55話 残念だぁ……
三章 五十五話 「残念だぁ…… 」
さてと、何をするのかな……優しく教えてくれないと、バックれるよ? 俺みたいな奴は
「さて、何から教えようかな? 」
「校長から聞いたのですが、タブレット端末で監視するとはどんな感じですか? 」
重要なのは、そのタブレットはグーグル先生とお付き合いできるかどうか、できるなら監視そっちのけで、アニメ情報でも見て時間潰すから
「よし、それから教えましょう! ではでは…… これがその、端末ですよ。」
机の上に置いてあったから、それかなぁとは思ってたけど、やっぱりそれか。普通のタブレットだ
「これですか…… たしかに、校内のカメラの映像が映ってますね。あ、でもさすがにトイレの中まではないですか…… よかった〜 」
ほんんんの、ちょっとだけ残念だぁ
「そりゃダメでしょう…… 、タブレットは電源を入れたらこの画面で固定されてるから、何かあった時や不審なことがあったら、その場所の画面をタッチして詳細を確認してください。」
てことは、グーグル先生にはフラレてると……
「こんな画面を、一日中観てなきゃダメでしょうか? 女の子に飽きちゃいますよ。」
「飽きちゃうって…… そうだな、実はそうでもなくてね。このタブレットの凄いところは、一定以上の声や音をカメラに備わってる機能が感知したら、ブザーが鳴って知らせてくれるんだ。つまり、ずっと眺めてる必要はないよ。」
じゃあ、ずっと観ないかもしれない
「ハイテクっすね…… 一つ気になるんですけど、質問いいですか? 」
「どうぞ! 」
「音に反応する、なら仮になんですけど侵入者? みたいなのが来たらどうなるんですか…… 四六時中、見てるなんてあり得ないと思って。」
「良い質問ですよ! さっき言ってませんでしたが、このタブレットとカメラの連動機能に、さらに優れた機能があるんですよ。」
「まだあるんですか…… 」
おいおい、タブレットさん…… 俺の何倍も仕事熱心じゃないですか
「音以外に動きと精神状態に、反応するんです。動きは、カメラにあらかじめ読み込ませてある挙動、または生徒が出入りしないようなところからの人の反応、そして何か犯罪やそれに関係する行動をとる時に起こる、人間の精神的な変化を感知することもできるんですよ! 」
「え? おぉ…… ちんぷんかんぷんです。挙動って、例えばどうものでしょう。」
「殴る動作、髪を掴んだりする動作、または暴力行為になりそうなものはなんでもと、思って大丈夫です。」
「凄いな…… じゃあ、精神的な変化っていうのは? なんでもかんでも、反応されちゃ叩き割りたくなりません? 」
目覚し時計が良い例だ。俺はしないよ? 常に、あと5分をループさせるけど
「物騒なことは言わないでくれ、精神的な変化っていうのは一定以上、感情が昂ぶるかまたは、悪いことをしている自覚がある緊張だ。」
「自覚のある緊張? 」
「なんか色が違うみたいなんだって、例えば…… イジメ、イジメなんかをする時はその色になるらしいよ。後はさっき言ってた侵入者、仮に入れたとしてもその機能ですぐわかる。昂ぶるは、わかるよね?」
どうせ赤とかでは? イジメは青とか紫?
「じゃあ、イジメがないんすか…… 女子校って、ギスギスしたイメージだったんで…… 」
「そうだね、僕が勤めてから…… 一回? あったけど、すぐ対処したからね。」
え、マジで俺いらなくね? そのタブレットコンビで、完結してますよ
「鉄壁っすね…… しかし、直接的なことには弱いと? だからこの前のようなことがおきたと。」
「不甲斐ない限りだよ…… でも、君が来てくれたから、安心して背中を預けられる! 」
やめてやめて! そんな期待しないで! そのハイテクコンビの半分も仕事できないよ?
「過度な期待は勘弁です。このタブレットを見てるだけで、仕事終わりですか? それならやってけそうです。」
要は、ごろ寝してても起きてれば大丈夫なんだよね? ラク〜 …… でも辞めるけど!
「ははは! ほんとはね、それで終わりなんだけど…… システムが安定してるって分かってから、校庭の整備や校内の植物、それらの世話もするようになったんだ。」
え〜 …… 庭師、雇えよあの校長
「肉体労働バリバリな感じですか…… 」
「あぁ、それは宮田さんは気にしないで良いよ! あれはなんか、やってるウチに変な愛着がわいてさ…… 僕が世話したいんだよ。だから、宮田さんには監視と警備を重点的にお願いしたいかな。」
ラッキーだって思ったけど、なんかモヤモヤするな…… おい、やめろよ? 今思ってることを口にすれば、後悔するかもしれないぞ? …… はぁ
「了解です。でも…… もしよければ、監視に慣れてきたらその庭や植物の世話の仕方も、教えてくれませんか? その…… よければで。」
バカだ…… いやアホか…… 違う、両方だ
「宮田さん…… 良い人だったんですね! ちょっとだけ、ほんとはダメかと思ってしまってたけど…… 優しいですよ! 」
ん〜 …… ダメかとは思ってたのね…… 心当たり多すぎて、ごもっともですが
「いやいや、そんな良い人じゃ…… これで終わりですか? 」
「そうですね、とりあえずは。後は帰宅する前に、一日の報告書を僕と宮田さん、二人分を各自が提出して終わりですね。」
「一応は、把握しました。それにしても、ハイテクって凄いですね。」
仕事の90%を補ってくれてる。残り5%がそのおかげで保たれた日常、残り5%に俺かな
「ほんとですよ、おかげでこの間までは何もなかったんですから。」
「ハハ…… これから、よろしくお願い致します。」
「改めて、こちらこそよろしくお願いします。」
仕事の内容は概ね、理解した。同時にお腹すいたな……
「お昼ってどうすればいいですか、学食とかって、ありましたたっけ? 」
「一階にあるけど…… 生徒いっぱいるよ? 」
「…… それは厄介ですね。」
「やっぱりダメなんだ…… そしたら、職員室にいつも余分にカップ麺を持って来て、それを売ってる先生がいるからその人から買ったら? 」
どういう先生だよ…… カップ麺を売るって
「個性的な先生っすね、そんじゃ探検がてらお昼も食べて来ますよ。タブレットはお借りします、一応はもうスタートしてるんですよね? 」
「よろしく、これが君の分の端末だ。壊さないでね? 」
「そこまで、ドジっ子属性じゃないから大丈夫ですよ。」
「ドジっ子? なんか面白いね! 」
「今風のネタです。それじゃあ、また。」
ドジっ子属性は、伝わる人…… ばかりじゃないよね
カップ麺を買う前に少し寄り道しようかな……
「ゲーム部…… ね。」
ーーーー 校内をうろつくが、ゲーム部がどこにあるかわからない…… 聞いときゃよかった
「先に職員室に行くか…… 」
そんで、ついでに場所を教えてもらおう
ーーーー 職員室までは、もう完璧!
一応、いろいろ挨拶しておくか……
「どうも、新しく雇われた警備の者なんですけど…… カップ麺、売ってると聞いて…… 」
ジャージ着てる…… 体育教師か? 偏見かなこれって
「ん? あー …… 校長先生から話は聞いてるよ、その先生ならあそこだ。それにしても、ほんとに雇うなんてな…… 体育担当の大村だ、よろしく。」
やっぱり体育担当か…… つーか男性教諭もいるのかよ、余計に"あの時"…… 何してんの? って言いたくなる
「宮田です、よろしくお願いします。」
大村さんの言ってる人って、あの人か…… これまた、オジサンかよ
「お忙しいところ失礼します。今日から仕事させてもらってる? のかな…… とりあえず新人の宮田なんですけど、カップ麺…… 買いたいです。」
「お? おぉ…… 新しい男! なんか新鮮だな〜 、教諭の本間です。よろしくね、おっと…… カップ麺だったね、どれにする? 」
そう言って、本間先生とやらは机の下の箱からカップ麺を取り出す…… え!? いくつ持ってきてんだよ、ていうか溜めてんの? そこに
「そば、うどん、ラーメン、ご飯、結構ジャンルあるでしょ? 好きなの持って行って! 」
「はぁ、どうも…… 迷いますね、こんなにあると。」
「食堂行かないで、手早く済ませる先生もいてね〜 、それに近くに売ってる所も無いからこうして、持って来ちゃうんだよ。」
他人用が大半かよ、まぁたしかに便利だとは思う
「決めました、そばにします。いくらですか? 」
「今日は特別に、タダでいいよ。次からは、一律200円ね。」
普通の値段かよ…… 安くしてくれ
「了解です。それから…… ゲーム部の場所って、お尋ねしても大丈夫ですか? 」
「ゲーム部? あぁ、桜守さんの部活だっけ…… ちょっと待ってね。」
なんか紙を取り出してるな、地図かな? あのタブレットさん…… 地図機能が無いんだよな〜
「これこれ、持って行っていいよ。各部室や、各学年の教室の地図だよ。」
「助かります。それではこれで、ありがとうございました…… これから、よろしくお願い致します。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
地図ゲッツ! これでもう無敵ですね。あとは、敵(生徒)の反応を感知できたら素晴らしい。
ゲーム部、お嬢さんいないよね? いたら、どうしよう…… 絶対なんか痛い思いするぞ、俺が。
お嬢さんから聞いて、少しは興味があったし…… それに、入り浸ってサボっても良いって校長から公認されたしね! ゲームの置いてあるものによっては、ほんとに入り浸たる可能性が……




