31話 ナンパなんです!
三章 三十一話 「ナンパなんです! 」
あれからいくつか、先輩達のおススメするゲームをやらせてもらった…… どうしよ、凄い面白い!
あのアホがハマるのもわかる気がする
「先輩、私…… こんなにハマるものとは思ってませんでした! 」
「郷橋さんがそんなに楽しんでくれて、こっちの方が嬉しいです! …… レース系は私よりも上手くて驚きましたが…… 」
「なんか、このレース? のゲームはしっくりくるというかなんというか…… 」
「たしかに上手いな、まだ小一時間くらいしか経ってないぞ。」
「みーちゃん…… さすが。」
「松柴さんはどのジャンルも、そつなくこなしてますね…… 私みたいにシューティング以外は壊滅的に下手な人種とは違います…… 」
「そ、そんなことない…… です! どれもそこそこな…… だけで…… 」
「いや、私や緋夏みたいに一つのジャンルが得意よりも、松柴さんのタイプの方が重宝されると思うよ。」
「そう…… なんですか? 」
「たしかに初絵、さっきのレースでも2位だったし、久野先輩相手の格ゲーでも善戦してたもんね! 」
「これは我がゲーム部の将来は安泰ですね! 私でも、珠希相手の格ゲーは珠希のHPバー緑の圧勝か、最悪ノーダメの完勝で私が負けるのに、松柴さんは黄色まで持っていきましたから凄いです! 」
「あ、あ、ありがとうございます…… 」
「ちなみに先輩、初絵は家事も万能だったりします。」
「み、みーちゃん!? 」
「なんと!? 私と珠希の家事スキルは…… 残念ながら0です…… しかもそのボディは反則なり! 」
「なんで私も0なんだよ、でもたしかに0な気はするボディは、 緋夏も私も郷橋もアプデ終了してこれだもんな…… 」
え、なんで私まで入ってんの?
「た、たしかに私の見た目は少しスッキリしてますけど…… これから悩殺系になる予定なんです! 」
「郷橋さん、諦めるなら今ですよ…… 私も身長伸びないかなぁと、ずっと思ってきましたが悩むだけ無駄だと悟ったので…… 」
諦めるか!
「せ、せめてあと1年は希望を持っていくので! 」
「1年ってあたりは意外と悟ってるな…… 」
だって、初絵が進化し始めたのが中一くらいだったから…… 私の成長期遅いな
「それより、先輩! 他にもなんかやります? そこの女の子が表紙のやつとか。」
「え、これですか? これは先輩の趣味だったんですよね…… ギャルゲーと呼ばれる恋愛ゲームです。」
恋愛ゲーム? たぶん下手だな私。そもそも女子校なのにこのジャンルのゲームを選ぶ先輩ってどんな人だったんだろう……
「すいません、スルーでもいいですか? 」
「なんでですか!? 感動するやつもあれば、ひたすら楽しいやつもあって最高のジャンルですよ! 」
「い、いやぁ…… ちょっと抵抗が…… 」
「あ! ふふーん、もしかして郷橋さんって恋愛経験無いですか? 」
どストレートに来るなこの先輩、たしかにそうなんだけど
「せ、先輩だってあるんですか? 」
「ふっふぅん! 、私も今まではありませんでしたが…… なんと今日ナンパされてしまったので、経験ありになりました! 」
「それって、恋愛経験じゃない気が…… 」
「おい、初耳だぞ緋夏! いつどこでされた!? 相手はどこにいる? 早く会って処理しなきゃ…… 」
処理って何をする気なのこの人!?
「お、落ち着いてください久野先輩…… 桜守先輩もそれは話しがとびすぎです! 」
「まぁまぁ、皆さんが嫉妬するのもわかりますが、事実なので受け入れてください! 」
「な、なぁ緋夏? 詳しく聞かせてくれよ…… 」
「じゃあ、私も聞きたいです! 」
「いいでしょういいでしょう! 、あれはお昼休みの前なんですけどーーーー 」
ーーーー 先輩の話しはやっぱりただの勘違いというか、お門違いというか…… とにかく違う!
「ね、ねぇみーちゃん…… 今の話しに出てきた人ってさ…… 」
「たぶん初絵の想像してる通りだと思う…… 」
「よかった…… 全然違うじゃないか。」
久野先輩はよっぽど桜守先輩が心配なんだ、なんか姉妹みたいだな
「桜守先輩の勘違い武勇伝でしたね。」
「皆ひどくないですか!? これがナンパなのは、間違いないと思うんですけど…… 」
「わかりました、ナンパに遭われて大変でしたね先輩。」
「そんな憐れみの目を向けないください〜〜 ! 」
「そいつの名前って聞いたのか? この学校に若い男は目立つからな。」
「それが聞けませんでした…… で、でも名無しのジャージって言ってましたよ! 」
あ、確信した。絶対あいつだ
「でも良かったですね久野先輩、桜守先輩のナンパ談がこれで…… 」
「ああ、ほんとにな…… 昔からひょいひょい人にくっついていくから心配なんだよ。」
ほんとに姉妹みたい
「お姉さんですねもう。」
「ぐぬぬ…… 昔は私の方がお姉さんだったのにぃ! 、あっそうだ! そういえばまだありましたよ、ナンパ談。」
「今度はなんですか? 」
「へへーん、その人は言いました…… "今度貴方にお会いする時までには自分自身を研鑽して、いつか貴方をお迎えに行きます"って! 」
!!! !!!
「あ、あいつ…… じゃなくて、それもまた少し盛ってますよね先輩? 」
「それがノンフィクションです! 」
「絶対勘違いで…… 」
「きっとその、おマヌケさんに愛想尽きたんですね、話してる時も心底呆れてる感じでしたし。」
…… あの野郎
「先輩…… ちょっと今日は用事があるのでこれで失礼します! ゲームとても楽しかったです! 」
「み、みーちゃん!? す…… すいません失礼します。」
「行っちゃったか…… それで、ほんとのところはどういうやりとりだったんだ? 」
「バレてましたか…… 」
「悪い癖、熱くなると若干変な方向に話しが飛ぶ。」
「ちょっと間違えたかもしれないです…… あのやりとりはーーーー 」
ゴンッ!
「痛っ! 」
「反省しろ、全然違うじゃないか…… 」
「うぅ、ごめんなさい! 」
「今度来たら、誤解を解くぞ。」
「そうですね…… また賑やかになるといいな。」
「そうだな…… 」
ーーーー 時はホラーを味わった直後まで戻り……
「あんたも気をつけなさいよ、ただでさえ見た目不審オーラ全開なんだからさ! 」
「気をつけます。あのチ…… 、桜守?先輩はユニークな人っすね。」
あのおチビ、どう曲解したらあんな答えになるんだか…… おかげで真の恐怖を味わっちゃったよ
「たしかにね、初めてのゲーム体験と部活見学だったけど、楽しかったな…… 」
「良かったっすねほんと、松柴さんも楽しかったですか? 」
「え、あ…… はい…… 不思議とあまり緊張しなかったんです。」
少しだけど、話すのも慣れてきた感じが…… するようなしないような
「それまた良かった、今度対戦しますか? ゲーム部さんに負けないくらい種類ありますよ。」
「レース系もある? 」
「もちのろんです。松柴さんは好きなジャンルありますか? 」
「わ、私はなんでも…… 大丈夫だと思い…… ます。」
ここで乗ってくる辺り、ほんとに少し変わったな。こんな短期間で変わるもんだなぁ…… 若いって素晴らしいな
「了解っす。そんじゃ俺もそろそろ寮に帰りますわ、ゲームしたいんで…… 」
「ハイハイ…… あっそうだ、あんたにナンパは似合わないからゲームでもするなよ? 」
え、どういう意味!? 遠回しにゲームでもモテないって言いたいの!
「ひどいっすよ〜〜 、せめてゲームでくらいは青春したいっす…… もうとっくに春は過ぎてますからね俺は。」
「はぁ…… ま、いっか…… これにて審議は終了! お疲れ様。」
「宮田さん…… お疲れ様です。」
「ほいっす、お疲れ様です! 」
はぁ……怖かったし、恋愛不向き認定されるし、とんだ審議だった…… でも、二人の少し楽しそうな雰囲気が伝わってきたのはちょっとだけ、ほんのちょっとだけ嬉しかったような気もする。 あのおチビには感謝も込めて、お説教から文句くらいに下げておくか…… そういや、レース系は下手だったな俺は




