46話 理由か……
三章 四十六話 「理由か…… 」
はぁ…… 何一つ変わってないとはな、まぁ変な期待を抱かないで済むかなこれでさ。元々そんなに期待してないけどね、俺だし
「痛っ…… お嬢さん、まだダメージが残ってるんすけど…… 」
どうしよう、寝れない……
「ゲームでもすっか。」
ケータイに着信が入る
「え、旅館の番号だ…… こんな時間に誰だよ。」
ここはでないで明日掛け直して、すんません寝てました! てへぺろ! っでいこうかな
「あ、切れた…… 」
まぁよっぽどなら、また掛け直してくんだろ。正直めんどくさい、今の時間から何か要請されても行くのが辛い
もしかしたら、お嬢さんが昼間のことを謝罪…… ってあるわけない。そんな殊勝なお嬢さんだったら、苦労してないな
なんでだろう? 出なかったことを後悔している。今の時間なら要請されても、大した仕事じゃないだろうから出ても良かったんじゃ? 我ながら、クソめんどくさい性格だ
「あ、また掛かってきた…… でるか。」
「おや、出たよ…… すまないね、寝てたかい? 」
この声は少し予想外。くるなら仲良さんの誰かか、原さん辺りが心配して電話してきたと思ったんだが…… まさか女将さんとは
「お、女将さん…… はい寝てました。」
何の用だ? 女将さんからだと、なんか緊張するな
「起こして悪いね、ちょいと居間の方まで来てくれるかい? 」
「あ、はい…… なんかしでかした感じっすか? 」
「あんたは、しょっちゅうそれを聞くねぇ…… 今日は休みだったんだから、何もするわけないだろう。少し話したいことがあるんだよ。」
良かった〜 俺は何もしてなくても何か、しでかす人間だからな。自分で自分に対する、信用があまりないだよ…… でも、なら何だ?
「話し…… っすか? 」
「そうだよ、来れるかい? 」
??やけに真剣なトーンだな……
「大丈夫です。少しお待ちを…… 」
「すまないね、待ってるよ。」
切れた
「行くかぁ…… 何で出ちゃったんだろう? 」
今度は出たことを後悔してる。ほんとバカみたいだわ…… 話しって何だ? 経験と勘から、ロクでもないが7割を超える。
今日は何言われても、何もできないっすよ? あなたのお孫さんに、HPバーを赤まで削られてるんで
居間まで向かう…… 暗いなぁ
「さすが地方、旅館の敷地外とかすんごい暗いわ。」
5月も終わりなのに、夜は涼しいし
「はぁ…… 怖。」
溜息をつくのに慣れるとは、それは結婚して3年目の旦那か奥さんのどっちかだろ!? 慣れていいのは
持論を展開しつつ、居間の前で来た。この先に行くと、疲れるよ? って文字が見える…… 病院いくか、やっぱり
「遅くなりました、宮田です。」
「来たか、入っておいで! 」
「失礼します。」
中には女将さんが一人だけか
「すいません最初の方、電話出れなくて。」
「そんなのは別にいいさ、あんたに迅速な対応を期待するほど夢見てないよ。」
おもしれぇ、何でワンコールで出ないだけでここまで言われるの?
「で、ですよね…… それでお話しって? 」
「まずは座っておくれ、それからそんなに緊張しなくて大丈夫だよ。」
あら、バレてた
「顔に出てました? 」
「よく出る男だからねぇ。」
ポーカーフェイスって、どこで修行できたかな?
テーブル越しに、女将さんの前に座る
「まずは、改めて礼を言わせておくれ…… ありがとうね。孫とその友達を助けてもらって。」
またそれか…… それは違うんですって
「なら、改めて言わせてください。あれは礼をされることだとは思いません…… むしろ非難されて然るべきことです。」
「この前と言ったろう? 感謝はしたいから…… 」
「したいからする。強制されてするもんじゃない…… ですよね? 覚えてます…… 」
「遮るのは初めてだねぇ…… やっぱり嫌かい? それでも。」
「はい…… 過程が最悪すぎます。女将さんのお気持ちは理解できる…… と思います。それでも、それを素直に受けるほど正直者じゃないんで…… 」
「そうかい…… なら、これで最後にするかね。」
「お願いします。今のが、話したいことですか? 」
「いや、もう一つある。そっちが本題だ。」
「本題…… ですか。」
なんだよ、終わりじゃないのか……
「あんた…… 」
「はい? 」
「しばらくウチの仕事を休んで1・2年、翠鳴で警備の仕事やってくれないかね? 」
…… は? …… は?
「翠鳴って、お嬢さんの学校のですか? 」
「そうだよ、頼めるかい? 」
「お断りします。」
「ほう、あんたがはっきりと断るのは初めてだね…… 嫌かい? 」
「はい。」
「これまた、はっきりしてるねぇ…… 理由はなんだい? 」
「理由? …… 必要ですか? 」
女将さんこそ、理由を言ってください
「聞かないと何もわからんからね。」
「言わなきゃダメですか? 」
「聞かせておくれ…… 私も理由を説明するから。」
そもそもなんで、そんな話しが出てくる。あれか? とうとう、経営難に!? 売り上げは伸びてるって、言ってたじゃん!
はぁ、理由か…… なんだろうな…… 女子校なんてもうたくさんとか? 違うな。警備員なんてめんどくさいから? それも違う。
俺はーーーー




