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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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52話 うぉぉ……



三章 五十二話 「うぉぉ…… 」



さて、先輩警備員のおじさんに改めて挨拶しに行くか…… 何すんだか、マジで


「あ、ちょっと待っておくれ。」


校長室から校長が出て来た…… ギャグじゃないぞ


「何です? 」


まだ何かあんの? もういいっすよ、まずは先輩に挨拶でしょ?


「仕事を教えてもらう前に、校内を案内されると思うんだよ。その時に生徒会室に寄ってくれないか? 」


え、何で?


「生徒会室…… なんかあるんすか? サプライズパーティーとかなら、いらないですよ。最近一回あったんで…… 」


あの時はマジでサプライズだった、自分でも忘れてた誕生日を祝ってもらえるなんてな


「サプライズ? さっぱりわからないが、生徒会に孫がいてね…… 君を雇う理由の一つがその孫なんだよ。できれば、会っておいてほしい。」


変なこと言わなきゃ良かった、恥ずかしぃ!

つか何で会わなきゃいけないんだよ、この状況がその孫のせいなら、孫に嫌味を言っちゃうぞ?


「…… 別に今会わなくても、何かあれば警備員としてごく僅かな、できる範囲で何とかしますんで。」


ごく僅かな、ここ大事だからね? 校長さん


「雇う理由の一つと言ったろう? 君は、機転を利かせて助ける他人には優先順位をつけると聞いた。ウチの子の優先順位を上げておいておきたい。」


「誰から? は不用ですよね、それを知っていてあなたに言いそうなのは一人しかいない。それにしても、学校の校長ともあろうお方がご自身の身内を、贔屓しろとは…… こりゃ早速退職届けを出そうか、迷うレベルですわ。」


なんなら今、紙もらえればお書きしますよ? 目の前で


「痛いなそれを言われると、だがたった一人の孫なんだよ…… プライベートで頼みたったが、時間がなくて今になってしまった。だからこれは、校長でいる間にする、最初で最後の私的な要望だ。」


勝手なバァさんだ、他の生徒の親だってたった一人の子供だと思っているはずだぞ? あんたの孫が特別じゃないんだよ。


「身内だけ特別ーー 」


「この前の件で、心底怖くなってしまった。私の目の届かないところで、危ない目に遭うのでは? またああいった輩が来たら? 私達では、対処ができなかった、情けないかぎりだよ。無論、他の生徒たちにも気を配ってもらう、 だけど万が一の時は…… その時は…… 」


無茶苦茶言ってんな、自覚はある…… んだよな多分。心底怖くなった、か…… 女将さんと同じことを言ってる。でも、だからなんだ? そんなことで俺が…… 俺が……


「…… そんな上手いこと対処できる自信はないですけど、まぁ…… そのまま見てる以外の選択肢を、考えておきます。」


チョロイン…… いや違うな、優柔不断なだけだ。少しのことですぐ揺らぐ、すぐ悩む、そして考えを変えちゃう…… うん、ダメな奴だ


「感謝するよ、ありがとう。ただ…… 孫は少し傲慢な態度をとるかもしれない、私の教育が間違っていたばかりにね…… すまないが、それだけ留意しておいておくれ。」


「よっぽどじゃなければ、気にしないですよ。あらかじめ聞いておけば、そんなもんかなって思えますし。」


もちろん、限界はあるよ? ひざまづいて靴を舐めな! とかの女王様系なら、その時点で即この場所から逃げるから


「そうか、引き止めてすまなかった、仕事…… 頑張っておくれ。」


「ほどほどになら…… あと頑張れる内容だったら、ですけどね。」




校長との話しを終え、受け付けの場所まで戻る


「どうも、仕事を教われと言われたんで、改めてよろしくお願いします。」


「ほんとに、後輩ができるなんて…… 初めてかもしれない。」


「いやいや、今まで何人かはいたのでは? 」


この規模で警備一人はさすがに……


「昔は知らないが僕が勤めてからは、たしかいなかったと思うが…… なにぶん、ほとんど何も起きないからね、僕やお兄さんが遭遇した"アレ"はほんと稀なケースだよ。」


「稀なケースでも、考慮しておくのが普通では? この規模の学校、一人で警備は大変ではないですか? 用意のなさが浮き彫りだ。」


その結果、その傷でしょう? それから、俺が来る羽目になるこの状況だ


「お兄さん…… だ、だいぶキツイな…… 反論する余地がない。」


!!!


「す、すいません! そんなつもりで…… ほんと、口が過ぎました。申し訳ありません。」


何してんだよ、話してる相手は校長じゃない。今の態度はあからさまに悪い…… って、悪態つくならこれで良いんじゃ…… ダメだ〜 ヘタレチキンが発動してる。ちょっと美味しそうだな、ヘタレチキンって


「いや、いいんだよ…… 実際その通りだからね。でもこれで安心だ、君みたいな強い人が来てくれたんだから! 」


「ちょ、ちょ、ちょ待ってください! 強くないです! "アレ"は間違いでーー 」


他の人達にしたのと同じ説明をした。何度目だよこれさ……


「なるほど、つまり同じ状況になっても、もうできないと? 」


「絶対できないです。ご期待に添えず、すいません…… 」


マジで役立たずだよ? 今のうちに校長に告げ口だ! こんなのクビにしましょう、って


「でもあの校長が、特例としてでも来てもらった人だ…… 頼りにさせてもらいます。」


なんて特例出してんだよ、こんなボンクラにそんな労力使うなよ


「できることなんて、一億数千人いる日本人と変わらないですよ。よっぽど正義感の強い奴は例外として…… 」


「そしたら、その例外に期待しちゃうよ。よし、それじゃあまずは、学校の案内から行こうか! 警備員なのに、道に迷うわけにはいかないでしょ? 」


この学校の関係者は、人の話しを聞いてるか? と疑いたくなるよ。俺は例外じゃなくて、一般の方だからね


「もう迷ったことありますけどね。」


「そうだったか! なら、迷わないように案内しますよ! 」


「よろしくです。」




学校の案内してもらう。頼む! 誰とも遭遇しないように


「職員室辺りはもう大丈夫なんだっけ? 」


「ま、まぁ…… 一応は。」


覚えたくなくても、職員室までは覚えちゃったよ


「そしたら、適当に順に回ろうか。」


「そう…… ですね。」


ーーーー 案内中


「ここが定番、保険室! 怪我した時とかは生徒じゃなくても行ってよし。」


「うぉぉ…… 」


保険室の先生って…… 想像と妄想が膨らむわ〜


「次はここ、パソコン室! 調べものがあったら許可を得て入ろう。」


「うぉぉ…… 」


スマホ先生がいるしな〜


「そしてここ、茶道室! 部活としても使うし、授業の一環としても使う! 」


「うぉぉ…… 」


苦いよな、あのお茶…… 嫌いじゃないんだけどな〜


「そしてそしてーー 」



ーーーー その後も舞い上がったテンションの、おじさんと一緒に校内巡りをした。2次元寄りの美少女だったら、泣いてたのに


「一通り終わったかな? もしかしたら、まだ案内してない場所があるかもしれないけど…… 」


「うぉぉ…… 」


「お兄さん、うぉぉしか言わないけど、大丈夫? 」


「うぉ、え? あ、大丈夫です。学校っていうのが新鮮で、ただ驚くことしかできなくて…… 」


新鮮すぎる、行ってたかどうか怪しいし、それに…… 見るもの全てが、非日常に思える


「お兄さんだって、学校に行ってただろう? もしかして、懐かしくなった口かい? 」


「いや、どうなんすかね…… そうかもしれないっすね。」


記憶喪失云々は言わなくてもいいか、必要と判断したら言おう。説明もめんどいし、知らなくてもこの仕事には関係ない


「そうだ…… 名前って何て言うの? 知らないと、今後の為にもさ。」


「え? あ、はい。」


今更感ハンパないけど、たしかにその通りだ


「まずはこっちから、田嶋(たじま) 康史(やすし) 、健康の康に、歴史の史で康史だ。」


「後輩なのに、先に名乗らせてすいません。宮田 凛誉 (みやた りんほ)です。凛としているに誉れ高くの、誉れで凛誉っす…… 名前と性格が一致しないのは、嫌というほど理解してるんでツッコミはなしで。 」


昔こっちに来た時、さんざんそのネタはやったから


「いやいや、名前の通りじゃないか! もっと自信持ってよ。」


「そう…… ですか? ありがとうございます。」


初めてのパターンだわ…… ちょっとウレちぃ


「さてと自己紹介も終わったし、どうするか…… 」


あっ、そういや…… あのバァさんに頼まれてたっけ


「すいません、生徒会室ってどこにありますか? ちょっと用があって…… 」


「生徒会室…… そうだ! まだ案内してなかったね、もしかして校長に何か? 」


「まぁ、ちょっとした気まぐれです。」


「わかったわかった、なら案内させていただきますよ〜 ! 」


「よろしくお願いします…… あと、もうちょいボリューム下げましょう。聞こえるかも…… 」


「おおっと、そうだね。」


「授業中っすもんね。」



何してんだよ、俺は…… ここは大声で授業の妨害して、解雇要因を撒くべきだろう? ほんと何してんだかな


はぁ…… 生徒会か、ロリ? 無敵? 無数のスキルホルダー? どれでもいいが、2次元寄りで頼む。好みとしては、ロリだ…… ロリコンではないと思うが、あんな赤髪のアホな子が生徒会長なら、その一存に従うのに





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