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九二 この世も意外と狭いみたい

「じゃあ、ダンジョンも確認したし、ドロップ品送ってくれて大丈夫だから。査定終わったらまた連絡をよこすわ。でもさっきちらっと見た感じだとじっくり見たいのも何個かあったし、ちょっと時間がかかるかもしれないけど、そこは許してね」


ダンジョンの査定の後はドロップ品の査定だ。こっちがメインだしね。

一応送って来るなと言われた際に、世界眼で視ているから偽物の類は入ってないけど、それを伝えるわけにはいかないし、あっちにはあっちの査定ルールだってあるだろう。


「構いませんよ。それと、欲しい槍とかあったら取っておいてください。あ、それから今回のドロップ品とダンジョン発見分も前と同じように四等分方式でお願いしたいのですが大丈夫ですか?」


「う~ん・・・ダンジョンレベル7以上できらびやかな物多数なのよねぇ・・・ちょっと大丈夫じゃないかもしれないわね」


「へ?」


「私の見積りだと・・・・下手すれば大金貨クラス以上なのよねぇ・・・その辺は査定終わってからの連絡で決めた方がいいと思うわ」


なんかとんでもないことになってないか?

今でさえ使いきれるのか?一生で。って感じなんだけど、そんなに貰っても困るだけなんだけど。まあ、取らぬ狸の皮算用してもしょうがない。言われた通り査定結果が出てから考えるか・・・。


「ところで、来た時から気になっていたんだけど・・・・この人達は何?なんでこんなに呆けた感じなの?」


ユーコちゃん達を指さしながら、聞いてくる。

ここまでノーリアクションというか触れずに来たから、てっきり見えてないのかと心配してたんだけど、ちゃんと見えていたのね。

ダンジョンの方が気がかりだったのかな?


「ああ、そやつらは魔物に襲われている所をなりゆきで助けたパーティーぢゃ。狩りの途中で道に迷って、ここまで来たらしいのぢゃ」


「こんななんにもないところまで?何を狩っていたのかしら?」


なんにもないって・・・・ダンジョンがあったじゃないですか。結果論だけど・・・。


「それは知らん。聞いておらんし・・・。で、助けて、治療してやったらこともあろうに上から目線での勧誘をしてきおった。断ると決めておったが、往生際悪く勝てば入って貰うと言う決闘を申し込まれ、モリーにけちょんけちょんにやられて、あのようになって現在に至るのぢゃ」


「そりゃまた、どちら様も災難。片や鬱陶しいのに絡まれ、片や相手の力量を見誤り返り打ち・・・・ん?」


タマキの説明でこの場の全てを理解したらしいライムさんがユーコちゃんの方を見ながら何かに気が付いたようだ。

じっくり観察するライムさん。しゃがんでユーコちゃんの顔をまじまじと見る。視線に気づいたのかユーコちゃんの目が開く。すると互いの目と目が合う。


「「な、な、なんで貴女がここにいるの(じゃ)??」」


二人の声が見事にはもった。

なに?二人は知り合い?

・・・不思議でもないのか。本部とはいえ副ギルドマスターと中堅パーティーなんだし。


「「モ、モリー(さん)!この女、誰だかわかってる!?」」


「だ、誰って・・・ライムさんとユーコちゃんだろ」


「「そういうことじゃないわよ(のじゃ)!!!」」


・・・・なんでワシ怒られてるの!?誰と言われたらこう答えるしかないじゃないか!?


「こやつはギルド本部の副ギルドマスター、ミカエル・ライムじゃぞ!天人族の末裔で魔王討伐隊の副隊長・・・!!その槍、神の如しといわれる一騎当千のつわものじゃぞ!?!」


「・・・いや、ユーコちゃん・・・詳しい説明してくれて有難いんだけど、ワシらとライムさんは顔見知りだから。というかギルドという組織で一番親しい人だから」


「なんとっ!!」


驚くユーコちゃん。

ライムさんがここに到着してからのやりとりを見てもらえば分かるだろうに・・・・あ、ずっと頭を伏してたんだったっけ・・・。

新たなライムさんの情報を獲得しちゃったけど、一騎当千なのか・・・・なるほどワシらが心配するのがおこがましいぐらいの人だな、やっぱり。

ユーコちゃんの絶叫に他の三人も顔をあげる。ライムさんを見ると各々驚きの表情を浮かべる。


「ラ、ライム殿!!お久しぶりです!!」


ユーミさんが憧れの人を見つけたみたいにライムさんに挨拶をする。

ベーアさんとクミさんは直立不動でビシッと整列する。

なんだこれ?軍隊?


「お久しぶりですユーミさん。今回も我儘に付き合ってといったところですか?」


「うぐっ!?そこを付かれると反論出来ないではないですか・・・」


「ふふ、相変わらず苦労してるわね。ところでその二人は?新人さんかしら?」


「まあそうですね。出世しておそばにきた感じですが、二人とも今回の旅で仲間を失ったのでショックで現在声を失っていますが、なかなかの手練ですよ」


「あ、そうそう。ユーミさん、モリーさんに戦いを挑んだんですって?」


「・・・・そうですが・・・・こてんぱんにやられました。あれは戦いなんてものじゃなかったです。いうなれば・・・子供を大人が躾けるみたいな感じでした・・」


「貴方ほどの人がそうなりますか・・・・やはり規格外ですね・・・」


あの~、そう言うのは本人が聞いていない所で言ってくれます?

タマキやミケからだって辛いのに、ライムさんからまで人外扱いされると辛さをこえて泣きたくなるんですけど・・・。


「ああ、ごめんなさいモリーさん。久しぶりにあったのでつい・・・」


「それは構いませんが・・・そちらのパーティーともお知り合いで?」


「いえ、そうではないわ。ギルドとしてお世話にはなっているけど、もっと上のレベルでの付き合い。別に彼女たちから隠せとは言われてないから言っちゃうけど、彼女、ユーミさんはこの国の近衛隊長。国王の側近・・・・そしてこの幼女こそ、元準魔王討伐隊にしてこのシンザン国の王、ベアード・ユーコ、“大鉈振るいのベアード王”なのよ」

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