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六六 海の向うへ行く方法

「行くったってどうやって?」


目のまえの海は穏やかとはいえ、船はない。


「これぐらいの距離ならば泳げばよかろ?」


「そりゃやってできないことはないだろうけど、タマキ、お前泳ぐの苦手だったろう?」


「うぐっ!?」


そうなのだ。タマキは泳ぎが得意ではない。犬かきみたいな泳ぎ方で泳げないわけではないのだが。


「・・実はボクも・・泳げにゃいのにゃあ・・というか水そのものが苦手だにゃあ・・」


ミケにいたっては泳げないらしい。

確かに猫が水遊びが好きっていうのはあんまり聞かないし、そういうのも関係しているっぽいな。

どうしても島に行きたいタマキ、そうまでして行きたくないワシ、どちらでもないミケ。

とりあえずいい案がでないので砂浜でのトレーニングを開始した。

タマキとミケは組手(タマキがすごーーーく手加減してた)したり、走ったり・・・一朝一夕でなんとかなるものではないけど、もう成長期はすぎているのだから威力うんぬんより記憶として刻んでくれたらいい。

しかし・・・泳ぎが得意ではないのに島まで行きたい・・・か。

嫁がやりたい、行きたいって言うんだからなんとかしてあげたいんだけどな。

どうする?そのへんの木を切っていかだでも作るか?

でもなぁ、う~ん・・。

そう考えながら、石を手に昔河川敷で夢中になった水きりをする。

波紋が昔より大きいのは、この世界でのワシの力が前世より大きいからだな。

もちろん投じた石はむこうの島に届くことはない。十度ほど水面ではねて沈んでいく。

・・・普通に空に向かって投擲すればなんか届きそうで嫌なんだけど。

ああ~、久しぶりにやると楽しいかも、水きり・・・ん、まてよ。水をきる・・か。

ちょっと考えてビーチフラッグの要領で遊んでいるにしか見えなくなっている二人のところに戻る。


「なあ二人とも。仮にだけどもあの島までの距離を走って行くとしたらどれぐらいでいけそう?」


「ん、あそこまでかの?ちょっと正確な距離が分からんからなんとも言えんが・・」


まあ、そうだろうな。

ワシは森の中からいくつか長い蔓をとってきて結び体に結び、結んでない方をタマキに渡した。


「?一体何をするきぢゃ?」


「いやね、あのくらいの距離ならばワシひとりならばなんとでもなるんだよ。泳いで行ってもいいし・・で、一旦ワシがあっちまで行って距離を測る。で、その距離をどれぐらいで走れるかでもしかしたら島までいけるかも・・って考えた。だからとりあえずそっち持ってて。離さないでくれよ」


穏やかな海だしワシは泳げないわけじゃない。大昔には普通に川で遊んでいたし、近代泳法も一通りは嗜んでいる。そのなかでもワシは古代泳法ののしが好きなんだけどね。早いし楽だし。

でもこれだけ穏やかな海なら走りたい!

そう思ったワシは一つ深呼吸をして、海上を走りだした。

中華料理を極めるために大陸を横断した際にとある村で教わった秘技・水上走り。

本来は水面に板を浮かべて走るものらしいけど、今のワシにはそんなものは不要。

脚力も足の回転も速くなっているしね。

そんなに遠くない距離だったので、すぐに着いた。蔓にはまだまだ余裕がある。二本分ぐらいで良かったかな。

海の上でピンとはった状態にして、長さを図るとふたたび走って戻る。

戻ったら砂浜の上に蔓を伸ばし計測完了である。


「この長さなんだけど・・・何秒ぐらいでいけそう?」


「・・・もしかして今のをウチらにもさせようというのかの?」


「・・・む、むりですにゃあ・・」


おもいっきり誤解を与えてしまった。

そりゃ出来るんならやればいいけど、安心してください、こっちも出来るとは思ってません。


「い、いや違う違う。海底なら走れるだろう?でもずっとは海を切るなんて無理だから何秒ぐらいなら大丈夫かなって・・」


「こ、この海を切るんですかにゃ!??」


「できるかはまだやってないから分からないけどね。まあ出来なければ最終ワシが一人づつ向こうに連れて行くよ」


「・・どうやってする気ぢゃ」


「どうやってって・・・こうだよ」


そういうとワシは思いっきり海を殴る。その衝撃は波を裂き向こう岸までの道を作る。

その様子に1人は目が飛び出すほどに驚き腰を抜かし、もう一人は納得している。


「昔読んだ本の中にモーゼの十戒というのがあってな、その中で海を割って奴隷たちを脱出させたっていう逸話がある。そこからもしやと思ってな」


「・・なりほどのう。お主にしかできない荒技ぢゃな」


「これなら、走ればいけないこともないだろ?」


「いや。こうなるのなら割れた断面を凍らせれば歩いてでもいけるんぢゃないか」


そうか。そりゃそうだな。島もすぐそこな訳だしな。

じゃあ、ワシがあそこまで走って行ったのってまったくの無駄だな。

はは・・・別に疲れはしなかったけど、頑張ったんだけどな。

先ほどよりも強く海を殴り、開ききったところでタマキが海壁を凍らせる。見事な一本道ができた。

さっそく三人で海の中道をあるいて渡るんだが、その道中にはあちらこちらにドロップ品や痙攣している鮮魚が転がっている。

どうやらワシの放った衝撃を受けてしまったやつららしい。

せっかくなのでドロップ品は拾い集めて、鮮魚は〆て持っていくことにした。

命に感謝!そしてどうもすいませんでした!!


「おかしいのはタマキだけかと思っていたけど、モリーもにゃかにゃかにおかしいのにゃ・・」


ミケの中では今までタマキしか戦ってなかったからスキル以外はまだ普通の人って思ってくれている部分があったらしいけど、完全に異常な人になったらしい。

力のモリー・技のタマキとでも呼んでくれ。でも改造人間じゃないよ。


無事島へ到着するとタマキはすぐに氷を解かす。

帰りはまた同じように道を作ればいいし、万一見つかれば大事になるは必至。証拠隠滅は早い方がいいのだ。

道が消えると同時に引き返すという選択肢が消える。

島の探索がはじまるのだった。




◆今回のフィギュア収穫◇

シースライム

フロウケルプ

アプサラス

ヌレオナゴ

スキュラ

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