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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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18話 相談なんてのは……


三章 十八話 「こぉんのガキンチョ…… 」



相談をさせてほしいと宣告された。普段、あまり相談だの悩みだのを周囲に漏らすことをしないからな。俺なんてよく愚痴をこぼしてるのに、見習いたいもんだ。


気になって掃除の最後の方は、少し雑になってしまったかもしれん。誰か気づいたらどいしよ、でも怒んないで! ほら、日常じゃないことが起こったら少し動揺してテンパるじゃん? つか、その場合はお嬢さんにも弁護してもらおう。してくれるかな……


お、仲居チームが夕食の後片付けを終えて戻ってくる。挨拶はしておかんとな、でも今日はイヤミ言われる予感がする。


いやだなぁ、責めないでほしいな〜 。だからってここで、回避行動すると後々さらにひどい話しがバイオハザードしそうだしな。


「あ、浜路さん! お疲れ様でした。皆さんもお疲れ様です。今日はホントすいません、色々とご面倒をかけてしまって。しかしもう大丈夫です! 惚け魔は卒業して、ちゃんと明日からはバリバリ働いてる予定です。」


「お疲れ様、そうかいそれならいいんだけどね。その卒業見込みがなくなってたら、今度は何に就職するのか、楽しみだわ〜 。」


「だ、大丈夫ですよー 。俺の予定は基本守るがモットーにしてますから、そこは信用しておいてください。」


「なら、直にこの目で見てから信用するよ。私らは上がって帰るけどあんたと、みー、初絵は夕飯食べてくんだろ? 」


「ま、せっかくの鯛様と板前チームの料理っすからね。それに基本まかないのある日は食べてくんで、節約になるし。」


ホントだよ、節約になりすぎて超助かってる。まかないのおかげで飯代は浮いて、それをゲームに趣味(主にゲーム関連)に注げるから旅館様様である。


「あら、料理より節約が目的かい? 板前が聞いたら泣くね。宮田(みやた)は料理より金よ〜 って。」


「はははは! もちろん、料理を食べさせて頂くことが至高であります! …… ので勘弁してください。」


そんなこと言われたら、鯛の前に俺が捌かれるじゃん。クッソ、どんだけ今日の俺はいじられるんだ。ちょっとサボっただけよん。


「しっかり食べて、明日からに備えなさいよ。お疲れ様。」


「頑張ります! お疲れ様です。」


オババめ、最後の方に優しくしたからって陥落しないぞ! 俺はそんなチョロくねぇ。優しくしないでよ〜 、全部忘れそうになるよぉ。




「フン、タダ飯を食べるだけってこの旅館じゃ、あんただけかもよ。」


え〜、オババの後はお嬢かよ…… これから一緒に食卓囲むのにやめてよ。


「うぅ、お嬢さんまでその扱いするのは許してください。今日はもう散々にいじられたんで、お仕置き済みですから。」


「あらそう。でも朝のやりとりの後もサボったていうように聞こえたけど? 」


まずい…… バレる。


「違いますよ〜 、あれはお嬢さんに叱ってもらったって話しを浜路さんにしたら、あれよあれよの内に広まってしまって結果この様で。」


「嘘ね、あんたが自分から叱ってもらったとか言うわけないじゃん。そんな省みる性格でしたっけ? 」


そんな省みる性格ではなかった〜! ヤベェどうしよ、適当に誤魔化したいけどなんもねぇ。 そ、そうだ! たしか相談があるとか言ってたよな、よし。


「最近はやっぱり叱ってもらうことが、大切なんだと思ってきて在り方を変えたんです! あれ? そういえばお嬢さん、なんか相談があるんですよね。」


「え? そ、そうなんだいい変化ね。知らなかったわ。相談…… うーん、それはご飯の時に話す。大丈夫大丈夫! そんな重いやつじゃないかさ。」


良かった、誤魔化せた〜。 すいませんお嬢さん、全然そんな変化ありません。しかし嘘でもないですよ、これからは周囲に気をつけてサボっ…… じゃなくて力の入れ方を考えます! 仕事はしますよ〜 ちゃんと


「良かったっす。 まぁ相談はしたい時にしてください。4分の1くらいは解決に力を貸せるかもしれないですから。」


「あんた…… それ、半分もないけどもう少し頼りになる返事はなかったのか。」


「いやいや! 俺の力じゃたかが知れてるから、そんな期待はしないでくださいってことです。」


そーそ。変に期待されても、大抵のことはどうにもならない方がいいんだ。だったら初めから、俺は頼りにならないアピールした方がこっちも気が楽だし。


「なるほど、彼女いない=年齢の男は言うことが違うね。これならその辺にチャラチャラした奴の方がまともに見えるわ。」


ぐっはぁ! それはダメージでかいぞ。いや、もう多分くたばったかもしれない。


「い、いや、で…… でも、チャラ男よりは…… 誠実さがあるの…… で、いつかは彼女…… 。」


「できないに決まってるでしょ! 」


「べ、別にいらないですよぉ…… だって、部屋に帰ればまた可愛い魔法使いちゃんや騎士ちゃん達との、めくるめく冒険が待ってるんで! 」


そうだ! 何を焦っている。俺にはかけがえのない存在が既にある! 今さら3次元の彼女なんぞ微塵も欲しくねぇし! そもそも3次元女はロクなもんじゃない。


「うぇ…… そんで最後はそのキモい開き直り…… ハァ、ならその子達に見捨てられないようにその世界では頑張ってください。21歳の男性接客業さん。」


こぉんのガキンチョ、女将さんの孫じゃなかったら全力でカッコいいことして惚れさせてやる! そんでごめんなさいしてやる。 …… 絶対無理だわ俺には、まさか思ってから1秒で否定できるとは悲しい


「言われなくても頑張りますぅ!です。 …… あれ、あそこにいるの松柴さんじゃ、行かなくていいんすか? 多分会話に入れなくて、あそこでスタンバイしてる状態ですよ。」


「ホントだ、下らない話しをさせないでよね! とにかく相談よろしく。行こ、初絵。」




えぇ、 下らない話しってお嬢さんから振ってきたんすけど…… ま、いいか。


「さてと、そんじゃ相談とやらが待ち受けてる食卓に向かいますか俺も。面倒は嫌だぞ〜 マジで。」


そして女将さん、松柴さん、お嬢さん、板前のオッチャンの方、が揃っている。あと俺か…… せっかくの鯛料理なんだけどな〜




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