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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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51話 裏切る自信がありますよ



三章 五十一話 「裏切る自信がありますよ。」



ふっ、まずは予定より一時間遅れの到着、この時点で印象は最悪なはず…… 最高の初手だ


「にしても、相変わらずでかい学校だなぁ。」


ほんとでかい、なんでここまで広大に作るの?

それとも、学校ってみんなこんなもんなの?


「まずは、一応は挨拶しておくか。」


この前みたいに、呼び止められて緊張したくないし。まぁその時は、あれ? 今日って違いましたっけ? とか言って帰るけどね


「お、いるいる。絆創膏貼ってまで仕事とか、ほんとわけわからん…… 休めよ。」


警備員のおじさんに挨拶をする


「おはようございます。」


「ん? ああ! この前はどうも、お互い災難に遭いましたね。」


遭いましたね? 違う、半分は遭いに行っちゃったんだよな……


「はは、そうですね…… 傷はまだ痛みますか? だいぶ残ってるみたいですが。」


おじさんの顔は絆創膏が3枚くらい貼ってある。それに鎖骨の辺りに、シップも貼ってあるのが見える…… 相当無理してるんでは? 言わないけどさ


「こんなの、昔はよくありましたよ! お兄さんこそ大丈夫で? 」


「優しい優しい、不良さん達だったので目に見える傷はあまりないですよ。精神的に恐怖は残りましたが…… 」


そりゃヤンキーだもの、怖いもの。

でも、あいつらからしたら俺の方がよっぽど非道いことしたと、思ってそうだな…… 俺自身が認めてるから、どうしようもないな


「ははは、一週間もすれば忘れてますよ。今日はちゃんと校長の方から、話しは聞いてますのでどうぞ! 」


ちっ、聞いてんのかよ!


「ど、どうも…… 職員室に行けばいいんすかね? 」


「そう…… ですね、たぶん職員室に行けば校長もいらっしゃると思うので…… 」


「そうですか、ありがとうございます。」


「今後は助け合って、仕事しましょう! 」


は? 助け合うわけないでしょ、俺は貴方の援護はするよ? 警察に電話とかね、残念ながら格闘的なことは一切しないので、そうなったらまたおじさんの顔に絆創膏が増えるだけっす


「…… あまり期待しないでくださいね。」


どうよ、一応先輩? になる人に早速悪態をついたぞ!


「期待させてくださいよ、お兄さん! 」


ダメだこりゃ……


「ハハ…… はぁ… 」




学校の中に入る。前とは違うぞ、今度は迷ったりしないで職員室までは行ける!


ーーーー 職員室の前までは来た


「どうしよ、マジでまた来る羽目になるとは…… 」


二度と来ない、二度と来ないと思ってたら舌の根も乾かぬうちに来てしまった…… フラグが憎い


「失礼します、あの〜 ちょっとよろしいでしょうか? 」


「はい? 」


前に会った人とは違う女の先生か、やっぱり女子校って女教師率が高いのか?


「えっと、校長先生に呼び! 出されて来たのですが、どちらに伺えば良いのかと…… 」


どうよこの呼び! の強調してる口調は…… ちょっとだけ申し訳ないなこの人には


「え? 校長先生は今、会議中で…… どちら様でしょうか? 」


おいおい、そりゃないわ〜 こっちが言いたい、おたくは何様? ってさ…… あなたじゃなくて、校長にね


「なんか、警備員云々で話しがあるそうなんですよねー 、周知されてないのなら一旦帰りますよ。」


結構いい感じで悪態つけてるぜ!


「警備…… あっ! それなら聞いてーー 」


「おや、ちゃんと来てくれたのか! 」


後ろからドアが開いたと思ったら、いきなりボスが登場したよ……


「どうも…… 女将さんに言われて…… 」


出たな、元凶


「来ないかと思っていたよ。」


「すごいですね、一度しかお会いしていないのによくわかりましたね、来たくなかったです。」


「ふっふ、ここじゃなんだ場所を変えよう、来なさい。すまないね、仕事の手を止めてしまって、この子はこっちで預かるから戻っていいよ。」


「は、はい! 校長先生。」


「この子って…… 俺はそんな若くないですよ。」


「充分若いさ、いいからついて来なさい。」


「…… 」




言われるがまま、校長室? みたいなところに入る


「さて、まずは座っておくれ。話しは落ち着いてするものだろ? 」


「…… 驚愕だ、会話の作法をご存知とは…… なら少しは段取りを考えるべきですね、まずは。」


どうだ、かなりひどいだろ? 若輩にこんなこと言われたら、頭にくるだろ


「フッ、なんだ? この前会った時とは、違って礼儀がなってないね。」


「もちろん、礼儀をわきまえる時は理解していますよ。今はわきまえなくていいと、判断しているので…… 何も問題ありませんし、間違ってません。」


「聞いてた通りだ、そんなに嫌かい? 滅多にあることじゃないと思うが? 」


「嫌? そうですね…… それ以外の答えがないですよね、他にあれば是非ご教授願いたい。」


「ほう、そこまでキッパリと言いきるか…… 学校が嫌いなのか? それとも仕事の内容が気にくわないか? 」


「論点が違う、俺が言ってるのは安堵を感じていられる場所をいきなり横から、ぶち壊され、さらにはそのぶち壊した愚者の下で働く…… 不快極まりないでしょう? 」


「愚者? 愚者か…… 面白い。正直に言おう、私だってこんな行動をとり、交渉を迫るなんてとてもじゃないが考えていなかったんだ。」


ふざけろ、自分でもわかってないのにこんなくだらないことを実行したのか? 迷惑そのものなんですが……


「怖いですね、ボケの可能性が…… 病院行かれたらどうです? 次第に身内にも被害をもたらしますよ。」


「そう、それだ…… 身内が心配でね、昔ならこんな頼みはしなかったが、年なんだよ私も…… だから信用と力のある奴が欲しかった。」


「はい? 信用? 力? どれも当てはまるものがないですが、盲目的かつ一方的な考えで俺を呼んだんですか? 」


「いいや、ちゃんと備わってる。自分の目で見たものと信頼してる人間からの言葉、これらをもって君を呼んだのさ。」


何度目だ、その誤解を解くのはさ……


「あなたもか、"あの時"のことを言っているのら、それは間違いです。あれは…… そうだな、隕石が頭上に落下するような事象、言いたいことは二度とおきないし、できないんですよ。」


「だが一度できたことだ、咄嗟に必要だと脳や身体が判断すれば、必ずできるはずだ…… 隕石と例えたのは失敗だね、あれは物だが君は構造上私らと変わらない。」


「違う、理解してほしいことはできない点だ。女将さんを含め、色んな人達に付き合ってもらい実証して、できないということを知ってもらいました。」


「実証とは? 」


「ちょっとした、模擬格闘みたいなことです。俺だって、同じことができるようになれば色々と便利だって思ったのでね…… 結果はさんざんでしたよ。」


ほんとさんざんだったな、不良達の数倍痛いボクシングパンチと、さらにその数倍痛いお嬢さんのゲンコツ風パンチ…… 今も少しダメージが


「なるほど…… なら、別の観点からの力を頼りにしよう。機転が利くのは、君の慕っている女将からのおりがみつきだろ? 」


「それも買い被りですね、俺ができることなんて他と大差ないです。もし、ここの生徒が前の時みたいに絡まれてても、俺は国家権力に電話するぐらいしかしないですよ? 」


最悪、他の人が電話してくんないかなぁって様子を見てからの可能性もある


「買い被らせてもらう、例えどんな過程だろうと生徒が無事だという結果をもたらせばそれで良い。」


「それなら…… 俺である必要はないです。適当に人材会社に連絡しましょ? さて、あそこにある受話器で女将さんに一言、見込み違いだったと電話してください。あなたから言えば女将さんも、この件についての認識を改める。そして、この話しはこれで終わりにしましょう。」


「いいや、あいつだって孫が心配らしい…… 今回の一件で頼れる人間が、近しい人間が必要だと感じたんだろうよ…… それに、私はもう雇う気でいる。」


「はぁ!? 」


やべ、つい声が荒ぶちった


「君…… この会話の内、どこまでが素だい? 印象を悪くすることに徹しているように見えるよ。まぁ、この会話では半々といったくらいかな。」


バァさんになると、魔眼スキルって全員が覚えられるの? 看破されるとは……


「は、半々? ぜ、全部…… 素ですよ? 」


「動揺するか…… まだ若いね、機転やそれに属する能力は高いと思わせてもらうが。」


クソ、少し動揺したのは自分でも驚きだよ。情け無い、看破された程度でこの動揺っぷり…… はぁ、ポーカーフェイスを学んでおけばよかった…… 誰にだよ


「そっクビになる為に来たのに…… 」


「ははは! 本音まで吐露するとは…… まだまだ、まだまだだよ。」


「はぁ…… 諦めませんけどね。」


「クビになることを諦めないか…… 面白いよ。さて、それじゃ交渉をしよう。」


「交渉? 」


そうか、ここで給料とかに無理難題を吹っ掛ければ、ワンチャンあるかも!


「できれば給料はーー 」


「君が旅館で貰っていたのと同額を渡そう。休みは土日、だが土曜日は来たければ来ても良い。」


「…… 土曜なんて来ません…… 」


くっそ…… ちょっと条件が良いじゃないか…… ってダメダメ! ここで簡単に受け入れるなよ


「仕事の内容はーー 」


「俺は警備なんてしないと思いますよ? そういえば、ゲーム部があると聞いたんでそこに入り浸って、仕事をサボってる可能性大です。」


「構わないさ。」


「そーそ、構わ…… えぇ!? 」


どういうこと!? このバァさん、何の為に呼んだのマジで


「詳しくは先輩に教えてもらうとして、基本はタブレット端末を使っての校内監視、どこでそれを見てようが君の好きするといい。ただ、何かあった時は迅速に対応しておくれ。」


「そんなの…… 誰にだってできるんじゃ…… 」


「言ったろ? ここまで敷居の高い学校だと、無闇に雇うことはない。君は、私が最も信頼している人間が信頼している人間だからだ。それじゃ、後は先輩警備員のところで教えてもらいなさい。」


「…… あなたからの信頼は裏切る自信がありますよ。」


「それでも、あいつの信頼は裏切りたくないだろう? 」


「とてもとても短い間ですが、よろしくお願いします。」


「よろしく。」




言い表わせない、消化不良な感情を持ったまま校長室から出る


「はぁ…… 」


女将さんと少し似てるよ、雰囲気が…… だからかな、どうにも抵抗に力を出し切れなかった気がするよ。チョロイン属性なんていらないよ、俺には


だがまだだ、解雇される要因はいくらでも作れる!

すぐにでも元鞘に収まってやる




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