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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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24話 帰りてぇ……



三章 二十四話 「こっちこそ…… 」



なん…… だと、弁当と財布を忘れてただぁ!? たしかにバ…… と言いたいがそれよりも他に行く人いないのかよ。


「えーっと、その…… 俺ですか? 」


「あんたもう休憩入るでしょ、他のはまだ仕事残ってたり軽く食事取ってるから空いてないんだよ。」


俺だってゲームしたい。昨日はとうとうできなかったからな…… 中抜け(休憩のこと)が3、4時間あればかなり進むんですよ


「お、俺も今からなんか食べておこうかなって思ったんですけど…… すいません。」


「なら帰りに適当に食べてきな、その分のお金はあげるから。バス代も払うよもちろんね。」


そうじゃないんです。ただ行きたくないだけです。

女子高って、どんなラノベだよ。リアルでこんな奴が行ってみろ、即警備員に捕まりますね


「絶対行かなきゃダメですか? お嬢さんも弁当無いならで別に…… って財布も忘れてましたね。」


「そうなんだよ…… それにあと少しでバスが来るのよ、時間の問題から見てもあんたが行ってくれると助かるんだけどねぇ。」


たしかに全然バスないもんね。はぁ、仕方ない最後の反撃をしてみるか


「それはわかりましたけど、俺みたいのが行って大丈夫なんですか? 一応男ですし、歳も若い方…… なはずです。捕まったりとか、捕縛されたりとかないんですか? 」


「そんなに捕まりたいのかい。その心配はないよ、あそこの、学校のババァとは昔からの知り合いだからね、あんたがよっぽどなことしなければ大丈夫だよ。 する度量があるとは思えないから行かすのさ。」


そうか、そういえば知り合いとか言ってたな。それにしてもよくわかってるぜ、そんな度量はたしかにない。こりゃもう行く流れか…… メンドイ


「了解っす。俺が持ってる服ジャージしかないんですけど大丈夫ですよね。」


「誰もあんたの服なんて気にしないから、行ってきな。気をつけて行くんだよ。」


「ですね、んじゃ行ってきますわ。」


寮に戻って来たが、すぐ着替えて出発しなければならないから切ないよ


「メンドイ、暑い、ダルい、なんで行かなきゃダメなんだよ、独り文句なら良いよね言っても。」


昼食を食べる時間もあるし、やっぱり休憩時間中には起動できないな…… ごめんよ。俺には昼食を取らないでゲームをするって選択肢を選べないから、ガチ勢の方々には頭が上がらない


「そんじゃ、行ってくるか。」




バスが来るのを待つなんて久しぶりだな。普段は遠出する時は、板前さん達の車に乗せてってもらうからな。酔わないかな


「あちぃ、5月ももう夏ってことにするべきだと思う。」


梅雨?そんなのは知らない。だって四季で完結してるじゃん日本は


くだらないことを考えてるうちにバスが来た


「来たか…… 。」


おお、バスの運転手さんだ…… なんでこんなことに反応してんだよ


「後払いだから後ろ座って。」


しまったぁ! 普段乗らないから間違えた。恥ずかしいよ〜


「すいません、ありがとうございます。」


ふぅ、都会から来てすぐの奴かよ、または観光の人。3年いるのにそれだけバスに乗る機会がなかった証拠だな……


「お、結構きれいだな。」


今まで景色を気にして見てなかったせいか、バスから見える景色は思いの外新鮮な感じがする。


「どこまで行くんだい? 」


びっくりした〜 。いきなり別次元からお呼びがかかったかと思ったが、バスのアナウンスだ。変なことに使うなよ


「えーと、翠鳴(すいめい)っていう学校まで用があるんです。」


「なんだって? 聞こえないよ! 」


大きな声出させないで〜 仕事に影響が…… でないか、近くの席に移ろう


「えーと! 翠鳴っていう学校に用があるんですよねー !」


「ははは! お兄さん、ナンパかい? やめておきな、あそこはえらい頭の良い学校だから、きっと警備も厳しいぞ。」


ナンパだと? この俺は生まれてこのかた…… って言っても18年分の記憶がないとしても、絶対ナンパなんてしたことがないはずだ。あんなん見てるだけで恥ずかしいくなる


「違います、違いますよ知り合いに忘れ物届けに行くんですよ。」


「身内が通ってんのかい? すげーな。」


え、そんなすごいのあの学校。まぁ、全然知らないんだけどさ


「まぁ、身内? っぽい感じです。」


「そうか、ならいい経験になるな女子高なんて、入れないもんな。おじちゃんももう少し若ければ無理したんだけど。」


「はは、捕まるんじゃないですか? 文化祭的なやつを狙って行くならわかりますけどね。」


「へっ! 文化祭なんて歳じゃねぇ。」


「なら俺も文化祭なんてガラじゃないんで。」


「面白いな、お兄さん! どこに住んでんの? 」


夢幸(むこう)の運びっていう旅館の仲居です。ちなみに寮住まいです。」


「あー、あの旅館ね! 知ってるよ。よし、今度泊まりに行くよ、そんときゃよろしく。」


「心よりお待ち申しております。あ、運転には集中してくださいね、事故とか勘弁ですよ。」


「誰に向かって言ってんだ、この道30年以上のベテランだぞ! 話しながらよそ見しながらでも行ける。」


「そりゃ心強い、保険とかたぶんかけてないから、死に損なんでね。」


もしかしたら、女将さんがかけてるかもしれないけどよくわからん


「口達者なやつだ、よし! そんじゃ運転手らしく運転してやるよ。」


「かっこいいこと言わんでくださいよ。」




あれから結構走ったのに、まだまだ自然豊かな場所だな。どんだけ田舎なんだよ、悪くはないけど


「そろそろ着くぞ、起きな。」


「起きてますって、着くのが早く感じますよ景色見てると。」


「年寄り臭いこと言わんでくれ、若いのが。」


たまに言われるけど、そんな年寄り臭いかな


「じゃもう歳なんすね、きっと。…… 学校までって簡単に行けますか? 」


「知らないのかよ、バス停から数分歩けば見えてくるから心配しないでいい。熊が出たら運がないって割り切れ。」


クソ、降りる直前に怖いこと言うなよ。マジであり得るからねソレ


「鈴、持ってくれば良かったです。まぁ出たら、殺されて死ぬまでは逃げて見せますよ。」


「死ぬまでは、か…… ホント面白いことばっかり言うお兄さんだ。こりゃ近いうちに泊まりに行くな。」


そりゃ死んだら、その場で終わりだからね。面白いことを言ったつもりではなかったんだけどな


「こっちこそ、良い運転手さんに出会えて今日のこの届けに行く不運に感謝っす。」


「嬉しいねぇ、でもバス賃はまけないよ。」


「そんな期待はしてないですって。」




全然酔わなかったな。良い運転手さんだったような気がする。泊まりに来てくれたら晩酌くらいは付き合うかな


「おいおい看板があるじゃないか、聞かなくても良かったな。」


数分歩いた、そして目の前の物体に驚いてしまった


「で、でかい…… すんげー 」


名門だがなんか知らないけど、学校ってこんな迫力があるもんなのか?


「行くか…… 帰りてぇ。」


ホントに門くぐりたくないです。



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