表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
40/418

38話 垣間見る片鱗 (中編)



三章 三十八話 「片鱗⓵ 中編 」



全く、これだから子供はわからん。普通は来る場面じゃない、他の生徒さん達みたいに黙って見てるのが最適解だろ…… 俺なら百点満点の回答ができますよ


「…… ぁ…… 」

ダメだ、皮肉も文句も何も言えない。そりゃこんだけ、いたぶられたのは初めてだからな……


「は? なんだお前? 」


「最低だって、マジウケる!」

「でも生徒出てきたから、いんじゃね? 」


「聞こえなかった? 最低って言ったんだけど! 」


「みーちゃん、相手をあまり刺激しないようにしよう、ね? 」


「あ? 調子乗ってんなよ、オイコラ! 」


「リクヤさーん! その女、こいつの知り合いじゃないっすか? 」


この中学生、いつまで俺の頭に足乗せてんの? まぁさっきみたいに、ぐりぐりされてるわけじゃないからいいけどさ


「マジで、そうのかお前? 」


「そうだよ、あとあんたいつまで足乗せてんのよ! そいつはあんたらより歳上だよ! 」


お嬢さん、何さらっとタダで情報流してんのよ。せっかく若く見られて嬉しかったのに


「何お前、歳上だったの? やっべ、くそダセェ! つか弱すぎだろ。」


言い訳だけど、喧嘩の仕方なんか知らないんだよ。どこで説明書買えば良かったの? 俺っていうパッケージには、付属してなかったみたいでね


「へぇ何、お前らのどっちかと付き合ってんの? 」


「はぁ!? なわけ…… ない、でしょ? な、ないから! 」


「みーちゃん、ちょっと面白いよ今の。」


初絵(はつえ)、余裕あるわね…… 」


すんませんねお嬢さん、俺も会話に参加して全力で否定してあげたいですよ。もうちょい2次元寄りの子がタイプですってね


「えっ、じゃあただの知り合いかよ。」


「悪い? 早くそいつ離してよ、あとそろそろ帰った方がいいんじゃない? 」


「お前さぁ、さっきからマジで調子に乗りすぎだろ、殺すぞ? 」


「別に調子になんか乗ってない、当たり前のこと言ってるだけ、そいつを離して早く帰れ! 」


「み、みーちゃん、一旦落ち着こうよ…… 」


「チッ…… 舐めんなよ。」


「リクヤ君キレた? 」

「やば、あの子カッコいい…… でもウザいわ。」


お嬢さん、ホントにやめた方がいい。これ以上はマズイっす…… 松柴(まつしば)さん、隣にいるならもうちょい抑制してくれ。あと俺はいいけど、お嬢さんは生徒だろ? 学校の奴らも見てるだけじゃなくてなんとかしろ…… いや、して下さい




「なんかに使えると思ったけど、やめたわ。」


不良のリーダーみたいな奴が、お嬢さんと松柴さんの近くにまで行く


「へぇ近くで見ると可愛いじゃん、付き合わない? 俺たち。」


「は? 」


「リクヤ君の浮気もの〜 ! 」

「俺も立候補しまーす! 」


不良達 「立候補しまーす!!! あははは!!! 」


「茶化すなってお前ら、で? どうよ。」


「ふざけんな、誰があんたらみたいなのとーーーー ゔっ! 」


「みーちゃん!! 」


え、なんだこの光景は…… いつも俺にダメージを負わせてくるお嬢さんが、殴られた? 殴られたんだ


「うっぜお前! だから調子乗るなって言ったろ? 」


「リクヤ君パネェ! 」

「私も超スッキリ! その女かなりウザかったもんね〜 」


不良達 「でも殴んねぇよ俺たちなら、あははは!!」


「さすがリクヤさん、つかお前いいの? あれ、お前の知り合いだろ? マジ情けねぇな! 」


だったら足のけてくれ、お嬢さん…… ごめんなさい、俺には謝るくらいしかできないっす。ここで覚醒とか言って、とんでもパワーを発揮するほど、俺は異次元じゃないんで…… ここで這いつくばるのが精一杯です


「あーあ殴っちゃったよ、てか君も可愛いね、どう? 付き合わない? 」


「みーちゃん…… みーちゃん…… 」


「聞いてる? もしもーし! 」


「お友達やられて、壊れたんじゃない? 」

「え、なに? そういう関係? 」


不良達 「キモッ! ウケるなぁソレ! 」


「おい、シカトしてんなよ! 」


「いっ、痛! 」


今度は松柴さんの髪を引っ張ってやがる…… そこまでしないぞ、いくらキレてても。つーかよ、なんで冷静に見てられるんだよ俺は


「初絵に触んな! この最低野郎! 」


「チッまだんなこと言えんのかよ、ほんとウゼェよお前! 」


「痛っ、離せ! 触んな! 」


「みーちゃん、みーちゃん…… 謝りますから、もうやめてください…… 」


「リクヤ君〜 そのまま、その女の髪むしっちゃえ! 」

「部分的にハゲるな、はははは! 」


はぁ、はぁ、…… 動悸がおかしくなってきた。




「マジでお前、何もできねぇな! クソだなマジでよぉ! 聞こえてますぅ!? 」


…… マジでおかしい、感情的になりつつあるのか?

この動悸の理由がわからん。


「もう…… 離してください…… 」


「この女が、土下座して詫びないと無理だわ! 」


「誰…… が、するかよ…… 女を殴るヘタレなんかに。」


「お前さぁ頭おかしいだろ、まぁ今のでさらにテンション上がってきたわ。」


「ゔゔ! 痛っ…… 」


「ほん…… とに…… もう、離し…… 」


「あらら、お友達泣いてる〜 キモっ! 」

「泣いてるとか、たしかにキモッ! てかウザ。」


「あらら、知り合いが泣いてるぞ? ほらっ少し足の力を抜いてやるから、助けに行けって! その後ぶっ殺してやるからさぁ! 」


何も出来やしない。ここでこの場を収めることができるのは警察くらいだ…… もうそろそろ来てくれてもいんじゃない? もう大遅刻だよ市民のヒーロー


「あんなのを助けに来て、お前らもバカだろ。あそこで中坊に踏んづけられて何もできないとか、ゴミすぎだろ。」


「そ、そう? 私…… からしたら、あんたらより…… 頼りになるし、カッコ良く見えるけど? 」


「っとによぉ! マジでイカレてんのかよ! 」


「ゔっ! 」


「ぐすっ…… ぐすっ…… なさい…… 」


「お前の知り合いも相当だな、リクヤさんマジでキレてるぞあの感じ。お前もキレれば? ははは! 」


…… お嬢さん、松柴さん、ごめんなさい。ほんとに何も出来ないんだよ。女将さんもごめんなさい、この状況を作ってお嬢さんを傷付けてしまった。


でも最低だけど、最悪だけど、これでお嬢さんも学ぶことができる。状況に流されず冷静に行動する、そうしないと今後の人生が生きづらいですよ。


ーーーー "お誕生日おめでとう!!! "


おいおい、なんでまた変なタイミングで思い出すんだ俺の脳さんよ。あれだけじゃないだろ、お嬢さんには旅館に来てからの数年、なんだかんだよくしてもらったよな。もちろん疲れる、怖い、面倒いも結構あるけどさ、それでも……


誕生日を祝ってもらう嬉しさ、楽しさ、優しさ、めんどくささはどうしたって、記憶に焼き付いちゃうよね。めんどくささもあるのは、俺なんでしょうがないよな、さてと……




{"いい加減に足をどけろ、劣化種風情が"}


??? 劣化種? なんだっけこの言葉、使った覚えがない、言った覚えがない、それなのになんでこの言葉が脳裏をよぎる。それだけじゃない、味わったことのない感情が身体を、脳を、全て支配していく。


刹那…… 意識が飛んだかと思ったら、意識だけが部屋の中に閉じ込められてような感覚に陥った。


「まぁ、キレたところでゴミにーーーー ぶべっ! …… ガッ! 」


「あ? どうしーーーー !! 」


「え、何? なんで後輩ちゃんが倒れたの? 」

「たまたま見てたけど、いきなり立ち上がって…… 顎に一発入れて、その後…… 足持って地面に叩きつけやがった…… 」

「は? 何それ…… 」


「うぅ、なんで離して…… !? …… え? 」


「みーちゃん! 大丈夫? ごめんなさい、何も…… 何も出来なかったよ…… 」


「ううん、そんなことないよ初絵。それより…… 」


「うん、でも私もわからないよ…… 」


凛誉(りんほ)…… 」




「…… …… 。」

あれ? 何してんの俺は…… 何してんだ……




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ