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七二 この世で最高の魔法講座

魔法陣に触れると、ちゃんと社の前に戻ってきた。

ダンジョンの中身は変わってしまったが、ちゃんとフロア数は変わらず不公平感の出ないようにする世界の気遣いなのかな。

見た風景を比べれば、とても平等とは言いにくい感じなんだけど。

とりあえず無事地上に戻ったワシらはこの島からいい加減帰ることにした。

アマゾネス達は森の魔物とは違いミケのいい訓練相手になるし戦士なのでリンチみたいに一斉にかかって来ることはないけど、夜襲とか平気でやって来るし島に居る限り安心できない。

来た時と同じように海を割り帰る。その際また数体の魔物と魚を犠牲にしてしまったけど、命に感謝しておいしくいただいておこう。

辺境ギルド(ギルド名は探索隊が来たら変更するらしい)が見えるぎりぎりのところで、キャンプを張る。キャンプといっても安全な場所に玉を隠すだけなんだけど。

ライムさんからは査定が終わるまでは建物を今まで通り自由に使っていいと言われているけど、なんだかんだで玉の中の方が便利だしね。

それに今回は玉の中のヨーコさんにも用事がある。ミケに魔法を教えてもらっておこうと思うんだ。戦闘訓練もいいんだけど毎日やっていると飽きるだろうし、視たところ三つも属性をもっているんだから覚えておいてもいいんじゃないかな。

ワシの時は・・・まあ結果として拗ねちゃったんだけど、ミケは純粋にこっちの世界の人である。教わるにはこれ以上ない人だ。

そしてその場にはタマキも同席する事になった。気になったことやなんかをアドバイスするらしい。そしてその間ワシは一人で休息を・・・とはいかず、料理の作りだめをするのだ。

おいしい、おいしいと食べてくれているからうれしんだけど、ちょっと食べ過ぎな気もしないではない。この世界の弁当の扱いである携帯食とかまだ見たこともないけど、ダンジョンや村から村への移動の際にあそこまで食べている人なんていないんじゃないかなぁ・・。

そんなことを思いつつライムさんが来るまでの間、ひたすらに作って道具箱に入れる作業を繰り返すのだった。


ヨーコさんは息子からのお願いがうれしかったのか、それともリベンジの機会が訪れてうれしかったのかそれはもう熱心にミケに教えていた。報酬にワシの手料理を所望されたがね。

その甲斐あってヨーコさん曰く、人としてはのみ込みが早すぎて異常というレベルで使えるようになった。

属性だけじゃなく使えるものの方向もわかったんだけど、結論からいえばミケは攻撃向けの人材ではなく補助・回復向けの人材、つまり僧侶や神官よりだということが判明する。

聖属性は回復、魔属性は逆に相手に状態異常をかけるみたいだ。攻撃としての魔法は残念ながらというレベルのものが一応出たが、実戦でつかうとなればおそらく意表をついて使って猫だましていどにしか使えないらしい。

もう一つの風属性の方はいくらやってもなにも発現しなかった。ヨーコさんも「本当にこの娘はその属性をもっているのかしら」といった具合にお手上げだった。

しかしそこであきらめないのがご存じワシの嫁である。


「人の魔法で出てこないんぢゃったら、魔物の魔法でだせばいいぢゃろ?」


どこぞでギロチンにかけられた人のようなことを言いだして、こちらも熱心に教え出した。

ヨーコさんとタマキの講義は全く別物で同じ名前の物を表しているのだから、最初ミケは目をグルグル回して混乱しててんぱっていたが、持ち前のやる気と執念で徐々に理解していく。

どちらの魔法理論も超一流の教え役が熱心に懇切丁寧に教えていて、さらに教わる方も怨念が渦巻くんじゃないかというぐらいの執念で習うものだから、上達するのも風属性の発現もそう時間はかからなかった。

人魔法のほうは回復量があがるとか、状態異常が重くなったりとかしたらしいんだけど、いまこの玉の中にその魔法を欲する物はいない。敵はいないし、常に健康なワシ、傷つける奴がいるのかという疑問さえおこる無双のタマキ、引きこもりのヨーコさんに同じく玉からでないメイ・・・せっかくの魔法も試せそうな人がいない。

しょうがないので知恵熱がちょっと出ていたミケ本人に聖魔法・リフレッシュ(状態異常を直すものらしい)を使っていたけど、効果のほどはよくわからなかった・・・まあいずれ必要になることもあるだろう・・。

イメージ魔法の方はちゃんと攻撃に使えそうである。

まず最初になぜ人なのにこっちの魔法が使えたか?という疑問が湧くが、これには流石にタマキも「確実なことは言えぬが・・・おそらく前にも言ったかも知れんがその尻尾が示すように先祖の中に魔物がおったということが関係しておるのぢゃろうな」と推測するに留まった。

理由は明確には分からないけど使えたモノはありがたく使おうということで、徐々にイメージを研鑽して行き威力を増してやっていったんだけど、最終的には、


「ダンジョンでタマキが使っていたあの扇の風をイメージしたのにゃ・・・」


と一瞬だけ暴風を巻き起こし魔力切れで倒れてしまった・・・。

まだ扇のレベルには達していないけど、そして魔力が少なくて扱いきれないのが実情なんだけど、これからに期待である。さらに人魔法で使う属性と合わせて使うこともでき聖×風、魔×風といったこともできるようだ・・・だけどこっちはそもそも魔力が足りないのか『できそう』って感じにはなるのだが、発現してはいない。こちらも今後に期待だな。

人の魔法とイメージ魔法で掛けることが出来るならワシも・・・と思いやってみた。できたんだけどワシの場合は氷と水・・・察しの通り流氷みたいになったよ。凄いことなんだろうけどなんか面白みが無いよなぁ。


そんな料理とミケの魔法学習をしているうちに手紙が届いた。差出人はもちろんライムさん。

査定やら承認やら一応全て終わったらしく明日ギルドに来てくれということだった。

ようやくここから移動できるなと思い、ベッドに腰掛けているとタマキが白のワンピースに幅広帽子を被ってやってきた。

残念ながら八尺様には似ても似つかないけど、海の街にやってきた少女って感じでよく似合っている。

しかしタマキがこうしていつもと違う格好で来たということは・・・・そういうことなのか!


「・・お主にはっしゃくさまの話を聞いてのう、ウチもお主に魅入っているのはおるので同じようなもんかもしれんと思ったのでこの格好をしてみたのぢゃ。というわけで覚悟せい!」


狐の魔物だから魅入ったという言葉はあながち間違ってないように思えるんだけど・・・・。

しかしタマキ!それは魅入ったとは言わずに惚れたとかお熱とかもうちょっと違う言葉をチョイスしてくれよ!

そんな言葉は届かず、その晩はしっかりと搾られた。一滴も残らず。

なんだかんだで憧れだった八尺様のコスプレをしてくれたタマキにいつも以上に興奮してしまったのかもしれんな、ワシ・・・・。

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