59話 動揺しすぎだろ……
三章 59話 「動揺しすぎだろ…… 」
はは〜 うっかりキャラは女将さんには似合わないよ…… 学校警備する前に、自分自身を警備しないと
「なに、してんの? 」
「み、宮田さん…… どうして学校に? 」
「郷橋さんと松柴さんの、お知り合いなんですか? 」
「はい? 」
「ひっ!しゃ、しゃと橋さん…… 顔が怖いです。」
噛むよな…… だがわかるよ、俺もそうだった。でもだからって俺の後ろに来るな!
「ちょ、何して…… 」
「だって、怖くて…… 」
先輩だろう? ていうか、お嬢さん何であんな顔するんすか!? 女将さん顔負けよ、顔だけに…… 寒ッ
「そんな親しくなってんの? そもそも、何であんたいるの? 」
親しくって、どんな風に見えてるんすか!?
「ですよね…… はぁはぁ、俺は…… 仕事を! 」
動悸が…… 言葉も何を言っていいか、全然整理できない!
「仕事? へぇ…… いつから、学校で女と仲良くなるのが仕事になったの? 私の知らない間に、経営方針変わったかしら。」
「はぁはぁ、違っ…… これは…… なんだっけ? 」
俺のバカー! なんだっけって、何だよぅ
「とうとう本当に、ボケが来たの? だったら今すぐ病院行かなきゃ…… 何なら、物理的に行く理由を与えてあげようか? 」
「さすが、みーちゃん…… じゃなくて宮田さん、何でここにいるのか話せばいいんです。」
「え…… あぁ、そうですよね。えっと…… はは、まぁね! そういうことですよ! 」
「まぁね? そういうこと? 何が? 」
ごめんなさい松柴さん! 今なんか、呂律も思考もおかしくなってます……
「さ、郷橋さ〜ん…… とりあえずゲームしましょう! それで解決できます! 」
何が解決すんの!? でも、それで一旦落ち着けるなら……
「いや、いやいや…… この流れでそれはないですよね? 先輩…… 」
「ですよね〜 」
ですよね〜 俺もそう思う
「宮田さん、落ち着いて説明すればーー 」
部室の扉がまた開いた
「終わった〜 あれ、もうみんな集まってるのか…… どした、この状況は? うぉ! 顔怖…… 」
「あっ、珠希! 丁度良かった、私とお兄さんじゃ話しにならないので説明してあげてください! 」
「俺からも、お願いします…… 」
自分で説明するのが、お嬢さん相手には難航しそうだ。やっぱり、纏ってる覇気が!
「あ? あぁ、あんたが来た経緯を説明すればいいのか? 」
「ですです! 」
「お願いします。」
「なんで当人が説明できないのよ…… 」
「みーちゃん、とりあえず顔怖い。」
「先輩すいません、あそこのバカ! じゃ話しにならないので、説明をお願いします。」
「あ、あぁ…… まず今日の昼休みくらいにーー 」
ーーーー 頼りになる先輩ちゃんが、説明してくれた。つか、さっきの俺…… 動揺しすぎだろ。やっぱり俺は、急なアドリブに弱い
「どうだ、理解はできたか? 」
「はぁ…… とりあえずはしました。」
「宮田さんが、警備員? 」
「そういえば、郷橋さんと松柴さんはこの方とお知り合いなんですか? とても、近しいような感じがするので。」
「はい…… 一応、旅館の従業員です。たった今、謀叛されて警備員に就職したみたいですけど! 」
それはシャレにならないよ、お嬢さん!
「それは勘弁です。これは…… はぁ、俺から言ってもややこしいんで、女将さんに聞いてください。」
「え!? 郷橋さんのって…… 旅館の人ですか? 」
「何、あんた警備員はやっぱり自称だったのか? 」
「誰が自称なんぞするか、本当にクソ面倒な話しなんだ…… 説明するのも、腹立つくらいにな〜 」
おたくらの校長さんが、女将さんを籠絡しちゃったせいなんだよ…… 婆婆百合なんて見たくねぇ
「わかったわ…… 帰ったら、女将に聞く。でも、なんでこの部よ…… 」
「みーちゃんに会いに来たんですか? 」
「いや全然違うっすよ、お嬢さんが話してくれるおかげで、唯一この学校で知ってる? 場所だからですかね。」
「だからってなんで…… まぁいいわ。仕事はどうすんのよ、まさかここでも惚け魔してるの? 」
まだ生きてんの、そのネタ…… いいかげん忘れてくださいよぉ
「惚け魔どころか、ここではサボることしか考えてないです。」
「あ、あんたね…… 」
「宮田さん…… クズい。」
「これからはアンタから、お前に格下げだな。」
「給料泥棒、ここに現る! 」
みなさん、最高にクールだぜ! あと松柴さん…… やっぱりちょっとSなんじゃ……
「いいですよ〜 給料泥棒の自覚はあるんで…… でも、そのあだ名はここにいる時だけにしてくださいね。」
「認めるのかい! 」
「仕方ないっすよ、やる気とか皆無なんで本当に…… だから甘んじて、その汚名は受け取ります。」
「なんか私達と会話する時とは、喋り方が違うんですね…… 宮田さん? でしたっけ。」
「そりゃ…… ずっと、こんな感じだったんだ。今さら変えるのは無理なの。」
あと恐怖と忠誠心により、最近はさらに敬語に磨きをかけようと思ってたくらい
「なら、私達の方が親近感ありますね! 」
「どこかだよ、別にそんな変わらないだろ。」
「たしかに…… 先輩の言う通りかも、ちょっと私にもその感じで喋ってみてよ。」
なん…… だと
「え…… お嬢さん、何言ってるんです? あんまし変わらない気がーー 」
「いいから! 」
「…… げ、元気? 」
何言ってんだよ、俺は
「はぁ…… まぁ無理か、無茶振りだったわね。」
「元気って…… 宮田さん大丈夫ですか? 」
松柴さーん、部活で人見知りが治ってきたの? ちょっとあの頃が、恋しいよ
誤解? は解けたのかな…… そもそも誤解があることがおかしかったんだ。
「それにしても、宮田さんはすごいんですよ! 珠希にガン○ムで勝ったんですよ! 」
「え!? 久野先輩が負けたんですか…… あんた、どこで本気出してんのよ。」
「そうでもぉないですよぉ? たまたま? 勝てたんすよ。まぁ、中々白熱した試合ーー 」
「トータルでは一回だけ、他全てにおいては圧勝。」
言うなよ…… 思い出すと、泣けてくるんだよ
「でも、すごいですよね…… 久野先輩に勝てるなんて。」
「私も驚きましたよ、その後に私ともシューティング系やったんですけど…… 圧勝しちゃいました! 」
「あれは勝負じゃなかったな、リスポーンと即死のサンドバックだった。」
あんなに差があるとは、思ってなかった。FPSはそこそこできると思ってたんだけどな…… ソロ専と、ガチマッチ勢の差を知った
「なんだか、すごい満喫してるわね。楽しそうじゃない…… 」
「そうっすね、これでさっさとクビになったら諸々の事情に片がつくんですけど…… 」
「そうじゃないわよ、楽しそうねってこと。」
「それ、何か違うんすか? 」
そんなことはない、ちょっと前に顔面握力測定をやられて、盗撮疑惑までかけられたんすよ?
「楽しかったんですか? お兄さん! 」
「なんだよ、お兄さんって…… ちっとも萌えないからやめて。」
「またまたヒドイ…… だって、珠希がお前、郷橋さんがアンタ、松柴さんが宮田さん、松柴さんと被るじゃないですか呼び方。」
「宮田さんでいいだろ、被ることのどこがーー 」
「お兄さん! よろしくお願いします! 」
ほんっっっとに、聞かないガキンチョだ
「なら、もっと妹らしくしろ。お兄ちゃんだな! 」
「アンタは真性のロリコンになったのね…… おめでとう。あとで通報するから。」
「宮田さん…… 引くを通り越して、ドン引きです。」
「お前、緋夏の属性わかってるな…… でも、許さないぞ! 私の役得なんだよ、それは。」
「お兄ちゃんはちょっと…… まだ、好感度上げが足りてません。」
うん今のは、自分でもないと思う。勉強になるなぁ、たった一つの言葉がここまで辛辣に返ってくるとは…… それから通報って、お嬢さん……
「今の冗談です。お兄さんでどうぞ、そんなに若く見られて嬉しいです。」
「おいくつなんですか? 」
「いくつに見える? 」
「溜めるな、サンジュ…… 22だろ。」
「お嬢さん? ワザとって、信じてますよ。」
本気だったら、エステ行きます。でも30なら、じつは許容範囲ってのは内緒だ。たまにオッサン? って言われる
「22なら若くないですか? 」
「そーお? なんかそうは、思えないんだよね…… 特にここに来てからは、若さを目の当たりにしてる感じがするよ。」
「いや、充分お前も若いぞ。」
「どうも、にしても女子高生にお前呼ばわりされるとはな…… まぁ良いけど。」
この嫌味をどうとる! 改善して、さん付けで呼ぶか? それともさらに、ひどくなるか? 大人に対しての礼儀をーー
「な、なんだよ…… 気に障ったか? 」
えぇ…… しおらしくなるのは、セコイ!
「ちげーよ、今のはネタだネタ! 別に良いよ好きに呼んで、なんかホントに学生の気分になるかもしれないからな。」
「そっか…… なら、遠慮なく。お前は学生になる前に、警備員になれよ。」
「警備員にはなってるだろうが…… 」
「自称な。」
「これでも自称扱いかよ、もう降参だ。」
この学校の生徒って、ホント人の話しを聞かない子が多いよ。さすが、あの校長が仕切ってるだけある
「なんだか…… ずいぶん先輩達と、仲良くない? 」
「みーちゃんの嫉妬は珍しいかも…… 」
「はぁ!? 嫉妬じゃありません〜 いつ裁判になるか、心配なだけですぅ! 」
「仲良くは…… ないと思うっすよ。なぁ? 」
あと、裁判ってどう意味? 怖いからやめてね
「仲良くなりました! 」
「まぁ話しやすいよな。」
「ほら…… 早速裁判になるわよ。女子高生を、誑かしたって。」
「マジで違います。でもまぁ、ここまでゲームに熱くなる子達なんで、多少は気が合いますね。」
「普段なら、そんなこと言わないのに…… 」
お嬢さん? どうしたのよ、俺…… なんかマズイことしたかな…… それとも反抗期?
「そう…… ですか? 」
「そうよ…… 」
「ま、まぁ! とにかく二人も来ましたし、そろそろ遊びましょう! 大会も近いんですから。」
た、大会!? なんの話し?
「はぁ…… たしかにこんな謀叛で、給料泥棒で、ロリコンに構ってる時間はないですね。」
ちょっと? その三拍子は、おかしくない? 謀叛とロリコンは違うぞ
それにしても、初耳だ。大会ってなにぞ? お嬢さんも松柴さんも、何も言ってなかった…… 寂しいぞ
さっきのお嬢さんの態度って、学校にお父さんが来てそれを嫌がる娘みたいな感じかな?
それなら、わかる。だって俺もこんなのが、親父だって来たら、反抗したくなるよ




