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すんません 、「俺」は、記憶ないっす  作者: 志奏
三章 「果つることなき想いは再びに」
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101話 読み方は正しく



三章 百一話 「読み方は正しく 」



最近は嫌なもんばかり学習するな…… 自分の為になることがほとんどない。強いて挙げれば、歳上なんてなんの意味もないんですねって、ことかな。


1時間ちょっとくらい経つ頃に、やっと死にゲーを部分的にだが攻略し始めた。


さすがゲーム部を名乗るだけはある。この死にゲーは苦手な人だと、即諦めて中古ショップに行くレベルのやつなのに、久野は断念することなく進めていく。



「やっと2ステージ目が終わった〜 」


「お疲れさん。すごいな、もうコツを掴めたのか? 」


だとしたらマジですごい。俺はそのゲーム慣れる…… っていうか、ステージをクリアするのに、日にち跨いだんだけど。


「ほんと難しいなコレ、何回台パンしようとしたか…… 耐えた私は偉い 」


怖っ…… 元々怖いんだからさ、発言にも気をつけてくださいね? 何もしなくてもびびっちゃう。


「俺のコントローラーじゃないから、好きなだけ壊してもいいよ 」


俺のだったら全力を尽くして守るけど。まぁ学校? それともここの部員の私物? だかは知らんがな。


「誰が壊すか…… これ、緋夏のだし 」


「あーあ、じゃあ余計にダメじゃん。台パンなんてしたら怒られるだろ 」


しかも愛してる一歩手前なのか、もう通り過ぎたのかもしれない相手のをさ。


「残念、床をパーンしただけだし 」


「床をパーンか、ならいいんじゃね。先生の前ではやるなよ? さらにこの部活の評価が下がる 」


側から見たらゲームして怒って、床をパーンする生徒を先生はどう見ると思うよ。俺みたいな先生なら、わかるな〜で済むけど。


「もう下がってるみたいな言い方すんなよ 」


「上がってないから、生徒会の意見に賛成する奴が多いんだろ…… その結果、今日だぞ 」


おかげで俺まで、今日の対抗戦に出ることになってるんだからさ。


「それは生徒会の気に逆らえないんだ 」


「なんだよ気って、そんな気とやらはあの会長さんには無かったよ。あったのは、Sっ気だ 」


「気じゃないか 」


「き、じゃない、け、な。読み方は正しく 」


Sっ気は感じたよ? でもお前の言う、かめ○め波が撃てるようなやつじゃないよ。


鞭で叩き、縄で縛り、言葉で追い詰めるのが好きな奴の素質ってことね。


これ…… あの会長さんに、めちゃくちゃ失礼なこと言ってる気もしてきた。





ーーーー さらに少しだけ時間が経った


「クソが! なんでこんなにダメージ喰らうの! 」


ヒィィィ! 怖いよぉ…… 俺に怒ってるんじゃないよね? ゲームに対してですよね?


「落ちつけって 」


「このステージすごい難しいんだけど!? 何これ? 嫌がらせなのか? いい度胸してる 」


「結構良いところまで行ってるじゃん。あとは、ステージボスを倒せばいいだけ 」


そこまで行ってるだけでも、すごいと思うよ。


ただ…… そのステージはこのゲームを買ったユーザーの半分を脱落させてきたステージだから、その気持ちはわかるぞ。


「それができないの! ダメージ量おかしいよ! 」


「ですよね〜…… ま、まぁ何回かやってればそのうち慣れるって 」


「できる気がしない 」


「お、諦め? 」


「は? 」


「だよな、頑張れ 」


そこで諦めるタイプなら俺は、この部においてここまで難儀することはないからさ…… 良いんだか、悪いんだか、わかんないや。




ーーーー さらに少しだけ時間が経ち



「いよっっしゃ! クリアした! 」


「おめっとさん。そこができたら、もうそのゲームの虜になってるだろ? 」


クリアできない…… でもそれをクリアする。

そしてハマるスパイラルです。


「あぁ…… こりゃハマる 」


「続編出たら、俺より先に買いそうだ 」


「フラゲしてでも早くやる 」


「そこまでっすか…… ま、楽しそうでなにより 」


俺はさっきまで、そのクリアできない怒りがこっちに向かないかが心配でしたけどね。


「もう少しで、時間だな 」


「もうそんなに経つのか、お前がゲームしてるの見てたから時計見てなかった 」


やだな〜 てことは、そろそろ対抗戦とやらか。


「ゲーム勝負だったら、あの会長でも勝てるんだけどな 」


「あれ? そんじゃ勉強だと勝てないのか? そっかあ…… この部とも早々にお別れかな 」


「違うし、ゲームだと圧勝なのにってこと。それにこの部が無くなると困るんだろ? 」


「あぁ困るよ。サボれなくなるから 」


さすがに毎日、花壇の世話や校庭の整備なんかしてたら、身体がもちません。


「素直じゃないな〜 この部を守りたい! だろ? 」


「ははは…… なんだそりゃ最高に面白い。そんなキャラだったら、もう少し自分に自信持って生活してます 」


マジでこれ。そんな何かを守りたい! なんて考えたことはねぇ…… あっ、自分自身を守りたい! は常に考えてるかも。


「そうだよな。だからそんな自分に嫌気がさしてるんだろ? 毎日 」


「まさか、こんな自分を誰よりも愛してるから、毎日が灰色に輝いてるんです 」


「灰色かよ…… 色がついてるだけマシか 」


「つかないほうが良い色もあるけどな 」


灰色過ぎて、煌びやかな色を塗っても映えなくなってるし。


「なら今日勝って、さらに自分を愛せるように頑張ってくれよ 」


「もう自分を愛し尽くしてるから、上がりようがない。そっちこそ頑張れよ、勝ったら一回ご飯奢ってやる 」


「ダメ。食堂一ヶ月 」


「検討させていただきたいです 」


一回にしてくださいよ…… それでも全員分だぞ? そこそこの出費になるんだけど? 褒めてくれよぉ。


「おっ、緋夏からメール来た。全員集まって体育館近くにいるってさ、私らも行くぞ 」


「え、もうですか…… マジですか 」


早くないですか? あと三カ月くらい後にしましょうよ。


「マジだ。行くぞ 」


「はぁ…… 帰りたい 」


「いい性格してるわほんと、今それ言うか? 」


「帰りたいから帰りたいって言っただけ、俺に空気読むとか、場を収めるとか期待するな 」


まず空気は読めません。何空気を読むって、目に見えないものをどう読めと?


場を収めるは収めるどころか、さらに状況を悪化させる恐れがありますので。


「そこはそんな期待してないから大丈夫 」


「ありがと。んじゃ行きます? 」


「当たり前 」


「さいですよね 」



とうとうか、とうとう行くのね…… なんやかんや、うやむやにならないかな〜…… あの会長じゃ無理か。


もしこの子らが、あの会長に勝てたら…… 部は存続、サボり継続、俺はラッキー。


そんで…… あの会長の子は、何か変わったりするのだろうか…… 何考えてんだろ、俺は。







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