41話 感動させてあげます!
三章 四十一話 「感動させてあげます! 」
はぁ、善良でか弱い市民のつもりだったけど、まさかこんな形で市民のヒーローのお世話になるとは
「それじゃ、行こうか。」
「よ、よろしくお願いします…… 」
「顔がひきつりすぎだ、何も全部君が悪いわけじゃないだろう? やり方が間違ってるだけで…… 」
じゃあ、もうちょい早く来てくださいよ。なーんて、言えないけどね
「そう…… ですよね。これって、過剰防衛とかなんかの罪になるんですか? 」
「詳しくは、署に戻ってきちんと調査、精査しないとなんとも言えない。でも、君が倒した奴らの親たちが裁判沙汰にすることもある。」
「マジですか…… 」
親の愛云々ってやつか? そんな愛があるなら、なんでそんなグレちゃったの? ってツッコミたい!
「まぁ今回は、それはないかな。なんせ、翠鳴の生徒さんたちや、先生方が大勢見てたろからね、裁判しても勝ち目がない。」
やっぱり証人って大事だなと、心底思いました
「よかったぁ…… 」
「だからって、許されることはないよ。君は成人だろう? そこには、責任が発生するからね。」
「はい…… 」
これだから、成人なんて嫌なんだ。余計な金はかかるわ、責任はあるわ、何一ついいことない。
「あそこまでやる必要あったかい? もっと冷静に考える力をつけなきゃ、大人としてさ。」
「はい…… 」
個人的には、かなり冷静に考える方だと思うんですけどね。それに無茶言うな、あのまま放置してたらもっと状況が悪化したんじゃないかな? わからないけど……
「しかしだ、対応の遅さが招いてしまったとも言える。申し訳ない…… まだまだ、何かと整備途中なんだよ。」
「…… そんなことないっすよ。」
叱りたいのか、謝りたいのか、どっちだし…… 責める気が失せるわ
「そう言ってもらえると、仕事に専念できるよ。」
「なら半分取り消すんで、お手柔らかにお願いしたいです。」
「ぶっ、あははは!! 笑わしても、手は抜かないぞ? 」
「そりゃ残念ですわ。」
さて、どうなるのやら…… 保険きくかな? こういうやつって
あいつが連れてからすぐ、学校に戻った
「郷橋さん! 大丈夫ですか!? なんで、勝手な行動をとるんですか! 」
げっ、先生
「ごめんなさい、でも…… 知り合いなんですよ、あいつ。」
「連れて行かれた彼ですよね。知っていますよ、以前学校に来てましたから。前にあなたと話した通りです。」
「はい…… だから放っておけなくて。」
あんだけボコスカやられてるのに、黙って見てる方がおかしいよ
「だからって…… でも、そうですよね…… 我々もどうするか議論しかしてなかったので。しかし、それでもあなたは生徒です。先生の指示には従う義務があります。大人になる前のステップである高校、その高校で誤ったステップを教えるわけにはいきません。」
「はい…… すいませんでした。」
なら、あのままにしてたらどうなってたかを、説明してほしいよ…… 先生
「それでも…… あなたを見てとても誇りに感じました。みんなには内緒です。」
「先生…… 」
私って、流されやすいのかな? でも、この人は嘘を言ってるようには見えない…… 誇りはちょっと恥ずかしいな。えへへ
「今日はもう休校になるので、早くご家族に安心させてあげてください。」
「ありがとうございます! 私も先生が担任で、最高です! 」
「できれば、卒業式に聞かせてくださいね。」
「その時は、もっと感動させてあげます! 」
泣かせますよぉ!
初絵が待っててくれてる。いつも嬉しいような、申し訳ないような
「今日はありがとね、行こう。」
「みーちゃん…… 保健室行かなきゃ、顔が腫れてるよ? 」
「大丈夫大丈夫! 腫れてるだけで、痛くないよ。それより初絵こそ平気? 」
初絵だって、怖かったはずなんだ
「ううん、平気。むしろガツンと言えずに、ただ泣いてた自分が恥ずかしいよ…… 」
「なに言ってらっしゃるのよ、一緒にいてくれたから勇気出たし、それに…… カッコ良かったよ。」
「宮田さんには、負けるでしょう? 」
「ないない、あいつ曰く今回のはカッコ悪いことこの上ないんだって。全く、たまには素直に受け取れっての! 」
ほんと素直じゃない! なに? なんでもかんでも、へそ曲がりシンキングしかできないの?
「てことは、みーちゃんはやっぱりカッコいいと? 宮田さんに聞かせたいなぁ。」
「まぁやり方はどうであれ、目の前で助けてもらったら、そりゃねぇ…… でもどうせ、こんなんはダメっすよ! とかなんとか言いそう。」
「だね。」
「それとさ、警備のおじさん…… 大丈夫かな? 」
すごい怪我してた……
「多分大丈夫だと思うよ。運ばれる時意識がはっきりして、何か隊員の人と話ししてたから。」
「そっか…… 良かったぁ。いつもの挨拶がまたできるよ! それに、あいつも心配してたからさ。」
なーにが、"あのおじさん、大丈夫っすよね? 結構良い人だったんすよ!" だ…… 自分の心配をしてろ!
「知り合いだっけ? 」
「この間来た時にね。」
「なるほど。」
「早く帰って来て、祝! 釈放おめでとう! って宴会してやりたい。」
「それはある意味、いじめでは? 」
「さすが! 」
「みーちゃんも捻くれ者でーす。」
「わかってまーす! 」
さっきまでとは違い、とても楽しい会話だな!
こんな感じでまた、喋りたいなぁ…… あいつとも




