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六七 キャンプ中の闖入者

わずか数百メートルしか離れていないのに、海を挟むとこうも違うかというぐらいこの島はなにかまがまがしいものを感じる。

いきなり中心部にいくのはどうかと島の外周から回っているんだが、内側つまり森の中からなんともいえないプレッシャーというか見られてる感をひしひし感じる。

自意識過剰であるならばどんなに良かった事か・・残りの二人も感じているのだから気のせいと言うわけにはいかない。

正体が何かもきになるけど、森の中に目をやるとその視線は消えるのでとりあえずは襲ってこないだろうと言う事で無視している。

外周ついでに浜辺の魔物を狩っていっている。海と陸の境目ということもありあんまりいないけど。

ドロップ品もカニやら真珠やらなかなかいいものを落としてくれる。もちろん道を作った時みたいに無駄な殺生はしていない。あくまでも襲ってくるから迎撃するのだ・・・ミケが。

これだけカニが獲れるとカニ鍋とか食べたくなるけど、そういえば・・


「なあ、ミケ。カニって食べれる?」


「はい、大丈夫ですが?」


「いやね・・猫にカニを食べさせるのはよろしくないと聞いたことがあってね・・。たしか骨が変形するとか・・」


「ああ。それは猫の話ですから。ボクは猫人族ですので大丈夫にゃ」


そこは遺伝していないらしい。

聞けばその他にもイカとかネギとかも大丈夫らしい。そういえばミケの官舎、普通に長ネギとか玉ネギがあったっけ。


「じゃあ、普通にワシたちと同じご飯でいいんだね」


「そうですにゃ。でもにゃんで今その話を?」


まったくである。今まさにミケは大きなパールシェルとの戦闘中だ。

普通ならこんな無駄話をしている場面ではないのだが、そして返答もして貰えるはずがないのである。

しかしワシはヒマだった。ミケもさほど苦労する相手ではなかったようだ。

タマキにいたってはずっと前を鼻歌まじりに散歩している。どうやって魔物をすり抜けたのだろうか?


「これだけ新鮮なカニが入ったから今日はカニ鍋にしようかな、と思ってね。なんとなくこの話題が口から出てた」


「にゃ!!カニ鍋かにゃ!!何年ぶりかにゃあ♪」


夕飯のメニューに気を良くしたミケはその後も頑張った。

おかげで島の外周を回り終えるのに夕暮れを待つまでもなくなったのだった。


折角無人島に来たんだから今日はキャンプを張ろうとなり、最初に足を踏み入れた砂浜にキャンプを張った。外周では一番広い砂浜だったのだ。

外で食べるカニ鍋は大変おいしかった。

あいかわらずミケは幸せそうにその顔を見るだけでお腹いっぱいになりそうに作り手としてはなるし、タマキはそのだし汁を吸った油揚げを一人で食べつくす勢いでがっついていてこちらもうれしい。

作る方としてなにが悲しいかって残されることだからな。これだけ食べてくれれば文句はないし幸せさえ感じる。

食後に別に花火をするわけでもなく、後片付け後ボーっと星空を見ていたらそれは起こった。

いきなり森の中から人影が現れたのだ。空を飛ぶなにかを従えて。

咄嗟にひとり殴り倒してしまったが、まさか人ではあるまいな。


「タマキ!ミケ!大丈夫か!?」


大事だいじない!」


「こっちもですにゃ!」


火をくべていた薪を持ち森の方を照らすと無数の人影、空を照らすと無数の羽音。

どうやらこのキャンプを囲っているらしい。


「あれはアマゾネス・・空のはモスキートぢゃな。なんというおぞましい組み合わせぢゃろうか・・」


「ですにゃ。精を搾りとって血も搾りとるにゃんていう最悪の組み合わせですにゃあ・・」


アマゾネスは雌しかいない魔物で精の為に人の男をかどわかしてその種族を維持していく魔物。これだけ聞くとワシが行きたかった世界のモン娘みたいなんだけど・・。

だけど攫った男から精をしぼって精が枯れると殺すか捨てる、そしてそこから血を吸うモスキート・・・なるほど最悪だ。間違いなくミイラができる。

前世でもアマゾネスって聞いたことがあるけど、魔物じゃないしむしろ戦士のイメージがあったけどなぁ・・たしか弓矢のために乳房落としたり、産んだ子供が男だったら殺したりする女性だけの戦闘民族だったはずだ。

・・・というかこの組み合わせって・・ワシみたいに性別男が一番危なくないか!?いや囲まれている時点で皆危ないんだけども!!


「とりあえず殲滅ぢゃな。ウチは空の蚊をやるから地上のはミケメインでやったらいい。夜戦訓練なのぢゃ」


「が、かんばるのにゃ!!」


「じゃあワシはミケのフォローをするか・・あ、タマキ。火を使ってもいいけど森を燃やすなよ。危ないからな」


そう言うと各々戦闘開始した。

最初に終わったのはやはりタマキ。

あれはそう、夜空を彩る花火のようにモスキートたちはその命を散らした。


「豚軍団のほうが歯ごたえがあったのぢゃ・・」


そんなつまらなかったみたいな感想言われても困るんだけど。

アマゾネスのほうにも加戦してくれたんだけどこっちは珍しく一体一体確実に仕留めて行った。全属性の魔法の矢を一本一本確実に放っていく。

ミケの背中を守りつつ戦っていたワシにはすごく意外に見えた。なにせタマキといえば魔法で一網打尽のイメージだからな。


「・・本当ははやく終わりたいのじゃが、ミケの訓練も兼ねておるし、こやつらも夜襲こそしたが卑怯なことはせん魔物の中でも戦士なやつぢゃ。礼儀はつくさんとな」


矢を放ちながら、そんな事を言うタマキ。

そうかこっちでは魔物にこそなっているけどやはり戦士なんだな・・。


襲ってきた集団が全滅したのは一時間ほど経った後だった。

タマキが一網打尽な魔法を使わないとこんなに時間がかかるんだな。

ミケも頑張ってはいたんだけどね。誰もケガなくよかったよ。

いかにレベルが高いミケといえど今回の戦闘はとってもいい経験になったみたいだった。

今は血でぬれてしまった爪をふくこともできず眠ってしまっている。きっと神経もすり減らしたんだろう。戦闘が終わると同時に糸が切れたようにカクッとなってしまった。

手をふいてやり、膝をかしてやる。そうしているとうらやましくなったタマキが反対側の膝に頭をのっけてゴロゴロいってる。そのうちタマキもそのまま眠りに就いた。

この態勢じゃワシ寝れないんじゃないかな?ま、元より今日は寝ずの番するつもりだったからいいけど・・。



その後朝まで襲撃を受けることはなく、朝ふたりが起きた後、足のしびれをとるのに苦労するのだった。




◆今回のフィギュア収穫◇

スターフィッシュ

キャンサー

シースラッグ

ゼリーフィッシュ

パールシェル

モスキート

アマゾネス

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