのか、ちゃんと言ったことを守ろうとする。」
「それは知ってる、お嬢さん以外とも上手くコミュニケーションが取れるようになったんだな。」
「そうだな…… 最初は、ここでも緊張のせいか声が小さかったりしたけど、今じゃ全然だ。」
「馴染みやすそうだもんな、君らってさ。」
「お前もな〜 」
「はっは、どうも。」
それが良いのかと言われると、ダメな気もするが
「アンタは初絵の親か! 」
「宮田…… さん…… 聞こえてます。」
聞こえてたよね、そりゃあ…… また恥ずかしくなってきた……
「二人とも集中! 」
「「は、はい! 」」
「鬼コーチだな。」
「楽しくがモットーですけど、やるからには勝ちに行きますので! 」
そこで、嫌そうな感じだったらわかるけど…… お嬢さんも松柴さんも、楽しそうだから文句ないな
「大会っていつなの? 」
「6月の23だ。そんでその5日後に体育祭もあるから、超ハードスケジュール。」
「おいおい、23って3週間くらいしかないじゃんか…… ていうか、体育祭? 」
そういえば、ここに初めて来た時に聞いたかもしれないな。あの時は、ドキッ♡ 水着だらけの体育祭でも行かないって、思ってたな〜 …… な〜
「体育祭は毎年やってる。その時くらいは、ちゃんと仕事しろよ? 」
「病欠って、できるかな? 」
「お前は子供か…… 大丈夫だ、毎年何も起きないから。ただ今年は、この前…… この学校で騒ぎがあってな、それで生徒たちが少し不安がってんの、お前みたいのでもいれば少し違うだろ。」
「全然変わらないと思うわ。その騒ぎの時って…… おたくら何してたの? 」
今までの流れだと、おそらくは見てないはず
「あの時は…… たしか、緋夏と一緒に保健室にいたから全然知らないんだ。」
「そう…… ですね。あの時は、ちゃんぽんを恨みましたよ。」
良かった〜 見てたら、また説明すんのダリィって思ってたからな…… つーか
「ちゃんぽん? 」
「はい…… 前の日に食べた夕食で…… お野菜が傷んでたみたいなんですよ。」
「…… そ、そうか…… そりゃドンマイだ。」
腹の調子が悪かったのか
「そんな状況で、外のことなんかいちいち気にしてられなかった。」
「お前はその子の姉ちゃんかよ。」
「できれば、それ以上…… 」
んっん〜? 今日は聞かないことに、するのが多すぎますね。今のボリュームなら、聞こえなかったよな? あの子に
「そっか…… よし、決めた。俺は体育祭当日に腹を壊す、だからそのちゃんぽん持って来い。」
「どんだけ嫌なんだよ…… 」
「私の家のちゃんぽんが、毒物みたいな扱いするのをやめてください! 美味しいんですから、普段は。あの日のは、ちょっとケチって放置してた野菜を使ったのが、アウトだったんです! 」
「聞くんじゃなかった…… 体育祭とか、何すんの? どうせ追いかけっこして終わりだろ。」
そんで、その後に踊るとかじゃないの?
「追いかけっこって…… 結構、盛り上がるんだぞ? 父兄参加の種目とか、部活対抗騎馬リレーとか。」
「父兄参加の種目はわかるけど、騎馬リレー? 」
聞くだけで、危なそうなんだけど……
「騎馬戦…… のハチマキを取らないで、背負ってリレー するだけ。」
「単純だな…… この部なら、有利じゃんか。」
「なんでだよ? 」
「だって松柴さん以外全員…… フッ、なんでもない。」
凹凸の少ない身体じゃん。しかも、さくらもりとやらは、全体的に小さい
「よーし、後でもう一度勝てない現実を教えてやる。今度は鉄○だ、それでその後にリアル鉄拳だ。」
「アンタ今の聞こえたから、寮に帰るのが楽しみね…… これが最後の、外になるわよ。」
「宮田さん…… ほんとゲス…… じゃなくて、デリカシーないです。」
ん〜 …… そこまで言ったなら、もうゲスって言っちゃいなさい
「私は、このボデー に自信を持ってます! 案外便利ですよ〜 色々と子供料金で…… 悲しくなります。」
「やるなら、バレないようにしろよ。またはバレる前にやめとけ。」
「し、してませんから! …… たぶん。」
「たぶん…… か。最後に真実を明らかにするのは、潔い良いぞ。」
「もう確信してますね…… そうだ! お兄さんも、一緒に参加してくださいよ! 騎馬リレー。」
何言ってんの、このおっチビちゃんは
「アホか、出るわけない。出たくない。行くわけない。診断書付きで休む。」
「診断書付きで休むのかよ…… 」
「俺をナメるなよ、その気になれば医者が心配するほどの顔色で病院に行って、入院しますか? って言わせるほどの演技ができるぞ。」
「それは逆にすごくないか? 」
「だろ? 大人になると、どう休みを取るか…… 色々とスキルが上がっていくのさ。」
世のサラリーマンだって、きっと同じだ
「出ましょ! お兄さん! 」
「絶対嫌だ。だいたい今日会ったばかりなのに、よくそんなこと言えるよ。」
「それは今さらすぎ。」
「ほんと今さらすぎです! 」
「今さら何言ってんの? アンタ。」
「今さら…… です。」
「こ、これも…… 大人のコミュニケーションスキルだ…… だが出ないぞ。」
いきなり無茶振りをされた。だけど、この子達の言う通り今さらだな…… 話題を変える作戦を実行するか
「そもそも警備員だよ? 俺は、特定の部活に肩入れするのは…… ね? 」
「はいまた今さら〜 」
「同じく今さら〜 」
「先輩に習って、今さら〜 」
「友達の真似します…… い、今さら〜 」
仲良いね〜 君たち。俺も真似するか、この流行に!
「ほんと今さら〜 (オネェ風) 」
「…… 」
「…… 」
「はぁ…… 」
「…… 」
ちくしょー!!!
「悪かったなキモくて…… でも許せ、デフォルトだから。」
「よくわかったなキモいって…… 」
「見りゃわかるわ…… つーかよ、そもそも俺がそのリレーに参加できるわけがないだろ。」
「なんでです? 」
「そりゃあ…… 警備員だから? 」
「大丈夫だと思いますよ? 」
「だな、私もそう思う。」
「なんでだよ。」
「だってあのおじさんも参加してますし、それにそのタブレットがあれば大丈夫なのでは? 」
田嶋さん…… 参加してたのか……
「それでも嫌だ、あのツン・ドラ娘が何か言いそう。参加する気もゼロだし…… 」
「ツン、ドラ娘? 」
「ツンデレでは? 」
「私のこと言ってんなら、今すぐコミュニケーションの取り方を修正してあげる…… 色々とね? 」
「誰…… のことです? 」
「お嬢さんじゃないですよ。どんな修正する気ですか…… ほら、あの〜 会長さんとか…… ね? 」
あの子はいろんな意味で厄介だからなぁ
「あぁ…… 九路院か…… 」
「あはは…… なるほど…… 」
「くじ? 」
「生徒会長だよ、みーちゃん…… 」
院って字が入ってる苗字だと? 益々、あのキャラに納得だわぁ。全国の院が付く人は例外でな
「くじいん、どんな字だ? 」
「数字の九に帰路につくの路、そんで病院の院だ。あいつはたしかに、めんどいわな。」
「訳あり? 聞かない方が良い系? 」
「訳ありじゃないけど、だいぶ前から目の敵にされてるよ。」
「何かしたわけじゃないですよ! ただ、在り方の違い? みたいな…… 」
「あ〜 …… なるほどなぁ。」
あの会長さんなら、この部に対して…… いや、他の部活でも必要性を感じない、価値がないと思ったものにはすぐ態度に出しそうだ
「なんであいつが出てくんだよ? 」
「止むに止まれずの成り行きだ。」
俺がここにいる理由を、お作りになったうちの一つだ。あの校長の孫ってだけでも、めんどいのに
「何? また、ちょっかいでもだした? 」
「お嬢さん、まるで俺が口説いてるみたいな言い方はやめてください。その辺りも、女将さんから事情を聞けばわかると思いますよ…… あと、集中しないとダメでは? 」
「あっ、そうです! 二人とも集中してください! 」
「は、はい! 覚えてろ…… 」
いやだなぁ…… 覚えてろって、仕返しする気満々じゃないっすか
「それが理由なら、大丈夫です。私がなんとか、掛け合ってみるので…… 一緒にしませんか? リレー 。」
「さっきも言ったろ、理由はそれだけじゃない。一番の理由は…… 俺が、出たくないからだ。」
「なら…… 私達と一緒に、今度のゲーム大会に参加してください! 」
は? うんうん…… は?
一言だけ言わせくれ…… 脈絡がなさすぎだ




