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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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121話 冗談ってことで



三章 百二十一話 「冗談ってことで 」



夢かな? とても落ち着く、懐かしいような空間。


前も見たな、あの子がいる。白髪の綺麗な子だ。何かの病気で、その髪色なの? それとも、その若さで苦労しすぎた?


そして…… 俺とそっくりな顔つきの野郎までセットでな。


なんのゲームをしてた? 2回目の夢まで見るってことは、相当やりこんだか、よっぽど面白い作品か。


きっと俺が自分そっくりのキャラメイクで、女の子とキャッキャウフフをする内容? ん〜…… でも3次元だよなぁ、どう見ても。


それにしても仲良しさんだ。そこの男は、なびかないだろう? どんなテクニックで仲良しになったの?


愚問だな…… 君は人間を信じて希望も忘れないから、誰とでも仲良くなれるんだよ。あれ? 俺はなんでこの2人のことを知ってるんだ?


ん〜…… ん〜…… 思い出せない。どんな神ゲーだったんだ? ここまでキャラを理解させるなんてさ。


理解してるから不思議なんだ、その男は誰に対してもどんなもの対しても、関心も安らぎも無いと諦めてたはずの奴なのに君の横では、なんでかなぁ……

柔らかな表情を見せやがる。


本当の意味で寝ることができないような、疑り深い男が…… 安らかに眠りにつくことができる場所を与えられる存在。





おや? 場所は前と一緒で学校? みたいなところなんだけど、新しく4人の子達が2人の輪に入る。


ハーレムかよ、ぶっ飛ばすぞ!


でも違う…… そういうわけじゃないような、まんまその通りなような…… どっちだよ。


新しく輪に入った子達も知ってる。名前とかは覚えてないけど、君らは…… 友人として認識されてると思うよ、そいつにさ。


そいつの横にいるのは苦労するだろ? わかるぞ、たぶん並大抵の努力じゃ近くで立つのも、憚かるような奴だもんな。


それでも君達は、一緒にいる。最初は怖かったろうに…… でも、そこの白髪の子が全部ひっくり返したろ! そんな気がするんだ。これまた不思議…… なんであの子達ことも知ってるんだ?


まぁでもその子は負けない。たまにそこの男に負けるが、対等以上に会話できるし、競うこともできる。負けてくれないと困る、なんせ進むことしか出来ない奴なんだ。


5人の子達と仏頂面の野郎は、ただ部屋の中で話してるだけ…… それが何よりも得難いものだったから幸せな時間だと思ってるのか、お前は。


君達に教えてあげたい。そこのバカは、何よりも大切な場所だと考えてるぞってね。普段はそうして、うっぜぇ素振りだけど…… その想いは強すぎるまであるんだよ? ただちょっと強すぎるんだ、想いがさ。


いや…… そんなこと言わなくても、君達は知ってるか…… だってーー



ーー わかりにくいがそいつ、笑みを浮かべてる…… それが答えだ。





ーーーー もう少し見ていたかったが、残念ながら意識がはっきりと戻る。


「…… はぁ 」


ここはどこだ? あの世ではなさそう…… かと言って、俺が一番最初に目覚めた時の病院のような場所でもない。どこだろう……


すると、1人の女性が声をかけてくれる。


「あら、起きたの? 」


白衣のお姉さん…… まじっすか、俺はなんか良いことしたのか? ご褒美だな。3次元だけど。


「あの…… ここ…… は? 」


「ここ? 保険室よ。初めて来たわよね 」


「保険…… 室 」


なんだそりゃ…… 俺には縁がないと思っていました。てことは、翠鳴の学校内にいるのか。


「びっくりしたわ〜 倒れちゃってさ、救急車でも呼んであげようかと思っだけど、郷橋さんが寝かせれば大丈夫って言ってねぇ 」


「あ〜…… まぁたしかに…… 」


さすがお嬢さんだぜ、よくわかってる。救急車とか怖いわ…… 実際乗るのはマジで怖そう。


「お礼は言わないとね、桜守ちゃんと郷橋さん達が一緒にここまで運ぶの手伝ってくれたのよ? 」


「まじっすか…… ダイエットしときゃよかった 」


体育の先生とかが運んでくれればよかったのにぃ…… なんて思うのはダメですよねぇ。


「そんなナヨっとした体でダイエットなんかしたら、死ぬわよ 」


「なら…… ふぅ…… 普通にありがとうですね 」


「そうしなさい。ところで君、いくつ? 」


「え? えっと、22になりました 」


歳のことを聞くなんて失礼だわ!

最近、老いたな〜って思うので考えたくないんです。


「22…… 若っ! うーん…… でも全然いける! ねぇ! 私、25なんだけどお付き合いしてる人とかいる? 」


「は…… え…… お付き合い? してないです 」


なんの質問? 初めてされたんですけど!?


「ならさ、付き合ってみない? 」


「え…… あ〜…… はは…… あ〜…… え? 」


どどどどういこと!? 人生…… と言っても、目覚めてからだけど、初のナンパ? しかも逆ナン!?


なんでだ、この人とは初対面だぞ、騙す気か?

いや、教員だから俺より給料高いはず…… なんでだ? 見た目ちょっとエロいなと思ってだけど。


「どうどう? 真面目に考えてよ 」


「い、いや…… めひゃくひゃ…… めちゃくちゃ真剣ですよ? ただ…… え、なんでかなと 」


一目惚れとか? そんなのは迷信だよな…… 理由がわからない。でもうれちぃ、でも騙されないぞ。


「理由? そうね…… とんでもなく頭いいでしょ?そこそこの優良物件かなぁって、将来安泰じゃん 」


「なんの…… ことですか? 」


将来安泰? 何おっしゃっているのでしょうか、常に足元がぐらついているのですが。


「またまた〜 うちの麗さんを、あそこまで差をつけて勝つなんて、大学教授でも無理よ。それをその若さでやるんだもの…… 惹かれたわぁ 」


「うるわし? 」


なんのこっちゃ…… うるわしさんって、誰?

差をつけて勝つ…… もしかして対抗戦のこと言ってるの? だとしたら、うるわしって生徒会長さんのことか?


えらい綺麗なお名前ですね〜


「そんなキョトンってする? すごいわよ、君の方のボード…… あの速さでこの丁寧な仕上げた様は秀逸以上だったって 」


「えっと…… よくわからないんすよね 」


対抗戦のことは覚えてるけど、俺のやったことはあまり覚えてない…… 酷かった以外はな。


「えぇ〜隠すタイプ? まぁいいわ、それで? どう? 交際オーケーかな 」


「い、い、い、いや…… まじゅっ…… ゴホッ、まずはお互いのことを知って…… やっぱ無理だ 」


「そんな焦んないで、なになに? 」


「大変光栄ですが、わたくしめは2次元を愛してしまっているので、リアルではちょっと…… 」


そして向こうの世界も俺も愛してくれている。つまり相思相愛…… よって入る余地無し!


「あー…… そういうタイプね…… はいはい。わかりましたよ〜 」


「冗談ってことで終わりましょ 」


「そうね、さすがに私も無理だわ 」


「ひっでぇ 」



俺のラブコメ展開…… 数秒で終わったか…… 全然惜しくありませぇん! リアルの年上とか、ちょっと無理だし、難易度高いし、遊ばれ捨てられるし!


だから3次元嫌なんだよ。そんな冷たい目にならないで…… 死んじゃうぞ。


本気だったのか? それとも冗談なのか…… お姉さんタイプは俺には未知の世界なんだなと思います。






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