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八二 帰還したけど一旦停止

「ごめんにゃさい。全くおぼえてにゃいけど・・・」


ミケが目を覚ましたのは一晩明けてからだった。ぐっすりというよりはうなされていたんだけど。

ミケが全く起きそうにないことを良いことにタマキに迫られる場面が有ったんだけど、こんな金色の目がちかちかする場所では落ち付かないし、なんかやりずらいとなんだかんだ言い訳を立て並べて逃げ切った。

その代わり地上に戻ったら埋め合わせは必ずするという約束は交わせられたけどね。

この夜は結局ドロップ品の回収をして寝たんだけど、やたら金装飾が目立つんだよなぁ。これだけあると、ありがたみもなにもあったもんじゃない。いらないし外に戻ったら全部売ってしまおう。

さて、ミケは起きるなり謝って来るんだが、別に悪いことをしたわけでもないし、結果としてボスを倒しているんだから謝る必要は全くないんだが・・・。

初めて生ミイラをみて冷静でいられるにはワシらはちょっと若すぎる。ワシとタマキだって転生前の経験値が無ければ同じようなことになっていたかもしれない。

むしろミケの新たな一面がみれて新鮮だったよ。


「謝る必要はないのじゃ。ウチだって初見であんなもん見たらそうなる。モリーだってそうぢゃろう?」


「まあ、そうなるわな」


「にゃ!?じ、じゃあにゃんで二人はあれを目の前にして正気で居られるにゃ?」


「ウチはあれより酷いのも見たことあるしのう。それこそソンビとかグールとか腐乱死体とか・・・」


さすが元魔物である。どこぞの墓場を見学に行ったんだろうか?


「ワシの方も腐乱死体は見たことあったし、昔、肉の熟成をしくじって牛やら豚やらをあんな状態にしたこともあったなぁ・・」


腐乱死体は戦争中で何も生み出さないけど、熟成の方は失敗があって今日おいしい料理が食べられていると考えると、その二つが同じ状態になっていたとは感慨深いな。


「・・・二人とも本当にボクより年下かにゃ?・・人生の経験値が違いすぎるんにゃあ・・ボクももっといろいろ経験を積まにゃいとにゃあ・・」


忘れていたけどワシらの中で最年長はミケ。そんなミケの中で、ワシらの年齢詐称疑惑が出てきたところで話を終え、とっとと魔法陣に足を踏み入れるのだった。


久しぶりってほどでもないけど、やはり普通が一番と感じる荒野に戻ってきた。

砂漠や遺跡も悪くはないけど、やっぱりなんだかんだ言っても草木って癒されるよね。

戻ってきたことだし、ライムさんに一筆書いて報告しておかないといけないな。

なにせ冒険者の義務らしいからな。

簡潔にダンジョンを見つけたことと、ダンジョン内で見つけたアイテムも手紙の後送ること、それから欲しい槍があれば持って行って下さいと書いて魔法陣に吸い込ませた。

返事は早かった。アイテム転送の為魔法陣を広げていると来た。

「アイテム転送は待ってくれ。今からすぐそっちに向かうから、場所を教えてくれ」と来たんだけどこれにはちょっと困ってしまった。

今のワシらの状態は・・・迷子なのだ。ダンジョンが目の前にあってもそれが新規に見つけたものだから近くに物見櫓や倉庫だってない。一応道が近くにあるけど立て札なんて気の利いたものも無い。

しかたなく正直に「どこかわかりません」と送る。すると「逆探知していくから。ニ、三日そこにいなさい」と怒りと呆れに満ち溢れた手紙が送られてきた。


「・・・どうするのぢゃ?」


「どうするもなにも・・・待つしかないだろ。せっかくだし玉で待機しようか」


しかたなく魔法陣をたたみ、玉の中で待機するのだった。


メイにこの玉の近くに人が来たら知らせてくれるような機能があるのか聞いたところ、あるということだったので、それなら半径一キロぐらいに人の反応があったら教えてほしいと頼んだところ、


「お任せ下さい。わたくしに仕事を与えて下さってありがとうございます」


いつも通りそんなに暇してるのかよ、っていいたくなるような返事が返ってきた。

相変わらず暇してるんだなぁ。まあやることないわな、この小さな世界では。

ヨーコさんは何も不満とか言ってこないけど、あっちはこの暇を十分満喫してるんだよなぁ。

たぶん人間性の違いなんだろうけど、やりたいことがなくて暇を持て余すメイとやりたいこと(研究とか)が一応あってやらないでいるというのはこうも違うものなのか。

なんとかしてやりたいけど・・・・・将棋とかチェスとか教えてみようかなぁ・・・簡単になら作れそうだし。

そんな事を考えつつ、ついでに飾っておいてとフィギュアを渡し、庭にやってきた。

よく考えたらアイテム品あまりよく見てなかった。危ない危ない、またうっかり飛んでもないのが入っていないとも限らない。

道具箱から今回のダンジョンの物を全部出し、片っぱしから世界眼で視ていくと・・・・辺境で視たときほどの危なさはないけど、やっぱり伝説級とか結構混ざってるなぁ・・・。

まあ伝説級ならば前回送った時みたくライムさんなら何とかしてくれるだろう。

問題は・・・・この二つだな。


[風神の袋]・・・そよ風から暴風まで起こす事も操ることもできる。神話級アイテム。

[雷神の太鼓]・・・雷を起こす事の出来る太鼓。音により調節可能。神話級アイテム。


あいつら、コンビそろってとんでもないものを持っていやがった・・!

こんなもん送ったら、そうでなくても迷惑かけてるのに更に迷惑がかかるじゃないか・・・これは送っちゃだめだな。そっと道具箱の奥深くに眠らせる。


送ってくるなと止めたライムさんに先見の目があったなぁと感心しつつ、久しぶりに世界眼でたっぷり物を視て、穏やかに日は傾いて行くのだった。


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