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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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26話 やっぱりデカいな



三章 二十六話 「初対面相手に…… 」



まさか、こんなご立派な学校に通う生徒が俺と同じ趣味を持っているのかもしれないと思うと、なんか親近感を覚える。もっとこう勉強勉強って、感じだとばかり……


「そんじゃホントにありがとうね、道教えてくれて。助かったっす。」


「いえいえ、力になれたのなら良かったです。もしかして、ここの先生になる方ですか? 」


絶対、死んでも、嫌! (ア○カ風)それが俺のまごころだ。

「ありえないありえない、知り合いのおマヌケさんに忘れ物を届けに来ただけですよ。」


「おマヌケさん…… ですか、勘が外れました。てっきり先生になるのかなぁって。」


「俺が先生なんぞになったら、授業やめてゲーム談義、宿題をアニメ感想とかになって、即解雇。」


「私はその授業ありだと思います! ゲームお好きなんですか? 」


ダメだろ、そんな授業…… でもそれならやってみたい。解雇で済むかなぁ…… 親御さんに裁判起こされるかもな。


「好きですよ、レディーちゃんの持ってるストラップ…… そのヒロインが出てくるシリーズは6回くらい周回してますからね。」


「おお! まさか以外なところで同志と会えるとは…… って、レディーちゃんじゃありません!」


ノリツッコミ…… ホント面白いな。俺までノリに乗っかってるしな。

「レディーって言ってませんでしたっけ? 」


「お嬢ちゃんじゃなくてレディーって言ったんです! 私には桜守(さくらもり) 緋夏(ひな)っていう名前があります! 」


さくらもり…… ひな、か…… どんな字だろう?


「初対面に名前、名乗るは控えた方がいいと思うぞ。」


「あっ…… し、信用して…… ますよ? わ、私は名乗ったんですからそっちも教えてください! 」


え、そのルールだと俺に一切勝ち目ないんですけど…… ていうか、今完全にしまった! って思ったよね?


「俺はな…… うーん、名無しのジャージっていうんだ、じゃあな。」


「絶対嘘ですよね!? それから私はあのゲーム8回は、周回してますから! 」


「そりゃすげ〜〜 俺の完敗だ〜〜 。今度会うことがあるならその時までに、10周目指しておくわ〜〜 」


ま、二度と会わないだろうけどね、なんせ俺は二度とこんなところには来ないから。





さくらもりさんとやらが、言うのには二階の渡り廊下を歩いて行けばすぐ目につくって言ってたな。

それにしても、面白い子だった。初対面相手にあそこまでノリが良いとは思わなかった。


「あ、ホントにわかりやすい。」


なんでこんな、単純に行けるのに迷っちまったんだ。


「うぅ、なんか緊張するな…… よし、行くか。」


だって生徒じゃないし、不審者丸出しなんだもん。


「あのぉ、失礼します。」


「何か御用ですか? 来客予定は聞いていないのですが…… 」


うぉ、女の人だ…… 女子校で女教師、ポイント高いっす!


「あ、えっと…… こちらでお世話になっている、郷橋(さとはし)さんに忘れ物を届けに来たんです。」


「郷橋…… 2年の郷橋 美羽さんですか? 」


「そうですそうです、これなんですけど…… 財布と弁当です。誰にお預けしたらよろしいでしょうか? 」


「でしたら、私が預かりますよ。郷橋さんの担任ですから。」


担任!? 担任ってあの担任? …… 担任!!!


「た、担任の先生でしたか…… それはそれは、いつも大変お嬢さんがお世話になっております。」


「いえいえ、郷橋さんはとても気回りがきく良い生徒なので、全然手がかかりませんよ。」


え、嘘でしょ? あの台風みたいなお嬢さんが…… どんな皮被ってんだよ。


「それは先生のご指導ご鞭撻の賜物です。本人が聞いたら、さぞ喜ぶことでしょう。」


「そんなそんな…… 、それよりお兄さんは…… 郷橋さんの恋人とかですか? 」


は? ひ? ふ? へ? は? あっ、ほが出なかった。


「はは、違いますよ。お嬢さんの御祖母が経営なさっている、旅館で勤めさせていただいている者です。」


「ご、ごめんなさい! あまり浮ついた話しを聞かない子なので、恋人とかいるのかなぁって思ってしまって。」


「早く、良い婿候補が見つかるといいんですけどね。それじゃ、用も済んだので帰ることにします。」


「わかりました。郷橋さんにはちゃんと責任を持って、渡しておきます。」


「よろしくお願いします。それでは失礼します。」


終わったぁ…… まだチャイム鳴ってないな、よし早く出よう。


「ほぅあんたが、あの宿で働いてる男かい? 」




誰だ、このコワモテの婆さん。


「たしかに、旅館で勤めている者ですが…… 」


「なんだい? その反応、私はこの学校の校長だよ。孫が忘れ物したから、使いをよこしたって聞いたものでね。」


校長…… 今度は校長かよぉ! もう帰りたいんですけど!?


「これは、失礼しました。今日はこちらに入れるように、取り計らっていただいて感謝しております。女将に代わり、お礼を申し上げます。」


「若いのに礼儀が良いね、自前かい? それとも女将の仕込みかい? 」


「後者です。使いものにならない私を、一から修行をつけていただいたので、その一環に礼儀作法も含まれておりました。」


「昔は、とんでもない聞かん坊だったのに…… 年はとりたくないね。」


なにそれ、すげぇ気になる! …… お友達なのかな?

聞きたいけど、帰りたいが勝る。


「なんとなく…… ですが、想像できます。」


そりゃ、あの孫を見てればなんとなくわかる


「ははは! そうだろそうだろう! 、引き止めて悪かったね、お使いご苦労様。」


「それでは失礼致します。」


よし! まだチャイムには間に合うな、早く出よう。



外に出ると、物凄い解放感に満たされた。


「生きてる…… 帰れる! 」


大げさ? いやいや、ホントに錯覚できるレベルで疲れる。見納めだ、二度と来ることはないからどんな学校かよく記憶しておこう…… やっぱりデカイな。





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