28話 怖すぎます……
三章 二十八話 「怖すぎます…… 」
浴場の掃除を終え、夕食を食べに向かう。今日、いるのは高井さん、竹やん、女将さん、お嬢さんか……
「もうお揃いですね、今日はなんすか?」
「お疲れ様、宮くん今日はカレーだってさ。」
「おぉ、カレーか…… レトルトには大変お世話になっております。」
「おいボウズ、俺の作ったカレーはレトルトの万倍は美味いぞ、この味知ったらもうレトルトは食えなくなるぞ。」
「マジっすか、そうなったら俺の食事の面倒は高井さんにお任せしますよ。」
「男を世話する趣味はねぇ、やっぱりレトルトも大事にしろ! 」
「遅く…… なり…… ました。」
おっ、松柴さんも来た
「お疲れ様っす、まだ用意してないんで大丈夫ですよ。」
「初絵〜〜 、ごめんね先に来ちゃって。」
「ううん、大丈夫だよ。」
「よし揃ったな! 来いボウズ、用意するぞ。」
え、俺が手伝うの? 初耳ですよ
「了解っす、やりますか。」
サラダ、味噌汁、佃煮、カレー…… なんだか色々ごっちゃになってる気がするけど、美味しいそうだからいいや
「じゃ、いただきますか。」
一同「いただきます! 」
「おお、さすがの美味さですよ高井さん。これで優しい女の子だったら結婚申し込みますね。」
「それで俺が女だったら、その申し込みを即断って終わりだ。悔しかったらもっと男らしくなれ! 」
「宮くんにそれはハードル高いですね。」
たしかに男らしくなるには、もう手遅れだ。性根が腐りきってますから
「ハードルどころか、世界線移動しないとダメなレベルになってるかな。」
「そうかい? 私ゃ告白するだけ男らしさを感じよ。最近の若いのは、告白されるまでしないんだからさ。」
よし、女将さんが俺側についたぞ
「そりゃ、こんな美味いご飯をタダで食べれるなら、喜んで告白しますよ。」
「誰がタダって言ったよ? もちろん食費は払ってもらう。」
「そこは要相談ですね、俺のことだから結婚してもゲームとかその他、娯楽を手放さないと思うんで。」
「うぁ、宮くん…… 僕もおんなじこと思ってしまった…… 改めないとダメかな? 」
なんで? 竹やんは俺の味方だよね? 同士だよね? まさか今までのは遊びだったの!?
「改めなくていいんだよ、改心するくらいなら役所で離婚届けもらってくるのが俺達だろ。」
「やっぱりそれでいいんだ僕達は! 」
「あたり前だろ。」
「女将…… このボウズ二人はどう見ても男らしくはないと思う。とゆうか思ってたくない。」
「私の目も老いたわ…… 」
結果…… 男らしくはなれないと思います。
「あ、ゲームで思い出したんだけど、私と初絵はゲーム部に入部しました! 」
「おお、よかったですねお嬢! 」
「僕もゲーム部なら入ってみたい。」
「よかったっすね、お嬢さん。これでいつかはお二人とゲームの会話ができる日が来るってことですね。」
「そうかい、自分で決めたなら最後まで頑張ってみな。」
「みんな…… ありがとね、この話は今度ゆっくりってことで、それより…… 凛誉くん? ちょっといいかな? 」
一同 「!!! !!! 」
「お、俺ぁ厨房の様子を見に行ってくるわ! とにかくお嬢、部活頑張ってくれ! 」
「ぼ、僕も早めに出て準備しなきゃ…… 」
お前ら、この間も逃げたよな! 助けてくれません!?
「私も今日は居間の方でテレビ見てくるわ…… 」
女将さんんんん!!!
結局、俺とお嬢さん、松柴さんの三人になっちまった……
つーか、皆んなどんだけ動揺してんだよ! かくいう俺も、君付けされて心臓止まるかと思ったけどなんとか堪えてるんですよ!
「そ、そういえばさっき言ってましたね、話しがあるって…… 」
「うんうん、ごめんね付き合わせちゃって。」
「い、いえ俺は全然大丈夫でひゅ…… ですけど、松柴さんは大丈夫ですか? 」
「わ、私は大丈夫です。」
「初絵は証人だからいてもらわないとね。」
証人? 証人ってなんの? 痴漢? 俺そんなことしないよ…… ラッキースケベはいつでも大歓迎だけど
「証人…… すか、えーっとなんかしましたっけ俺。」
「全然、むしろありがとうございます。今日は忘れた財布とお弁当を届けに来てくれて。」
「え? あ、ああ…… お役に立てたのなら何よりですよ。」
「なんでそんなに怯えてるの? ただ感謝してるだけだよ? 」
わかってる…… でも、その笑顔見ると不思議と手が震えるんです。普通はトキメイたり、可愛いと感じるのだろうが、全く違う…… 恐怖が支配してきます
「怯えてないですよぉ、ただお嬢さんの俺に対する呼び方が変わったなぁって…… 」
「だって、あなたも私の呼び方変えたじゃない? 」
え、俺は変えてなくない?
「俺はいつも通りだと思いま…… 」
「おマヌケさん。」
!!!!!!
「お、おマヌケさん? …… なんの話しですか? 」
ヤバイヤバイ、たしかに言った…… でもあれって
「前日に少し傷心気味で泣きそうになって、部活どうしよう、と悩んで起きるのが遅れて慌てて行った私がおマヌケさんねぇ…… 」
あれ? 言いふらしたっけ俺…… いや、言ってない! どこで聞いたんだ、もしかして女将系譜のスキル、魔眼の力なのか!?
「聞き違いじゃないですか? そんこと言った覚えが…… 」
「桜守って名前知ってる? 」
さくらもり? さくらもり…… !! あ、道教えてくれた、自称レディーちゃん
「お嬢さんの学校の生徒さんですよね、道教えてもらったんですよ…… はい。」
「あの人ねぇ…… 私と初絵が入部した部活の先輩なんだよ〜〜 」
会話を重ねるごとに、どんどん悟ってきてしまいます。もう逃げ道が……
「へ、へぇ …… や、優しそうな先輩ですね! 初対面の俺にも親切にしてくれたんで、良かったっすねお嬢さん! 」
「うんうん、とても感じの良い先輩なんだ。でもね、今日少し見学してる時の話しでさ…… ナンパされたんだってぇ、若いジャージの男にっ!…… それってあんただよね? 」
ナンパ…… だと!? 俺の嫌いな行為ベスト3には入ってることなんですけど! というか、あのちびっ子〜〜 !何誤解を招くようなこと言ってんの!?
「は? …… ナンパですか、そりゃ誤解してますねその人、俺はただ道教えてもらっただけです。そもそも、ナンパのナの字も知らない男がそんなのできるわけがない! 」
「た、たしかに…… あの先輩、ちょっと天然入ってそうだしな…… でも、おマヌケさんは認めるのね。 」
ぐぅ…… それは…… どうしようもない。よし、褒め殺し作戦で行こう
「初対面の相手に緊張をさせない為、あえてそういうくだけた感じで言ったんですよ…… お嬢さんはおマヌケどころか、立派な慧眼の持ち主です! 」
「慧眼…… ま、まぁね! 私だって届けてくれたことには感謝してる、それに…… 一応は信用してるしね…… わかったわ今回は見逃す。でも、もしまた同じようなことになったら楽しみにしておいてね? 」
ほんと怖い…… 歌舞伎役者と同じくらいの眼力だよ。女の子としてそれはどうよ
「ほんとに誤解なんですけどね…… でもよかった、ありがとうございます! 」
「だから言ったじゃんみーちゃん、絶対誤解だよって。」
「まぁ、初絵は最初から庇ってたよね…… でもこいつならやりかねないと思ったの! 」
「でも信用してるんでしょ? クスクス 」
「少しはね…… 」
「松柴さーん! ありがとうございますぅ! なんか信用してくれて、めちゃくちゃ嬉しいっすほんとにぃ! 」
疑われてる&嫌われてると思ってた分、ほんと嬉しい気がする…… チョロいのは俺もか
「ふぇ!? …… あ、は…… はい、どうもです…… すいません、近いです…… 」
「あんた…… いっぺん、更生してみる? 」
しまった! 勢いでまたらしくないことしてしまった…… つーか怖すぎますよお嬢さん、今の顔のおかげで今後ホラー映画を観てもお嬢さんの方が怖いって思い出すレベルですよ…… マジホラーすぎます
あと、あのちびっ子…… 二度と行かないと思うけど、会ったら説教してやる!




