36話 暴力は…
三章 三十六話 「暴力は…… 」
怒号が聞こえる…… ヤンキー特有のスキルだ、あれめっちゃ怖いよねぇ。こらぁ、ざっけんなぁ、ころすぞ? みたいなことを言っている、何物騒なこと言ってるんですかホント
「うわ、なんか来るよ…… 」
赤と黄色のとても派手な色をして、さらに変に刈り上げてる髪型をした生き物がこっち来た……
「あんた誰? ねぇ、おいコラ! 」
何にもしてないのに、怒んないでおくれお若いの
「えっと、あちらの学校に少し用がありまして…… 何か問題でもあったのですか? 」
「何、センコウ? それとも警察? 」
ここで勇気があれば警察と言って、事態を収束させようとするんだろうけど、現実はそんなに上手く立ち回れないよなぁ
「違います違います、ただ知り合いに荷物を届けに来ただけなんですよ。警察…… やっぱり何かあったのですか? 」
「へぇ、誰知り合いって? 今さ俺らのダチをフッた、あそこの生徒会長さんにヤキ入れに来てんだよね。」
生徒会長さんにフラれた? ぷぷ…… そんな理由でこんなことできるのか、若さゆえの過ちだな(シ○ア風)
「なるほど…… それで解決なさったのですか? 」
「出てこないんだよね! ビクついてさ、サツが来るまで粘る気みたいだけど、今回は割とガチでシメに来てるから簡単にはこっちも引き下がんねぇよ。」
ふぅ、接客の仕事してるから会話にもっていくのは簡単だけど…… ここからどうしたもんか
「今は行かない方がいいと言うことでしょうか? 」
「別に行けば? 中に入る前に、ウチのリーダーにシメられると思うけどな、今すげぇイラついてるから。」
イラついてると暴力を受けるのか…… なるほど、こりゃ撤退ですねやっぱり…… でも最後にお嬢さんと松柴さんの安否を確認しておくか
「了解です。今って、あちらの生徒さんか先生のどなたかとお話ししてる最中ですか? 」
「お前バカ? 誰も来ねえからイラついてんだろ。」
良かった、てことは今のところ問題なしだ
この手の連中は、案外会話が成り立つんだよね
もちろん、こっちが絶対に下の立場で話さないとダメだけど
「そうでした、ありがとうございます。そしたら、今日は帰りますね。」
帰ろう、またはここから離れようと思った。
「おい、何してんだよ! 遅ぇから見て来いって言われたんだけどぉ! 」
新しいお仲間か…… ヤバイな二人になると、色々と厄介になる。特に会話が成立しなくなる
「あ、悪りい。こいつがあそこに届け物があるって言ってさぁ。」
「誰こいつ? 」
「知らね、知り合いがいるとか言ってたわ。あと今、どういう状況か教えてやったんだよ。」
「へぇ、お前なんていうの? 」
名前ってこと? 適当に偽名使うか
「名前ですか? 」
「あ? そうだろ普通、喧嘩売ってんのかお前。」
売らない売らない、そこらのアウトレットですら俺の喧嘩なんて買取不可って言われる
「とんでもないです。もう大体のことはそちらの方から、伺ったので帰ろうかと…… 」
「は? …… あぁそうだ、ちょっと来いよ。」
え、なんで? このパターンは行くといじられるな
「大変申し訳ないのですが、用がまだ残っていて時間があまりないんですよね…… 」
「ちっ、あぁ? 殺すぞてめぇ! いいから来いよ何もしねぇから。」
いやぁ、絶対なんかあるでしょ…… こりゃ行かないとダメなやつだ。はぁ、面倒になるな
「本当にあまり時間がなくて…… 」
「お前さぁ、名前も言わねぇしよなんなの? マジで喧嘩売ってるだろオイ! 」
誤魔化せてなかったか、諦めていじられてやるか
「そうでしたね、すいません。名前は浜路 健大って言います。」
旅館にいる二人の名前を適当にくっつけてしまった、すいませんお二方。
「じゃ、行こうぜ。」
「はい。」
言われるがまま来てしまった。
うえぇ…… 結構人数いるな、20人くらいか?
「ねぇ誰? ソイツ。 」
ギャルかよ、超怖い
「あぁ、こいつそこで拾ったんだよな。」
「知り合いがいるんだってよ。」
「え、誰知り合いって? 教えてよ! 」
ここでも適当な名前を考えて、それを言っておこう
「えっとーーーー 」
適当な名前とさっき説明した経緯を話した
「ーーーー みたいな感じで…… 」
「誰ソレ? 全然知らないわ、あんた知ってる? 」
「知らね。」
「俺も知らね、そもそもあの学校に知り合いとかいねぇし。」
「だよね! 絶対つまんなそう、あんな学校のやつらとか。」
そうかな、意外と面白いと思うよ俺は。ギャルがリーダー? そんなわけないか
「オイ、何してたんだよ! 」
「あっ、リクヤ君! こいつがさぁ…… 」
どうやら、このリクヤ君とやらリーダーかな
「そうか、じゃあお前さ…… ちょっとサンドバッグになってくんね? 」
いきなりだな、いやほんといきなりすぎですね
「えっと、それは勘弁して頂けないでしょうか? 仕事に差し支えると困ってしまうので…… 」
「なに、お前仕事してんの? へぇ、じゃあタイマンでいいや。中の連中に見えるようにやろうぜ。」
「あはは! こいつ超ウケる! ビクつきすぎぃ。」
「リクヤ君、タイマンはイジメすぎでしょ! 」
「死ぬんじゃね、こいつ? 」
ホントホント、つか何がじゃあなの? どこもなにも承諾してないんですが
「暴力は、その…… ホントにお見逃し頂けないかと…… 」
「しつけーな! いいから来いってんだよ! 」
「痛っ 。 」
痛い痛い、髪引っ張るのやめてぇ
「ウケる〜 超かわいそう! 」
「やっべ、マジウケるな。」
不良達 「あははは!!! 」
なぜだか、髪を掴まれながれ校門前まで連れてこられた…… はぁ、さっきのギャルが言ったことは当たってる。今日の俺、超かわいそうですね
「オイ聞けコラァ!! お前らの中にこいつの知り合いがいるんだろ!? 生徒会長さんか誰か出てこないと、今からサンドバッグにしますよぉ! 」
人質になったのか俺…… このパターンは予想してなかったな。どうしよ
「なにをすればいいんですか? 」
「さっきも言ったろ、俺とタイマン張れ! しないならただサンドバッグになるだけ。」
会話じゃないなこれは、選択肢がない
「なんとか、別のーーーー 」
言葉をかけ、時間を稼ごうと思った…… はずなのに、顔面が熱い…… 殴られた
「っ…… ぁ、ふぅ…… 」
「バカだろ? 何回も言ってんだろ! タイマンかサンドバッグなんだよ! 」
一瞬、痛みを感じたけど…… もう熱いに変わった
「はぁはぁ、ホントにかんべ…… ぶっ! 」
また殴られた、せめて少しは休ませてくれ
「やっば! 超かわいそう! 」
「チキン君、頑張れ〜 。」
「完全にダウンしたら、俺も混ざりたいっす! リクトさん! 」
「つまんなお前、でもいい感じにスッキリするわ。」
スッキリしたいなら、シャワーでも浴びてきてくれ
「…… はぁ、ふぅ…… 」
ダメだ、言葉が出ないわ。痛くて喋れん
「今度は蹴りいくぞ! …… おらよ! 」
「ぐっ! …… ウッ、ウッ…… 」
何回も蹴らないでくれ、そろそろ本気で意識なくなりそう…… 痛いなぁ
「お前キモいなぁ、なんも言わないでやれるとか。」
「痛くてそれどころじゃないんだよ! 」
「だな! マジキメェ! 」
合ってる合ってる、痛くてそれどころじゃないんですよね。あと、なんでキモいだよ
「それにしても、やっぱりウゼエ連中だわ…… 誰も出てこねぇ! 」
それでいい…… 誰も自分が関係してないのに、出てくる奴はいない。むしろ、ひどく冷静に観察できるもんなだよ人間ってさ。俺が同じ立場でも、そうする。
「ドンマイだなお前。とにかくまだイラついてるから、スッキリさせてくれよ! 」
「うっぐ! ぁぁ…… はぁはぁ…… 」
それに、この状況を作ってしまったのは早々に切り上げない…… いや来てしまった自分にある。だから誰も来ないでくれ〜 その方が楽なんだよマジで。
あとは警察が来るまで、死なずにサンドバッグになれば終わりだ…… 頼むからこのままで




