57話 聞いてなかったの!?
三章 五十七話 「 聞いてなかったの!? 」
これはラッキーなのか? 会うことはないと、思っていた子に文句を言える機会が訪れた
「えっと…… あははは…… 」
「ハハ…… 」
「なんだよ、この空気。」
「あの、またお会いできるとは! 」
ああ、ホントだよ
「だね…… 君も相変わらずで。」
そんなによくは、知らんけど
「まさか…… ホントにナンパをしに!? 」
「そうか、その突拍子の無さのせいか…… ガキンチョ! 」
「は、はい! 」
「おたく様が、エライ誤解をウチのに吹き込んでくれたおかげで、クソ怖い目に遭いました! まる。」
「ご、誤解? はて…… あっ。」
「ご理解頂けましたか? 」
「なんの話しだ? ていうか、やっぱり知り合い? 」
「えっと…… 知り合いというか、なんというか…… とりあえず、ごめんなさい! 」
くそ、素直に謝ってきやがった…… もっと、グチグチ文句を言ってやりたかったけど
「やけに素直だな、まぁいいよもう。」
「なんだよ〜 緋夏、教えてくれよ。」
「あはは、それはーー 」
ーーーー 思い出したくなかったが、あぐら娘に説明してるのを聞いて、記憶が蘇ってくる…… メンドかったなあの時は
「なるほど…… こいつが言ってたやつか…… オラ! 」
!!??
「ふぐっ!? 」
思いっきり、口元を掴まれた! 痛い痛い、怖い怖い
「ンー !! ンー !! 」
「珠希!? 」
「お前、ナンパはダメだろう? いくら緋夏が可愛くて、愛おしくても順序があるだろう? 」
聞いてなかったの!? さっきその、ひなさんが説明してませんでした?
「珠希、だからそれは…… 誤解なんですよね? 」
お前もかー!! なんで疑問系になってんの? バカなの? …… そんでもって、バカなの?
「ンー! ンン…… ンン! 」
首を横に振るが、効果はあるか?
「ほう、やっぱりそうなのか? 」
何がやっぱりなの!? な、何が聞こえたの?
「ンー! ンっ、ンっ! 」
とりあえず手を離してくれと、伝えてみる
「まぁ、一旦離しましょう珠希。話しを聞かないと、理由も聞けませんし。」
なんの理由? 君をげんこつする理由ならあるよ
「はぁ…… あぁったよ。」
話してくれた…… お嬢さん並みに、怖かった。やめてよ、これ以上恐怖させないでくれよ。だが一番の感想は…… 力強っ!
「はぁはぁ…… 話しも…… はぁはぁ、くそも…… 誤解だよね? 」
「ナンパはどう説明する? 」
「え、そのナンパ自体がなんなの? って話しだ。俺はただ、道を教えてもらっただけ! そうだよね?君。」
「でもその後に次会う時は10周しておくって、言ってました! あれは、また会いたいって意味だと。」
なんて、曲解能力……
「全然違うわ、負けず嫌いだからそう言っただけ。」
ホントは、何も考えてなかったが
「あれ、そういえば私は誤解だってわかってたはず! なのにどうして…… 」
「なんで珠希が誤解だと知ってるんです? 」
「だって前、郷橋とその話ししたろ? そんであいつらが帰った後、聞いたじゃん。ほんとは誤解だろ? って。」
「あっ…… 」
おいおい、おいおい! そりゃないわ。話し聞いてると、たまき? さんは冷静なタイプなんじゃないの?
「なんで誤解だろ? って諭したやつが、さらに誤解をヒートアップさせることを? 」
「その…… なんだ、可愛い心配でな。話しに出たやつが、目の前にいたからつい我を忘れた。」
そんなんで、会ったばかりの人間にあんなことできるのか…… この子も危険属性だ。あと、可愛い心配ってなんだよ
「えへへ、可愛いですか。」
そんでお前は、そこで嬉しそうにするな! こっちは、女子高生の前で泣き叫ぶところでした!
「誤解は解けたと、思っていいですか? 」
「一応、な。」
「オッケー です! 」
とんでもない誤解を再度受け、さらに再度精神的に追い詰められるとはな
「それで、二人は何を? 」
「ゲーム。」
「対戦。」
「もしかして、珠希とお付き合いしてたんですか? ゴクっ。」
こいつ…… さっきのやりとりでこれか、危険属性とかじゃなくて、ただ危険!
「あのなぁ、年中頭の中でお花満開するのは結構だけど、それを口にするのは控えろ。」
「私だって、選ぶ権利があるし…… 緋夏がいるし。」
ちょっと、最後のは聞かなかったことにしよう。それから、こっちにだって選ぶ権利ありますぅ!
「むむむ、ならどういう経緯だと? 」
「とりあえずの説明はするよ。」
「俺はこの子に説明って行為自体が、怖いから君に任せるわ。」
「はいよ。」
「どういう意味ですか!? 説明が怖いって…… 」
まんまの意味だよ
ーーーー とりあえずの説明はしてくれた
「なるほど、まさか警備員さんになるとは…… その為だったんですか、この間来たのは。」
「違う、あの時言ったろ? 俺は忘れ物を届けに来ただけだって。今のこの状況は、どうしようもない逆らえない事象だと諦めてここにいる。」
誰がなりたくてなるか、二度と来ないと思ってたくらいだぞ
「そんで遊んでたってわけ。」
「珠希は強かったでしょ? 」
「めちゃくちゃ強かった、結局何戦もやったけど…… 勝てたのは一回だけだ。」
正直、ガン○ムだから勝てたのかもしれない。鉄○とかじゃ絶対無理だ
「勝て…… た? 珠希にですかか? 」
「え? 一回だけな。」
「一回だけ負けたよ。」
「凄い…… 凄いですよ! 珠希に格ゲーで、勝つなんて…… もしかして、大会常連者? 」
どこでそんな大会やってるのかも知らん。知ってても行かないな、休日は部屋ゴロが一番だ
「そこまでガチ勢じゃない、でもやり込んでる自信はあった。」
「たしかに、大会に参加するやつの立ち回りじゃなかった。ゲージは気にしない、体力管理もしない、ガードしない、負けたのが信じられないよ。」
そこまでひどかったのか…… 今度勉強しよ
「ならなんで勝てたんですか? 」
「オールレンジ…… つまり、ドラグー○とかファンネ○とか使える機体に乗せたら、かなり強いんだよ。立ち回りは変わらないけど、サブで気をとられてる間に接近に持ち込まれてな。」
「まぁ、それ以外全敗だからな…… こっちからすると、なんでどのキャラ、どの機体でもあんなに上手く扱えるのかが不思議だ。」
「珠希から、一勝…… なんだか私も早くゲームしたくなりました! 遊びませんか、一諸に! 」
「いいけど、授業は? 」
「何言ってるんです? 今、お昼休みに入ったんですよ。私は5、6限ないので、このままぶっ通しでいけます! 」
「私は6限に参加するから、一旦後で抜ける。」
お昼休みかだったか〜 学校なんて、馴染みがないから全然感覚がわからん
「よっし、何する? 」
「私の得意は、シューティングです! 」
「言っとくが、下手じゃないぞ俺は。」
「緋夏、見せてやれ。」
「私は歴戦のソルジャーですから! 」
え…… この子も強い感じ? どうしよ……
ーーーー そこから、また何本か対戦プレイをした。そして、絶望した!(○望先生風)
「え…… なんかまた死んだよ? なんで? 」
「そりゃヘッドですから。」
「あれ…… またリスポーンして、すぐ死んだよ? なんで? 」
「そりゃヘッドですから。」
なんかさっきから、どこにいるのかもわからないまま、何回も撃たれてあの世逝ってるんですけど
「あの、どこから攻撃してるのでしょうか…… 」
「あなたを背後から、いつも狙ってます。」
「すいません。FPSじゃ勝てません…… 」
「お兄さんも、下手じゃないんですよ? ただ対人に慣れないだけで…… ぶふっ! 」
また笑られた! ひどいよこの子達! それでもこの上手さは、カッコいい
「ソロ専なんだよ…… ストーリーしかやらないんですぅ! 」
なんて言い訳だよ、見苦しすぎだろ……
「中にはいますよ、そういうタイプ。私は対人、対人、廃人です。」
廃人はダメだろ…… 女子高生の言葉じゃないぞ
「あんたが、勝てないのはしょうがない。緋夏もファーストパーソンの上位ランカーだし、その界隈じゃ有名人。」
すげー …… 上位ランカーとやらが、二人も同じ部活にいるのかよ
「私も、最初は新兵なんです。お兄さんも訓練を受け、戦場で過ごす度に感覚が磨かれていきます! 」
何言ってんだこの子は? 陸自に応募しなさい、そこまでの兵士なら
「ちなみに、シューティング全般上手いの? 」
「試してみます? 」
「他に何ある? 」
「対戦だけじゃなく、協力もやりましょう! バイ○とかどうですか? 」
よかった〜 これ以上即死ゲーやってたら、二度とFPSに手が出なかったかもな
「俺もよくやるよ、バイ○。」
「決まりです! 」
「私もやりたいから、死んだら交代な〜 」
何か、大事なことを忘れてるような…… あっ!
カップ麺、いつ食べようかな?
それにしても、案外楽しいな。冗談抜きで入り浸る可能性が…… ま、まぁそうなっても? 警備してやればいいんだよな! 校長公認だよね!
だが…… このお花満開娘とは、FPSはしないようにしよう。これだけは絶対勝てる気がしない




